個人的にはお勧めの120㎜レンズで、質感描写と手振れし難い銘レンズとして、生産量は少ないのですが中古価格も高くて購入目標になっている印象のレンズです。ペンタックスさんの面白焦点距離レンズで、世の中で知られている105㎜、135㎜、150㎜レンズの隙間を狙った斬新発想のレンズです。
最初のレンズがsmcタクマー後期ですので、早くからライン・アップされていた訳ではありません。もうKマウントに変わろうという時に開発されましたので、タクマーからのユーザにはあまりピンとこなかった印象です。認知が進まないままにKマウント化されてしまいましたので、初代となるsmcタクマー120㎜F2.8は、ある意味希少なレンズになってしまいました。
Kマウント化されたsmcペンタックス120㎜F2.8も、smcタクマーの構成をそのまま引き継いで生産されましたので、初代smcタクマーが持っているコントラストの低さはそのまま引き継がれて、あまり人気のないレンズであったような印象です。この様な癖はペンタックスさんも気付いていたという感じで、Mレンズになった時にコントラスト改善を謳い文句にして固い描写の売込みに変わっています。
このためKマウントのsmcペンタックスレンズも不人気であった様子で、あまり生産量も多くならないままに、直ぐにMレンズに変わってきています。このためKマウントへの変更という激動の中を潜り抜けてきたsmcタクマーとsmcペンタックスレンズは、生産量も少なくて、ある意味希少的価値のあるレンズになってしまいました。
Mレンズになった時に、小型化の要求は必須命題であったと思います。この時にツァイスとの技術提携がありましたので、Kマウント化されて少し大きくなったレンズも、Mレンズではかなり小型化されて、初代のsmcタクマー120㎜F2.8よりも小さくなって、すっきりと身軽なレンズに変貌を遂げています。
同時にコントラストの低い従来からの問題点も改良されることになって、ある意味現代流でツァイスの写りに近くなったような硬い描写になりました。実はこれでペンタックスさんの単焦点レンズもまた復活と思っていましたら、時はすでにズーム・レンズの時代に突入しており、進化を続けていた120㎜レンズもペンタックスMレンズで終焉となった感じです。
販売されていた台数や種類もかなり少ない希少なレンズなのですが、もう一度復活してほしいなと思っています。ディジタル時代になって見直されたレンズなのですが、手振れになり難い望遠レンズですから、フィルムとの相性も抜群と言う事になります。何しろ少し暗い所で1/125秒のシャッター・スピードが切れるメリットが大きくて、F2.8の明るさと解像感が有りますから、FAレンズで復活してほしいと願っている感じです。
お盆休みに入って、大陸の方に向って行った台風が向きを変えて、日本列島を縦断するようになってしまいました。こうなってくるとフェーン現象で更に暑くなりますから、休みの間は近場の撮影行で、熱中症を避けて家の中で過ごしていました。外に出ると体温以上ですから、早々に近場を撮影して戻ってきたと言う事になります。とんだお盆休みになりましたが、台風の直撃で無かった分良かったと感じています。
それでは、今月上旬に撮影した写真から掲載します。
PENTAX K-5 SMC Pentax-M 120mmF2.8
撮影データ:1/800sec F4 ISO200
梅雨の終わりごろから咲き始めた風蝶草ですが、今はもう満開という感じで蝶の形の花が風に揺らめくのが一服の清涼剤のような感じです。