一番気に入っているペンタックスQ用の標準レンズです。現代のレンズですから、抜けの良さとコントラストも十分にあって、まさに現代流の描写をしてくれます。小さくて河合れしい標準レンズですから、ペンタックスQに取り付けてもレンズが主張することは有りません。お散歩撮影にぴったりで高画質なレンズですから、良く持ち出されると言う事になります。
コロナ禍の中では行く事も無くなったのですが、旅行の時はあまり活躍をしてくれません。むしろ35㎜換算で28㎜から200㎜までをカバーしてくれる2本のズームレンズが、色々な場面を器用に切り取ってくれますから、旅行の証拠写真用とすれば十分に活躍してくれます。
では、スタンダード・プライムに求めている事はというと、やはり写真としてのクオリティを求める時と言う事が出来ます。ペンタックスQ自体の画素数が少ないために、ほとんどノー・トリミングで仕上げる必要があり、標準レンズの画角を持っているスタンダード・プライムが、ここ一番の撮影時に威力を発揮してくれると言う事になります。
自身も単焦点レンズの撮影に慣れていて、その中でも標準レンズを一番使用して撮影を行っているという感じです。お散歩用のレンズとすれば、人間の視野角に一番合っている標準レンズが、気が付いたらさっと撮影できるために一番使われていると言う事になります。しかし、相手がペンタックスQですから、35㎜カメラの標準レンズと考えると期待外れになります。
歪曲収差は極端に出てきますが、Qの内部補正機能を効かせればほぼまっすぐな描写になります。しかし画像補正段階で歪曲を補正しますので、どうしても無理な表現になってしまう部分も出てきます。また、一番気になる点とすれば背景ボケがあって、柔らかな背景ボケとなると期待しすぎのところもあります。
あくまでも超広角レンズの中心部分だけ拡大して、その部分を見せている訳ですから、広角レンズ特有の深い被写界深度表現になりますので、溶けるような背景ボケはかなり難しいと言う事になります。しかし、ボケないとはいえスマートフォンやコンパクト・ディジタルカメラとはレンズの質が違いますので、端正なボケ描写になります。
ボケ描写に期待しすぎないように撮影すれば、満足できる描写になりますので、抜けの良さと色ずれの少なさという観点で撮影を行うと、満足できるコマがいくつも出てきます。ボケ量は少ないとはいえ端正にボケますから、ピント位置の解像度の高さからしっかりと立体表現も行えます。浮かび上がる描写は無理にしても、そこそこ立体感は出せているという感じです。
丁度中庭のおおやまれんげも咲き始めましたので、雨の止み間を縫ってさっと撮影します。中庭に出てみると、ゆずの木も芽吹きとともに白い蕾をいっぱいつけていましたので、しっかりと記録に残します。あまり動き回れないところで、しっかりと結果を残してくれる銘レンズが、このスタンダード・プライムです。
それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。
PENTAX Q7 Standard Prime 8.5mmF1.9
撮影データ:1/60sec F5.6 ISO200
庭のおおやまれんげも満開になってきました。花もあまり長く持ちませんので、見つけた時に撮影するようにしています。