mardinho na Web

ブラジル音楽、その他私的な音楽体験を中心に

夏場に向けて太陽光発電に投資しよう

2011-03-27 19:49:05 | 日常
福島第一原発の事故により、東京電力の電力供給能力は大きなダメージを受け、2011年夏は例年の需要が6000万kWであるのに対して1500万kW程度の供給不足が見込まれている。何も対策を打たなければ、常時4分の1の地域で「計画停電」を実施することになる。しかし、交通信号や病院の停電は文字通り命に関わる。何とか需要を抑えて計画停電を避けるべきである。
現在の東京電力の料金体系には、「ナイト8」「ナイト10」「電化上手」など、夜間の電力の利用を促進するように設定されている。これは原発が夜間停止できないので、どうせ夜間余る電力ならば使ったほうがいい、という理由で設定されており、政府(経済産業省)も夜間電力を利用して温水を作る装置(エコキュート)に対してエネルギー利用効率を高める効果があるからと補助金を出してきた。こうした原発の存在を前提とする料金体系や補助政策は即刻廃止すべきだろう。
もちろんこれだけで電力需要を抑制する効果には限界がある。早急に電力消費税を導入して、人々に対して節電へのインセンティブを与えるべきだ。すでに多くの企業や市民が自覚的に節電を心がけているが、より広い人々に節電を促すには電力消費税が効果的であると思う。ただ、電力需要の価格弾力性は余り大きいとは思えないので、課税だけで供給能力以下に需要を抑えられるかどうかは心許ない。今夏は暑くてもエアコンが使えない状況を覚悟する必要がある。
ところが、屋根のある家であれば、計画停電のなかでも涼しい生活を送る手だてがある。それは太陽電池を屋根の上に設置することだ。太陽電池は日が照っていれば、エアコンや冷蔵庫を動かすぐらいの電気を作ることができる。停電のなかでも「自立運転」といって、自分の家の電気を供給できるのだ。
停電がないときは、自分の家で使わない分を電力会社に供給することができ、世の中の電力不足にわずかばかりの貢献ができる。ちなみに我が家の太陽電池は最もよいときは2.7kWぐらい発電できるので、1500万kWとされる供給不足を0.00002%だけ緩和できるのだ。ほんのわずかではあるけれど、6万軒の家が太陽電池を導入すれば、不足を1%緩和できる。
今夏を涼しく過ごしたい人、関東地方の電力不足に少しでも何か貢献したいと思っている人のなかで、自分の屋根を持っている人はぜひこの機会に太陽光発電の仲間に加わってほしい。


買い占めはやめよう

2011-03-26 10:19:19 | 日常
私たち昼間仕事している人は気づかないが、昼間のスーパーはどうやら大変なことになっているらしい。今日(土曜日)歯医者に行ったついでに駅前のスーパーの様子を見に行ったら、開店10分ほど前だったが、入り口にはざっと200人ぐらいの行列ができていた。どうやらミネラル・ウォーターを求める人たちらしい。水道水は乳児には若干のリスクがあるとされているが、どう見ても乳児とは関係のなさそうな人たちばかりである。並んでいる人たちはどういうわけかマスクをしている人が多い。乳児を抱えた家庭での心配や苦労を考えるならば、それ以外の人たちには買い占めをぜひやめてほしい。
もっとも、この買い占め魔たちの存在によって、日本経済には思わぬプラスの効果があるかもしれない。ミネラル・ウォーター、カップ麺、乾電池のメーカーはもちろん時ならぬ好景気にわいているはずだが、それ以外の食品や日用品もふだん以上に買い込んでいる人たちがいるようなので、総需要は増える。震災と津波によって経済のストックは失われ、東北地方の工場にも大きなダメージがもたらされたが、復興のための投資、そしてこの買い占めの波によって需要面ではプラスの効果がある。ガソリンの値段も上がった。被災民の人たちには不利にならないよう所得補償するべきだが、メーカーは遠慮なく値上げし、失われた供給力を回復してほしい。

ミネラル・ウォーターの騒動

2011-03-24 16:15:02 | 日常
東京の金町浄水場で水を検査したら、乳児が飲んでよいレベルを超える放射性物質が検出されたということで、昨日あたりからミネラル・ウォーターを買い込む人が目立つ。今朝、紙おむつを求めてドラッグストアに行ったら、ミネラル・ウォーターの大きなボトルを抱えた人が長蛇の列であった。自動販売機でも水はだいたい売り切れである。さらに駅前のスーパーをのぞいたら、変な方向にすごい人だかりがしていて、どうやらミネラル・ウォーターを手に入れようと並んでいるらしい。こうして買い占めをやっている人たちはどういうわけか多くがマスクをしているので、ますます不気味な感じである。
放射性物質が出たからといって、大人に影響があるレベルではないのだから、慌てすぎだと思う。乳児を抱えている人たちのことを考えると、その他の人は遠慮すべきではないか。スーパーの人だかりからは殺気のようなものが漂ってきたが、水道水を避けることで回避できる健康上のリスクよりも、そうしてイライラしながら待つことによって血圧が上がったりすることの健康上のリスクの方が大きいようにも思う。

お尻拭きに憑かれた人々

2011-03-18 13:15:45 | 日常
我が家のトイレットペーパーがあと残すところ1.5巻程度と心細くなってきた。地震のあった2日後だったか、そろそろ買った方がいいかなと思って商店をのぞいてみたが、どこも売り切れであった。町は相変わらず商品に溢れているが、カップヌードル、電池、トイレットペーパーなどが見あたらない。電池やカップヌードルは今後停電もありそうだからわかるとしてなぜトイレットペーパーを買い込む人がいるのかよくわからない。まあもともと我々の市場経済は、一見すると商品が溢れているように見えて、かなり正確な需要予測に基づき供給がコントロールされているので、1割でもふだんと違う行動を取る人がいるとたちまち需給バランスが崩れてしまうのかもしれない。
今日の昼もどの店もトイレットペーパーがなかったが、一軒だけ、12巻入りのトイレットペーパーを持った人がレジの前に長蛇の列をなしている店があった。どうやら入荷があったようだ。自分も買おうかと少し心が動いたが、長蛇の列に並ぶのがいやでやめた。
まだ1.5巻あるのだから、使い切るまでに供給が戻るかもしれない。それがなくてもティッシューがある。さらに言えば、インドの人たちのように水を使うとか、昔の中国のように新聞を使うなど、代替方法はいくらでもある。そもそも生存そのものが脅かされている被災民の苦労を見ていると、お尻拭きぐらいにやきもきしたくない。供給が正常化するまで私は買わないぞ!

電力供給が危うい。いっそ電力料金を値上げしては?

2011-03-17 21:52:06 | 日常
今日の午後、海江田経済産業大臣が電力供給が逼迫していると一層の節電を訴えた。今晩にも停電が実施される可能性があり、電車も間引き運転になるというので、17時前の中央線は時ならぬ帰宅ラッシュであった。帰りながら沿道の店を見ていると、節電している店もある一方で、ふだんから余り客が入っていないような店のほうがかえってふだん通りに装飾的な照明までらんらんとつけていた。節電しても何らかの見返りがあるわけではないしね、とでも言っているかのようで腹立たしかった。
需要を供給以下に抑えるメカニズムは、経済学の教科書の最初のページに書いてある。価格の上昇である。我々の生活はすっかり電化されてしまっているので、停電されると本当に困る。今日気づいたがガスストーブさえつけられない。それならば電力料金が50%ぐらい上がってもいい、と考える人は多いだろう。そうすれば、客が入らないのに照明をランランとつけているような店もさすがに照明を控えるだろう。電気以外のエネルギー源へのシフトも進む。
ただ、いま東京電力が料金引き上げを発表したら大反発は必至である。電力供給の困難をもたらした張本人がそれを理由に不当な利益を得ようとしていると主張する人も出てくる。だが、東京電力ではなく政府が国民を説得したらどうだろうか。電力料金上昇の経済的負担よりもはるかに辛い思いをしている人たちが被災地に大勢いる。いまはみんなで痛みを分かち合うときではないか、と説得したらどうだろう。

予断を許さない福島第一原発の事故

2011-03-15 22:06:03 | 日常
東北の大地震の影響で福島第一原発が次々と事故を起こし、今のところ帰趨は見えない。本棚から高木仁三郎「プルトニウムの恐怖」(1981年)を取り出してパラパラ読んでみた。冷却材がなくなって燃料棒が空だき状態になり、メルトダウンが起こり、環境に放射性物質が放出される、という本書に描かれている筋書き通りのことが今まさに起こっている。すでに発電所の外で高濃度の放射能が観測されており、どうやらスリーマイル島原発事故以上の大事故であるようだ。あとはチェルノブイリの再来にならないことを祈るばかりである。なんとか冷却に成功してほしい。
事故が無事終息したとしても原発見直しの気運が高まるのは不可避であろう。もともと地震国日本が原発を多く持つことのリスクが言われてきたはずだが、それが最悪の形で的中してしまった。次の大地震が日本に来る時に、日本列島に数多くの原発を置いておくのは子孫に対して無責任ではないだろうか。脱原発がすぐにできるとは思わないが、今からその方向に進んでいくしかない。

不要不急の移動

2011-03-14 23:35:50 | 日常
3月11日に大地震が東北と関東を襲った。私はちょうど職場に一人でいたが、大きな横揺れがいつまでも続いたので、ビルか自分の頭がおかしくなったのかと本当に恐ろしくなって、揺れが収まるのを待てず部屋を飛び出し、下まで降りたら、地震だとわかって少し安心した。鉄道がすべて停止し、2時間かけてランニングと徒歩で帰宅し、家族と無事再会して喜んだが、今回の地震の本当の恐ろしさを知ったのはむしろ今日(月曜)になってからだ。
東北地方で多数の犠牲者が出たことが明らかになるとともに、原発が次々と爆発し、電力供給が制限される見込みで、鉄道も間引き運転である。けさ駅まで行ってみたが、改札前で入場待ちの長蛇の列を見て職場に行くのをやめることにした。当面不要不急の移動はやめようと思う。
それにしても、出勤に通常の倍の時間はかかるだろうに、それでも出勤しようと頑張っている人たちが多いのには敬服するとともに、やや呆れている。テレビによれば、タクシーで職場に向かう人もいるらしいけれど、会社がその費用を持ってくれるのでないのならば、そんなことはやめるべきだ。そんな滅私奉公の精神は、いまこの時点では無益であるのみならず、いらぬ交通渋滞をもたらして有害でさえある。

地震の前日までアメリカに1週間出張していた。ニューヨークからシカゴまで飛行機で移動したが、驚いたのは飛行機のサイズである。エムブラエル製のわずか100人ぐらいしか乗れない飛行機である。曲がりなりにもアメリカ第1の都市から第3の都市へのフライトであり、飛行機以外の交通手段で移動するのは難しい距離である。それなのにこんなに小さい飛行機とは!
たしかにニューヨークからシカゴへの便数は多く、私が乗ったUnited Airlinesだけで一日15便、ニューヨークのラガーディアとニューアークの両空港からシカゴに向かっている。しかし、JALが日本第一の都市である東京(羽田と成田)から第三の都市である大阪(伊丹と関西)に一日何便飛んでいるかというと、実に21便、しかもその多くは500人近く乗れるボーイング777である。いうまでもなく東京から大阪に出かける人はふつうは数分おきに出発する新幹線に乗っていく。一部の人たちだけが飛行機に乗るのだと思うが、その一部でさえニューヨークからシカゴへ行く人よりはるかに多いようなのである。日本人は移動しすぎなのではないかと改めて思った。出勤・退勤が困難な状況であるにも関わらず出勤しようとする人が多いことと同根の問題ではないだろうか。

と書いていたら、福島第一原発2号機で冷却水が送れなくなったというニュースが飛び込んできた。

Amy London @The Kitano, New York

2011-03-06 13:19:33 | Jazz
出張でニューヨークに来た。
ニューヨークの夜は、ハーレムのアポロ・シアターに行こうか、ブルーノートなどジャズ・クラブに行こうかと楽しみしてきたが、日本との時差が、ちょうど昼夜逆転に近い感じで、来て2日目ではまだ時差ボケが治っておらず、夜出かけるのがややおっくうになってきた。
ところが、泊まっているキタノ・ホテルにはなかなかよいジャズ・バーがあるらしい。ということで行ってみた。
今晩の出演はジャズ・ボーカリストのAmy London。
彼女が尊敬するボーカリストのAmy Rossが14歳の時に作ってラジオのコンテストで優勝した曲,Let's Flyをタイトルとする新作CDの発売記念のライブだった。
曲目は他に、MingusのDuke Ellington's Song of Love、I.BerlinのHow deep is the ocean、Joni MitchellのAll I wantなど。
数日前までブラジルに行ってきてそうで、ブラジルではジョビンのAgua de Marco(三月の雨)で歌われているように、雨が降って、泥がぬかるんでいたそうだ。
ジョビンの曲では、This Happy Madness (Estrada Branca)を第1部で、No more blues (Chega de saudade)を第2部で歌った。ジョビン(及びボサノヴァ)は完全にジャズのスタンダードの一ジャンルになっていることを実感した。
彼女はNew School Universityでジャズを教えているそうで、第2部ではその学生たち8人のコーラスが一曲披露した。