ある編集版でPoseidonという曲が耳にとまった。
面白いベースラインに刑事コロンボのバックで流れているようなメロディー。フルートのソロもかっこよかった。
さてCDを買ってみると、これがフィンランドのジャズ・コンボであった。ギターのValtteri Poyhonenという人が全曲を作曲し、フィンランドの名門音楽院であるシベリウス・アカデミーの卒業生や在学生がメンバーなのだという。日本語の解説のなかで「ジャズ・サンバ調のサウンド」という表現が使われているが、なるほど何曲かはブラジル的リズムで、デオダート、ジョイス、ドリ・カイーミを思い出させるようなアレンジやコード進行が聞こえる。ジャズ・サンバそのものというより、ジャズとの距離の取り方がジャズ・サンバと同じとも言えるかもしれない。どの曲もテーマを重視し、ソロはそれほど長くない。テーマはそこそこに、メンバーが順に延々とソロを展開する普通のジャズとは違っており、そこがやはりテーマ重視で一曲が長くないジャズ・サンバと似ている。
また3曲ではフィンランドに留学中のmichikoさんという日本人のボーカリストが歌っている。
やっぱり最初に聞いたPoseidon(最初のシングルでもある)が一番好きだが、Go Ahead, Floatも楽しくていい。やっぱり刑事コロンボのバックに流れていそうな曲だ。