「あなたはどれほどの心身共に起こる苦痛と、夢も希望も叶わない中で生きていけることができますか?」
そんな質問を突きつけられたような本でした。
といっても、社会派小説というより、どこの国ともどの時代とも限定されていない、大人の寓話という感じの小説です。
ある方から「ちょっとヘヴィーですよ」と言うコメントともに紹介してもらった一冊。
ポール・オースター著 柴田元幸訳「最後の物たちの国で」。
前述したように、舞台はおそらくとある欧米の街。時代も不明。だけどそこは
「物が物としての形を失い、人が人の心を失ってさまよう国」(帯に書かれた紹介文より)。
そこで主人公アンナは最愛の兄を捜し求めます。
死体も無駄にできないほど貧困で、寒く、湿っていて、いつも死と隣り合わせ。
人々の心はすさみ、背信や暴力の連続。そんな中でアンナは兄に会う希望を捨てず、
多種多様な人々と出会いありとあらゆる手を尽くし生き延びていきます。
その様子を、彼女が書いた手紙形式で書かれています。
進めてくださった方の「ヘヴィーですよ」というコメントと、以前ポール・オースターを読んだときにも
ウキウキ気分(笑)ではなかったこともあって、結構な覚悟の元、読み始めました。確かにヘヴィー・・・。
しかも読んでいる時期も実際かなりヘヴィー。
けれど、どうあっても力強くたくましく生きる若い女性に、生きる元気をもらえるんです。
喩えが妥当かどうかわからないけれど、失恋したときに中島みゆきを聴くような。
「あー、この彼女よりましだわ」みたいな(笑)。
これはフィクションなのだけれど、この本を読んで、人ってもしかしたら辛い最中にある時ほど小さな幸せに敏感で、些細なことに希望を見出せるのかも知れないと思いました。
白水社から出版されています。
出てくる人々の何げない言葉が、とても心にしみてきます。
私の感想文で、この本の渋〜い良さ(笑)が伝わったかどうか疑問ですが
よろしかったらご一読ください。
そんな質問を突きつけられたような本でした。
といっても、社会派小説というより、どこの国ともどの時代とも限定されていない、大人の寓話という感じの小説です。
ある方から「ちょっとヘヴィーですよ」と言うコメントともに紹介してもらった一冊。
ポール・オースター著 柴田元幸訳「最後の物たちの国で」。
前述したように、舞台はおそらくとある欧米の街。時代も不明。だけどそこは
「物が物としての形を失い、人が人の心を失ってさまよう国」(帯に書かれた紹介文より)。
そこで主人公アンナは最愛の兄を捜し求めます。
死体も無駄にできないほど貧困で、寒く、湿っていて、いつも死と隣り合わせ。
人々の心はすさみ、背信や暴力の連続。そんな中でアンナは兄に会う希望を捨てず、
多種多様な人々と出会いありとあらゆる手を尽くし生き延びていきます。
その様子を、彼女が書いた手紙形式で書かれています。
進めてくださった方の「ヘヴィーですよ」というコメントと、以前ポール・オースターを読んだときにも
ウキウキ気分(笑)ではなかったこともあって、結構な覚悟の元、読み始めました。確かにヘヴィー・・・。
しかも読んでいる時期も実際かなりヘヴィー。
けれど、どうあっても力強くたくましく生きる若い女性に、生きる元気をもらえるんです。
喩えが妥当かどうかわからないけれど、失恋したときに中島みゆきを聴くような。
「あー、この彼女よりましだわ」みたいな(笑)。
これはフィクションなのだけれど、この本を読んで、人ってもしかしたら辛い最中にある時ほど小さな幸せに敏感で、些細なことに希望を見出せるのかも知れないと思いました。
白水社から出版されています。
出てくる人々の何げない言葉が、とても心にしみてきます。
私の感想文で、この本の渋〜い良さ(笑)が伝わったかどうか疑問ですが
よろしかったらご一読ください。