mardinho na Web

ブラジル音楽、その他私的な音楽体験を中心に

ジャワ島中部で大地震

2006-05-28 19:13:36 | 日常
ジョクジャカルタ付近で大地震が起きた。
ボロブドールとプランバナンという二つの古代遺跡で有名なジョクジャを私が訪れたのは1992年。そこへ向かう長距離バスで盗難にあうというハプニングもあったが、緑豊かでゆったりした空気が流れ、バティックやガムランといった文化も堪能した。富士山そっくりの山が二つあった。プレートが潜り込む上に乗っている構造が日本の東海側と似ているのだろう。
ボロブドールの遺跡は発見されたときにはがれきの山だったというから昔から地震は多かったのだろう。早く地震から回復できるように、せめて募金したい。

Tocando Sentido Suando(Joyce第8弾)

2006-05-23 02:47:53 | Joyce
"Feminina"の音楽的成功に気をよくしたジョイス、夫のTutty Morenoらレコーディングに参加したメンバーは、勢い余ってインストルメンタルのアルバムを作ってしまった。ところが録音したはいいけれど、ブラジルでは歌の入っていないレコードは売れないということでお蔵入りしてしまった。
それが90年代に入ってからジョイスの"Feminina"などがイギリスや日本で人気を博すなか、ジョイスの家の倉庫に眠っていた本作のテープが発掘され、初めてレコードになった。
こんな傑作がお蔵入りしていたなんてもったいないが、結局私も90年代以降にジョイスを知ったのだから、まあいいか。



少年の目に映った「満州国」の真実:庄幸四郎『中国還魂紀行』影書房 1986年

2006-05-13 23:58:07 | 
この本がどういう経緯で私の本棚に並んでいるのか、良く覚えていない。
友人と行ったある企画に影書房から広告を出稿いただき、その「広告料」としていただいたような気がする。積極的に自分から買ったのではないと思う。
発売20年後になって初めて手にとったのは、自分が初めて中国の土を踏んだ1980年代半ばがそこに描かれていると思ったからだ。
これはわずか10日間の旅の記録である。そこに描かれている1984年の中国は、素朴な人情と外国人に対する強い好奇心が溢れ、暗い文革時代が終わった開放感がある。
しかし、この旅の記録は単にそれだけを書いたものではない。筆者は旅の途上で、15歳まで「満州国」で過ごした自分の少年時代を思い出していく。最近読んだ「満州国」に関する本や論文は、日本の革新的な知識人の活動や、日本の積極的な工業開発などを強調するものであったが、本書は、その裏の真実を暴露している。小学校の隣の憲兵本部の庭では連日とらえられた中国人が拷問され、殺されているのを、少年の著者は目撃していた。五族共栄を唱えながら、日本人が他民族をひどく差別・抑圧していた。それはまぎれもない侵略であったことを、筆者は悔恨とともに語っていく。10日間の旅のなかで、15年の「満州国」の真実が次第に開かれていく。