マリの水彩画とグルメ

MARINE blog 水彩画家・家庭料理研究家のMariがつづるルポと日記
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世界に誇る絵の具「まっち絵の具」訪問

2006-08-11 11:16:21 | 水彩画
 私がここ数年愛用している絵の具は「まっち絵の具」です。
使い始めは、従来使っていた他社との併用でしたが、品質の良さと値段で、今は「まっち絵の具」のみを使用しています。
その性能の良さと安全性をより知りたいと思い。開発された小出社長にお時間を割いていただくことをお願いしました。
今回その願いをご快諾いただき、長野県千曲市にある会社と工場へ伺いました。

 まずみなさんは、どれだけ普段使っている水彩絵の具が危険かご存じないですよね。私もその1人でした。
まっち絵の具以外の会社の絵の具の糊料は、利益の追求から澱粉を原料とした「デキストリン」が使われています。澱粉は腐敗しやすいので防腐剤が必要となります。
なので防腐剤として劇毒物の「石炭酸・フェノール」や農薬にも使われる「有機リン」を多く使っています。
絵の具の匂いとして当たり前になってしまっている、あのツーンとしたいやな臭いです。
何も知らない先生や子供がこの絵の具でボディペインティングをしたさいに、「化学物質過敏症」のお子さんの全身が、ただれてしまった事例があったそうです。
 
 まっち絵の具は、古来より水彩絵の具に適する糊料とする西アフリカ原産のアラビアゴム(良質のスーダン産でデキストリンの20倍の値段)を使っています。
そしてこのアラビアゴムから丁寧に不純物を取り除くことで腐敗が少なくなり、多くの防腐剤を使う必要がありません。フェノールや有機リンは使っていません。
今、急増している「化学物質過敏症」の患者さんにも安心して使っていただけますので、皮膚科の先生が薦めておられていますし、「化学物質過敏症」のお子さんをお持ちの親御さん達の駆け込み寺的存在になっています。

 水彩絵の具は、混色した場合、濁るのは当たり前だと多くの方々が思っています。
私も以前は当たり前のように受講生の方々に「濁るのでパレットの上での混色はなるべく避けてください」とお伝えしてきました。
 
 ところがこの点についても疑問を感じられた小出社長は、ある文献からヒントを得、絵の具に使われる顔料を0.01〜0.1ミクロンまで細かくし、絵の具を作ることに思いついたそうです。
「粒子を細かくし、形を整えれば乱反射を起こさず色も濁らない」。言ってしまえば簡単ですが、各社総力を挙げて取り組んでいますが、未だなしえない技術のようです。
またこの顔料についても、溶けた水が農作物に影響を与えないよう、毒性のないものを厳選していますし、この技術によって今まで毒性のある材料でしか作れなかった色も出せるようになりました。

 お陰様でこの絵の具を手にした私は、毎日快適に、安全に、そして地球にやさしく制作ができ、また受講生の方々に楽しく水彩画をお伝えすることができます。

 小出社長は、「小さな子供でも絵が描けるように」と、リーズナブルな値段に抑え、商品を提供してくださっています。

 「発色がよく、混色も楽でリーズナブル」これが私がまっち絵の具を愛用する一番の理由でしたが、今回お話しを伺い、こういった高い品質の絵の具が世の中に出て親しみやすく手にするまでに、どれだけの時間と知恵と能力と、そして小出社長と社長を支えるご家族の情熱があったかを知ることができました。
 
 この絵の具はまさに「奇跡の絵の具」そして世界に誇れる絵の具です。

 

 


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33 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ひなた。)
2006-08-11 12:38:48
うむむむ・・・

すごい、今感動しました~~~~

素敵な方ですね。

いつか教室とかで絵の具使うとき、

または、私が水彩をやtるときは、ここのにしよう!と思いました。

こうやって・・・

いろんな思いが形になって・・・

世の中にひろがっていくと、すてきだなあ・・・

と思いました。



すてきな情報ありがとうございます。
奇跡の絵の具 (岡田和樹)
2006-08-11 14:12:54
お久しぶりです。



とても勉強になりました。

世界に誇れる絵の具が日本製というのは

嬉しいです♪

ギターを持ったあほう鳥 (きのもと ぜんの)
2006-08-11 16:55:15
マッチですか・・私はギターペイントくらいしか使ったことないんですよね。とほほ・・。



なるほど~ (GUY)
2006-08-11 19:13:28
絵の具は自然に良くはないだろう、って言う程度の知識しかなかったので、勉強になりました。



私も外に描きに行ったら筆を洗った水は持って帰って下水に流すようにはしていますが・・・。



色が濁らないって粒子が細かいとか、そういう事なんですね!

なるほど~全く知らなかった。
そうなのですね・・ (こりの)
2006-08-11 20:37:23
ほんと勉強になり、良いこと教えてもらったと思いました。

私は自分で水彩画を書く機会はないのですけれど、子供に絵の具を選ぶときは、まっち絵の具にしたいです。
絶対お薦め! (マリ)
2006-08-11 22:48:33
ひなたさん

ひなたさんのようにお子さん相手の場合は特にお薦めしますね。

受講される方の中に、もし「化学物質過敏症」の患者さんがいらしたら、感謝されることでしょう。



私もなんにも知りませんでしたからね。

今回驚きと恐怖と、感動の嵐でしたよ。

そうそう、こちらの不透明絵の具もありますよ。
広めたいのです (マリ)
2006-08-11 22:51:21
岡田和樹さん



お久しぶりです。



岡田さんのような方なら、この絵の具の良さをご理解いただけると思いました。

こちらの絵の具をどうにか広められるよう、考えています。

何か良いアイディアがありましたら教えてくださいませ。
ぜひ使って! (マリ)
2006-08-11 22:53:18
きのもと ぜんのさん



そんなトホホ…なんて言っていないで、ぜひぜひ使ってみてくださいませ!

絵を描かれる方こそ、こちらの品質の良さを実感できるはずですから。
ネット販売もされています (マリ)
2006-08-11 22:56:46
GUYさん

私も知らないことばかりでした。

けれど知ってしまうと恐ろしいことばかり。

そしてここまでなし終えた小出社長に感動するばかりです。



大阪の梅田のトゥールズでは扱っていますし、ネット販売もされています。

ぜひぜひ一度使ってみてくださいませ!
学校でこそ使って欲しい (マリ)
2006-08-11 22:59:49
こりのさん

お子さんをお持ちの方なら、特に安全性については切実に思うことですし、事実を知った後では他社の絵の具は使えなくなっちゃうますよね。

小中校などでこそ、使って欲しい絵の具です。

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