タクマーから綿々と作られている大口径35㎜レンズなのですが、初代タクマーのレンズはおおよそ広角レンズとは思えないような大きさで、望遠レンズのようないで立ちで広角レンズと言った感じでした。その後小型化が希求されるようになってくると、レンズそのものが変革していくと言う事になります。
大きいオートタクマーからスーパータクマーに変わる時に、アトムレンズが使われて、レンズが放射線を出すようになってしまいましたし、ブラウニング現象からレンズが黄変してしまって、昼でも夕方のように写りますから人気が無くなってしまったという感じです。そして、アトムレンズからの脱却が希求されるようになって、Mレンズから全く新しい構成のレンズが出てきたと言う事になります。
確かに、ガイガー・カウンターを近づけても放射線は検出されません。アトムレンズから脱却した訳で、レンズ黄変のないレンズと言う事になります。しかし、レンズ自体が何だかツァイスのレンズとそっくりさんになっています。この頃にツァイスとの技術提携が進んでいた訳で、同じようなレンズが出てきても不思議ではないという感じです。
アトムレンズの35㎜時代に人気だったのが、ツアイスイエナのフレクトゴンで、35㎜F2.4のレンズは中古品で高いながらも、黄変や変な癖を持っていませんでしたから、買い求める方が多かったように感じています。ドイツレンズらしい濃厚な発色で、食べ物を撮影すると美味しそうに写りますから、人気が高かったと考えています。
このレンズが俗称出目金フレクトゴンとそっくりさんな訳で、写りの方は昔からのペンタックスさんらしい、少し控えめの発色になっています。地震の好みからすると濃厚な発色よりもどちらかというと渋めの発色が好きですから、Mレンズの方が良く使うと言う事になっています。
1月は50㎜F2の廉価版標準レンズで撮影していたという感じなのですが、この35㎜F2レンズも使い方によっては50㎜F2のレンズと同等に扱うことが出来ます。APS-Cサイズのディジタルカメラで撮影すると、画角換算の焦点距離が1.5倍になりますので、標準レンズと同じような見え方になります。
しかし、レンズ自体は広角レンズですから、被写界深度は少し深いと言う事になります。ボケの雰囲気は硬くなるのですが、その分被写界深度が少し深くなって、撮影が行い易い特徴を持っています。50mmF2の標準レンズを使っていると、近接撮影で微妙なピント外しが多くなるのですが、35㎜レンズをAPS-Cカメラで使うと、撮影が行い易くなってストレスが少なくなります。
大寒の季節も終わり頃になると、降る雪も少なくなってきて、朝晩はかなり冷え込むのですが晴れる時間も多くなってきて、過ごし易くなってきます。日中が暖かくなってくると早春の花が咲きだしてくると言う事になるのですが、昨年はクリスマス寒波でしっかり休眠打破になっていると思いますので、今から観察が欠かせないと思っている今日この頃です。
それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。
PENTAX K-1 SMC Pentax-M 35mmF2
撮影データ:1/80sec F3.5 ISO100
これから雪も少なくなってくると思っていたら、道端のリュウキンカも咲き出していました。リュウキンカの花が川の土手を黄色く染めるころに春本番になります。