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おやままさおの部屋

阿蘇の大自然の中でゆっくりのんびりセカンドライフ

良かったNHK「美輪、中園対談」 

2014年09月15日 09時21分34秒 | 日記


NHKの朝ドラ終了後「あさイチ」と思って見ていたら特集番組で「中園・美輪の対談」をやっていた。ちょうど今見終わったところ。

「花子とアン」はいよいよ終りに近付いてきた。

空襲で東京が焼け野原になって、花子の一家、二人の妹と縁者が無事で再会する場面。蓮子の息子の戦地での消息がどうも心配ではあるのだがー

さて脚本家中園ミホとナレーションの美輪明宏の対談は素晴らしかった。特に美輪の発言は随所に名言というか心を突き刺すような輝いた言葉があって涙を何度も流した

一番衝撃的な話は戦時中、美輪自身が体験したことで自分の家族同然の青年が出征兵士となって出かけていく見送りの場面でいよいよ汽車が出発する時、それまで後ろに控えめにしていた小さな母親が突然前で人を掻き分けて進み出、動き出した汽車のデッキに立つ息子に向かって「絶対に死んだらダメ。無事に帰って来なさい!!」と叫ぶ。

それを憲兵が腕を掴み、殴りつける。「なんでお国のために立派に戦って来い」といえないのだ母親は殴られて額から血を流している。

そして青年は戦地で死んでしまう。

この最後の見送りの場面=母親が軍人に殴られて傷ついている姿を目に焼き付けたまま死んでいかねばならない悲運。

中園はいう、「このドラマの戦争を描いている時、いよいよ開戦という国内の不穏な動きが見え始めている時と現在=いまがよ。く似ているだから書きながら怖くなった」と。

確かに、この政治の微妙な動きが難解な言葉で包まれて真実が見えなくさせられ「景気回復」といおう旗印の下で他の事は政府に任せておけばいい。豊かで便利な時代さえ続けばいい。

しかし、ここ一番の考えどころ。時が総てを解決しいい方向へ導いてくれるということはないのだ。

中園は花子の戦争責任をぼかして現在描いている。蓮子との決別で暗に象徴するという方法をとったのかもしれないが、評価は分かれるところだと思う。しかしそれでも中園が状況を不穏と感じているということを表出したのは評価する