私は基本的にギャンブルはしない。
「基本的に」というのは、例外的にジャンボ宝くじだけは買うからだ。
一方で、パチンコについては否定的な考えを持ってきた。
大学時代に(それもフジロックに行った帰りというシチュエーションで)一回だけパチンコをしたことがあるだけだった。
それが少し変わってきた。
いや、パチンコはまだ嫌いだし行きたいとも思わない。
ただ、パチンコに代表されるような、いわゆるギャンブルに日常的に耽ってしまう人の気持ちが、少しだけだが分かるような気がしてきたのである。
「退屈だ」という、抜き難い感情。
これがひとをギャンブルに駆り立てるものではないか。
まぁ、この歳(四十九)になっていまさらと言われるかもしれないが、鈍い私の頭では、これまでなかなか理解出来ないもの一つだったのだ。
「もうこのまま変化はないかもしれない」という鬱屈。
言い換えれば、死の恐怖を忘れた頽落。
パチンコをする人間を軽蔑してきたが、意外や、彼らのほうが「人間的」なのかもしれない。