Today's agenda

通勤ローディ、たまにホビーレース

機能性エラストマーを使ったフレーム

2012-10-29 23:57:51 | フレーム調査
土日は、お家でゴロゴロ。気がついたら、月曜になってました。見に来てくれた方、すみません。


先日、「電流を加えると即座に剛性が変わる、ガンダリュウム合金みたいな樹脂が登場する」と書きましたが、どうやら、とっくに研究は始まっていたようです。

名称は、機能性エラストマーの磁性エラストマー。用途は、自動車のサスペンションブッシュ。
電流を流して磁界を与えると、剛性が変化するゴムです。
この金属粒子である磁性体を樹脂に混ぜて、剛性を即座(数msecレベル)に変えるとの研究が、研究レベルで進んでいるようです。


京都大学の論文(124ページ!相当難しい…)を斜め読みしましたが、真っ当に考えると、自転車のフレームでは、TREK、スペシャみたく、「フレームに挟んでいるゴム」や、最近のLOOKの「シートポストに挟んでいるゴム」に、この磁性エラストマーを使うのがいいのでしょう。
ベースの乗り心地があって、その味付け程度に、磁性エラストマーを使う程度が。


でもね、やぱりやりたいのは、フレーム全体、またはフレームの剛性を決める要所に、この磁性エラストマー、又は、磁性樹脂を使うこと。

やるなら、その剛性が変わることを前提としたフレーム設計技術、そして、磁性を与え続ける為のバッテリーが必要になりますが、時代は既に、電動(電子)コンポ用としてバッテリーを自転車に搭載しており、なんら問題はありません。

マキュアンは選手時代、スプリントのない山岳ステージでは、ふかふかのサドルを付けていたのは有名な話ですが、この磁性樹脂を使ったフレームなら、平坦ステージでも、ふかふかのフレームで走ることができます。ヘタレのスプリンターには朗報です。(←誰?オイラ?)


問題は、そのバッテリーの容量。
電動コンポ用のバッテリー容量なんて、たかが知れたもの。それに対し、剛性変化させるのに必要な電力は、論文によると、数アンペア必要らしいです。
ツールみたく、1日100~200kmも走る競技では、バッテリーは十分とは言えないでしょう。でも、バッテリーは重たいから、必要以上に積みたくない。悩みどころです。


…どうやら、今の技術では、ゴールスプリントの前に、スプリンター達が、ボトル補給…ならぬ、バッテリー補給(交換)を始めるのでしょうか?
んでもって、通電しぱなっしでフレームをガチガチにして、ゴール前スプリントになだれ込む…なんて戦法でしょうか?
ロングスプリントになると、途中でバッテリーが切れて、最後は腰砕けスプリントになるのでしょうか?


カンパのクイックリリースが、自転車競技を変えたように、やはりバッテリーの存在が、レースの戦術を変えるかもしれませんね。
そして、カーボンフレームの技術が行き詰った昨今、新たな機能性エラストマーが、新しい思想のフレームを作るかもしれませんね。
できれば、その樹脂の名前は、「ガンダリュウム合金」って名付けて欲しいなぁ…、ガンオタとしては。


今日はここまで