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国連拷問禁止委員会の勧告を無視したニッポンの教科書検定

2015-04-07 00:11:18 | anti facism
ニッポン国は2013年に国連の拷問禁止委員会という機構から2013年にその人権状況に関する結論的観察(Concluding observations,勧告みたいなもの)を受けている。
これは死刑制度から代用監獄(留置場)の制度など人権全般にかかわる様々な内容を含んでおり、おそらくどこの国でも多かれ少なかれ改善勧告を受けているのは間違いない。
日本に対する勧告の第19項は「軍による性奴隷制の犠牲者(victims of military sex slavery)」に充てられている。
そこでは国連拷問禁止委員会が日本政府が「慰安婦」問題について拷問等禁止条約で定められた義務を履行していないことについて「深く憂慮」していると書かれている。
そして性奴隷制の被害者に対する補償を求めるとともに、公衆にこの問題を教育すること、とりわけ歴史教科書においてこの問題を取り上げることで、日本が拷問等禁止条約違反を繰り返さないようにすることを求めている。
ところが、昨日発表された中学校の教科書検定の結果によれば、「慰安婦の強制連行を示す証拠は見つかっていない」という日本政府見解を書くように教科書会社に求められたとのこと。
おそらく河野談話を準備する過程で韓国で強制連行を示す証拠を探したが見つからなかった、という事実を指したのだと思うが、先ほど聞いたNHKの解説番組で、NHKの解説委員はそれをあろうことか「慰安婦の強制連行はなかったというのが日本政府見解」と説明していた。日本軍がオランダ人女性を強制連行して慰安婦として働かせたことはすでに裁判で認定されているところであり、強制連行が全くなかったと主張するのは無理がある。
さすがに文部科学省はもう少し慎重な検定意見を出したのだと推測するが、仮にNHK様が解説したように「慰安婦の強制連行はなかったという政府見解を書くよう日本政府が求め、教科書は唯々諾々と従った」というような形でこの事実が世界に知れ渡るとすると、「日本国は国連拷問禁止委員会の勧告にもかかわらず、それとはまったく逆の教育を国民に対して行っている大ウソつき国家」という評判を獲得することは間違いなく、それは日本国および日本人の信用を落とし、国益を大いに損ねるのではないか。日本の名誉を守ったつもりで実は名誉を毀損している笑えない事態である。
ちなみに、国連拷問禁止委員会があのような勧告を行うに際して韓国などから働きかけがあったことは想像に難くない。しかし委員会はチリ人を主席、アメリカ人、モロッコ人、グルジア人を副主席とする国際的な委員会である。素直に勧告に従ったほうが身のためではないのか?

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