ひょんなことからWikipediaをぐるぐる巡回していたら、なんと、評論家の小浜逸郎氏が今年の3月31日に亡くなっていたことを今ごろになって知った。
享年75。
膀胱がんのため。
Wikipediaの著作一覧を眺めてみたが、最初の著作は『太宰治の場所』弓立社(1981年12月)とあり、けっこう長く活動されていたことを今さらながらに知る。
小浜逸郎氏といえば、洋泉社新書yで何冊か読んでいたように記憶している。
著作一覧で見ると、私はどうやら『なぜ人を殺してはいけないのか 新しい倫理学のために』洋泉社〈新書y 010〉あたりから読むようになったらしい。
この本の発行が2000年だから、私が就職した年である。
当時の肩書は評論家ではなく、塾講師だったように記憶しているが、Wikipediaによると、1992年に塾経営をやめて著述業に専念とある。
ひょっとすると、学生時代から読んでいたのかもしれないが、著作一覧を見る限り、該当しそうなものは見つけられない。
印象としては、小阪修平や竹田青嗣に連なる、比較的アカデミックでない(貶す意図はない)系列の、市井に近い知識人という感じだった。
私は勝手にリベラル寄りの人だと解釈していたのだが、後年テレビで保守的な論を展開されているのを見て、あれ?違ってたか、などと思った。
いよいよ自分にとって身近だった人々が鬼籍に入り始めている。
仕方のないこととはいえ、裏寂しいものだ。