高木仁三郎氏ら1980年代から原発の危険性を訴え続けた人たちがいる。チェルノブイリ原発の大事故で彼らの訴えの正当性が最悪の形で立証されることとなり、日本の反原発運動は一時盛り上がった。だが、時が経つにつれて私も含む一般人はなんとなく原発のことを忘れていた。気候変動問題が持ち上がると原発はむしろ逆に推奨されるようになった。
そこへ福島第一原発の事故が起きて取り返しのつかないことになった。日本は国土の何十分の一かを事実上失った。日本産の農水産品が放射能に汚染されている疑いありとして一時は40か国以上から締め出しを食った。
そして改めて原発の危険を訴え続けた勇気ある人たちのことを思い出す。
本書を見ると彼らがものすごい苦難に耐えて原発反対運動を続けてきたことがわかる。無言電話、新左翼党派とのかかわりを匂わせるような偽装工作、汚物の送り付け、さまざまな形での脅迫など、運動関係者が保存しておいただけでも4000通のいやがらせの手紙が送られてきていた。この執拗さはもちろん原発推進の考えを持つ個人がやったことではありえない。3・11の2年後ぐらいだったか、某カルト集団が「原発推進」のデモをやっているのを見たことがあるが、彼らの宗教的情熱をもってしてもこれほど執拗ないやがらせを続けることはできないだろう。「原子力ムラ」の住人のなかにこうした謀略活動、人権侵害活動、ハラスメント活動によって給料をもらっている人たちがいるに違いないのだ。
謀略活動の活動資金は独占利益を享受している電力会社の周辺から出ていると推測されるが、謀略の遂行者たちは民間会社には考えられないような情報力を持っているらしいので、本書では公安警察の関与を疑っている。
では彼らはいったいなぜこんなに執拗に反原発を攻撃するのだろうか?
反原発は現体制を転覆させるような危険性がある運動とは思えない。エネルギーの選択をめぐる運動にすぎないものに、なぜ体制に対する脅威に対処すべき機関が執拗に圧力を加えるのか?
それはどうやら日本が原発や核燃料サイクルを推進する理由が単なるエネルギー問題ではないからであるらしい。本書によれば日本のプルトニウム政策を外国から見るとあたかも核兵器を準備しているように見えるらしい。もちろん現在もしくは過去に核兵器を作っているわけではないだろうが、「割と短期間で核兵器が作れる状態」を保っておくことが日本が原子力を放棄しない隠された理由ではないだろうか。だからこそ反原発運動に対してまるで体制転覆運動に対するような執拗な嫌がらせを行い、運動の広がりを抑え、運動家たちのやる気をくじこうとしているのだろう。
そこへ福島第一原発の事故が起きて取り返しのつかないことになった。日本は国土の何十分の一かを事実上失った。日本産の農水産品が放射能に汚染されている疑いありとして一時は40か国以上から締め出しを食った。
そして改めて原発の危険を訴え続けた勇気ある人たちのことを思い出す。
本書を見ると彼らがものすごい苦難に耐えて原発反対運動を続けてきたことがわかる。無言電話、新左翼党派とのかかわりを匂わせるような偽装工作、汚物の送り付け、さまざまな形での脅迫など、運動関係者が保存しておいただけでも4000通のいやがらせの手紙が送られてきていた。この執拗さはもちろん原発推進の考えを持つ個人がやったことではありえない。3・11の2年後ぐらいだったか、某カルト集団が「原発推進」のデモをやっているのを見たことがあるが、彼らの宗教的情熱をもってしてもこれほど執拗ないやがらせを続けることはできないだろう。「原子力ムラ」の住人のなかにこうした謀略活動、人権侵害活動、ハラスメント活動によって給料をもらっている人たちがいるに違いないのだ。
謀略活動の活動資金は独占利益を享受している電力会社の周辺から出ていると推測されるが、謀略の遂行者たちは民間会社には考えられないような情報力を持っているらしいので、本書では公安警察の関与を疑っている。
では彼らはいったいなぜこんなに執拗に反原発を攻撃するのだろうか?
反原発は現体制を転覆させるような危険性がある運動とは思えない。エネルギーの選択をめぐる運動にすぎないものに、なぜ体制に対する脅威に対処すべき機関が執拗に圧力を加えるのか?
それはどうやら日本が原発や核燃料サイクルを推進する理由が単なるエネルギー問題ではないからであるらしい。本書によれば日本のプルトニウム政策を外国から見るとあたかも核兵器を準備しているように見えるらしい。もちろん現在もしくは過去に核兵器を作っているわけではないだろうが、「割と短期間で核兵器が作れる状態」を保っておくことが日本が原子力を放棄しない隠された理由ではないだろうか。だからこそ反原発運動に対してまるで体制転覆運動に対するような執拗な嫌がらせを行い、運動の広がりを抑え、運動家たちのやる気をくじこうとしているのだろう。