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通勤ローディ、たまにホビーレース

可変たわみ

2012-01-27 23:47:01 | フレーム調査
カーボンフレームの続きです。

これから、どんなカーボンフレームが生まれそうか、つたない知識を基に、勝手に推測をしてみました。もちろん、個人的な妄想の世界です。


1. 可変たわみフレーム
ライダーの平均出力は、ロードバイクの愛好家で200W程度、鍛えたホビーレーサーで300W程度、トッププロのカンチェラーラで450Wぐらいでしょうか。

フレームを設計する際、プロスペックにすると、450Wで適切にしなる設計となります。しかし、市場で大きな数を占めるロードバイク愛好家にとっては、硬いだけのフレームになります。
また、私の大好きな「ロードバイク、インプレッション」なんかで登場するライダーは、この300W程度の人たちで、この人たちからも「硬すぎるフレーム」「踏み切れないフレーム」として敬遠されるでしょう。

そこで、しなりが一定じゃない可変たわみをもたしたフレーム。
具体的には、「しなりの違うCFRPを使う」「繊維の方向を変える」「繊維の積層枚数を変える」とかでしょう。

ピナレロみたく、客層がrichmanばかりだと、高価な素材1種類で積層枚数、方向を変えた方が、設計はしやすいでしょう。
逆にピナレロの手法だと、同じ金型で、素材だけ落としたモデルってのは…、ちょっと違うような気がします(←すいません、私見です。実際は何か「細工」をしてるのでしょうね)

違う種類のCFRPを使うと、これにフレーム形状、ディメンジョンが関わってくる訳ですから、その組み合わせは…、無限大ですね。
相当、設計は難しくなります。具体的には、CAEでのトライ&エラーでしょう。手間がかかりそうです。
ただ、CAEは与えた課題の答えは出せても、最適解を求めることはできないので、十分な経験を持った設計者が必要になるでしょう。


楽なのは、コルナゴ、TIMEなどのラグを使って、あとから接着する手法。
フレーム部品(パイプ)に機能を持たせるので、気に入らなければ、パイプを交換するだけで、特性を改善できます。
ですが問題は、接着が入るので、CFRPのマトリックスが、(基本的には)熱可塑性しか使えないこと。硬くするなら、熱硬化性のマトリックスの方が、いいと思われます。(一概には言えないが)
ただ、熱可塑性にもメリットはありますが…。(また、後日)


…とにかく、可変たわみを使うと、ある所までは軽くたわんで、そこからはたわみ難くなる。つまり「たわむが、芯を持ったフレーム」になります。

スペシャのVENGEが、「思ったよりたわむ」と書いてありましたが、ゴール前までは少ないストレスを望み、ゴール前で出力を爆発させるスプリンター用のフレームには、そんな設計をしてるのかもしれませんね。


次回は、「衝撃吸収」に関しての妄想です。


今日はここまで