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おやままさおの部屋

阿蘇の大自然の中でゆっくりのんびりセカンドライフ

隣町の図書館と読書録

2014年09月04日 07時07分58秒 | 読書

物凄い雨が降り続いている。雨に雷が付属しているのが気になる。

災害が起きそうな感じもするのだが、自然相手ではどうしようもない。

広島の教訓を生かさないといけない。

困っているのは丘陵地なので下の土地と段差があり、仕切っているのり面が1.5~1.8mほどにもなる。

これが2箇所で雨水で土が流れていてその都度下から土を補充するのだが水の流れる道ができているようで悩みの種。

宅地になっている面は一区画がどこも2~3百坪ほどあって簡単には崩れないと思うのだが・・・

こういう天気なので晴耕雨読。読書の時間が長い。

今は中上健次の『軽蔑』と隣町の図書館から借りた浅田次郎の時代小説2冊を読んでいる。

住んでいる村には図書館という独立したものはない。公民館の1室に僅かばかりの書籍を貸し出しているだけ。小学校の図書室程度の貧弱さ。この村の文化度の低さを象徴していると思う

古文書を2箇所で週に2回勉強している。村の講座(2年目)と隣町(大津町)の古文書講座には教委に相談して許可を得、越境して入門。真新しい「(町)歴史伝承館」という施設に通っている

先日、その帰り道図書館に寄った。これが素晴らしい施設でまさに垂涎。カードを作り、早速5冊借りた。先の浅田の本が上下2冊なので実際は3つの小説。皆浅田。


この3冊の前に読んだのは葉室麟の『橘花抄』と藤沢周平の『義民が駆ける』。

葉室は九州人。一度読んだことがある。この小説は黒田家のお家騒動を書いたもの。今NHKでやっている黒田官兵衛の孫の代の権力抗争を題材にしている。

藩から抗争で粛清された有能な兄弟が主役でさらに抗争で自害した父の一人娘が変転する運命に翻弄され懊悩の末に失明する女性が登場する。

葉室は歴史的題材を丹念に調べ、事実関係をベースにしてその上に赤裸々な人間像を描く。その筆は緻密だ。そして政治抗争だけでなくそれに揺れる人間の心を精緻に描くので感動する。上様への忠義と肉親の情との乖離、そして恋。

一方、藤沢の『義民が駆ける』は百姓一揆を題材とする。これも歴史的事実を題材にしたもの。

水野忠邦の時代。突然荘内藩へ転封の知らせが届く。14万8千石といっても実収は20万石あったという荘内から7万石しかない長岡藩へ転封。しかも3方国替えという3藩を同時に動かすというもの。

荘内藩主の酒井は実に善政を布いていた。農民から慕われる殿様だった。

新しく財政に窮している川越藩から入ってくるというので農民が驚くとともに次第に反対の意思を固めて行く。

そしてついに越訴を決める。百姓一揆の一種だが比較的穏当なもの。それでも百姓は命懸けで動いて行く

「おらたちの大事な御殿様をどこへもやらないでくれ」

このドラマも政治の醜さ(賄賂で動向が決する)とともに、熱い人間の情熱を感じ深い感動を覚えた

さて借りた本の貸し出し期間は2週間。急がなければ