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2012衆院選、広島高裁「条件付無効」判決(広島1、2区)

2013-03-25 | Weblog

 

記事:選挙無効判決 政府の対応は

3月25日NHK 

 去年の衆議院選挙で、選挙区ごとの1票の価値に最大で2.43倍の格差があったことについて、広島高等裁判所は「国会は、おととしの最高裁判決で格差を是正する義務を負ったのに区割りなどを改正しなかった。もはや憲法上、許されない」と国会の対応を厳しく批判し、広島県の2つの選挙区の選挙を無効とする判決を言い渡しました。 

選挙無効判決 政府の対応は 
総務省「判決内容を精査」:

今回の判決について、選挙制度を所管する総務省は「被告である広島県選挙管理委員会が関係省庁と判決の内容を精査したうえで、今後の対応を決めることになる」としています。

ただ、各地の高等裁判所の判決で「選挙は無効」とはしないものの「憲法違反」や「憲法違反の状態」という判断が相次いでいることに対し、順次、上告の手続きがとられています。

このため、今回の判決に対しても、上告の手続きがとられ、裁判が続くとみられることから、去年の衆議院選挙が直ちに無効になるわけではありません。

しかし、最高裁判所で今回の判決が確定した場合には、原告が訴えを起こした広島1区と2区の選挙は無効となり、選挙がやり直されることになります。

区割りの見直しは:

一方、衆議院選挙の1票の格差を巡っては、政府の審議会が、小選挙区を5つ減らして格差を是正する「0増5減」の法律に基づいて、区割りの改定案を検討しています。

審議会は、これまでに17都県の42選挙区について区割りを見直す方針を固め、今週28日に安倍総理大臣に具体的な区割りの改定案を勧告することにしています。

政府は、改定案の勧告を受けて、来月、必要な法案を国会に提出し、速やかな成立を目指すことにしています。
また、自民・公明両党は、衆議院の定数削減を含む選挙制度の抜本的な見直しを巡って、比例代表の定数を30削減し、比例代表の150議席のうち60議席を得票率の低い政党に配分するなどとした案を、与党案とする方向で調整を進めていて、調整が済みしだい、民主党に協議を呼びかける方針です。

これに対し、民主党、日本維新の会、みんなの党の3党は、「極めて複雑で分かりにくく、改革の名に値しない」などとして、そろって反対していくことで一致しています。そして、ほかの野党にも反対で足並みをそろえるよう、26日以降、呼びかけることにしています。

 

記事:選挙無効判決 各党の意見は

3月25日NHK
 
 去年の衆議院選挙で選挙区ごとの1票の価値に最大で2.43倍の格差があったことについて、広島高等裁判所は、広島県の2つの選挙区の選挙を無効とする判決を言い渡しました。
これについて、各党からは、「まずは『0増5減』をやり遂げるべきだ」という意見や、「国会議員の定数削減と選挙制度の抜本改革に、今の国会で結論を出すべきだ」などという意見が出されました。

:自民党の石破幹事長は「当該の選挙区は、格差が1対2の範囲内に収まっており、なぜ無効になったのかは判決をよく読まなければ理解できない。ただ、判決が『無効』だろうと、『違憲状態』だろうと、事の重大さに差はないと思っており、違憲状態の解消は必ずやっていかなければならない。あわせて、国会議員の定数削減と選挙制度の抜本改革も今の国会の間に結論を出していかなければならないことであり、自民党だけではなく、全党、全国会議員が責任を持たなければならない」と述べました。

:民主党の細野幹事長は「判決に非常に衝撃を受けた。今、議席を得ている衆議院議員全体、さらに、日本が議院内閣制であることを考えれば、安倍政権そのものの正当性に厳しい判断が下された。今こそ、各党が腹を割って話していかなければ、国民から見放されることになりかねない深刻な状態だ。1票の格差を是正する最もよい方法は定数削減であり、これまで『0増5減』について不十分という判決も出ている以上、それに対応するだけの定数削減に踏み切るべきだ」と述べました。

:日本維新の会の松野国会議員団幹事長は「無効という判決が出たことは、立法府として重く受け止めなければならない。本来は前回の衆議院選挙の前に、大幅な定数削減を含んだ見直しをしておかなければならなかったので、遅きに失した感はあるが、今からでも、選挙制度の改革を速度を上げて進めていかなければならない」と述べました。

:公明党の山口代表は「これまでの判決では『0増5減』を緊急的な措置として評価するものもあるので、まずは『0増5減』をやり遂げることが立法府として重要だ」と述べました。また、衆議院の選挙制度改革について、「今の国会で合意を作り必要な措置をとることを約束しているので、その土俵の中で結論を出す努力が必要だ」と述べました。

:みんなの党の渡辺代表は「1票の格差があれば選挙自体が無効だとした、覚悟のある判決だ。去年、衆議院選挙が行われてしまったが、その際の選挙制度が違憲で無効だという判決が出たので、早急に、あるべき選挙制度を議論し、やり直しの選挙をすべきだ。ことし7月には参議院選挙があるとみられるので、衆議院と参議院のダブル選挙をすればいい」と述べました。

:生活の党の鈴木幹事長は「無効判決にはちょっとびっくりしたが、『国会は自分たちのことをもっときちんと決めろ』という司法の意思表示なのだと思う。私たちは衆議院の比例代表の定数を80削減すべきだという考え方なので、それを前提に各党との協議に臨むことになるが、こういう状況なので、いたずらに時間をかけるようなことはしたくない」と述べました。

:共産党の市田書記局長は、「高裁段階とはいえ、単なる違憲ではなく、無効という判決が出た意味は重い。小選挙区の区割りを若干変えただけでは、同じような問題が出てくる。1票の格差を是正し、民意を本当に反映させていくには、比例代表のみとする制度に抜本的に変えていくことを急がなければならない」と述べました。

:社民党の又市幹事長は記者団に対し「選挙無効の判決は戦後初めてであり、立法府に対する痛烈な批判だ。単に『0増5減』ではなく、民意を議席にしっかり反映できるような制度に改めなければいけない。小選挙区を見直さないまま比例代表の定数を削減するだけでは、今回の判決の趣旨に応えることにはならない」と述べました。

 

記事:訴訟を起こした弁護士グループ

3月25日MAINICHI

「国会の怠慢を批判した、司法の勇気ある歴史的判決だ」--。昨年12月の衆院選を「違憲」としただけでなく、戦後初めて国政選挙を「無効」とした広島地裁判決。訴訟を起こした弁護士グループは興奮した様子で「国会に対して『なめるのもいい加減にしろ』ということ」と話した。

 「選挙を無効とする」。裁判長が判決を読み上げると、傍聴席はざわめき立ち、報道陣が一斉に法廷外に駆けだした。原告の弁護士らも驚いた様子で判決に聞き入り、閉廷後は、相次ぐ電話の対応に追われた。

 原告代表の金尾哲也弁護士(広島弁護士会)は判決後の記者会見で、「(無効請求を棄却する)『事情判決』に備えてコメントを用意していた。保守的な司法界でこれだけ勇気のある判決が聞けるとは思わなかった」と語った。

 約30年間にわたり「1票の格差」訴訟に携わってきただけに、「これまでの訴訟活動が報われた」と笑顔を覗かせた。

 09年衆院選の1票の格差を「違憲状態」とした11年3月の最高裁判決以降も、政党間の利害関係が障害となり根本的な問題は解決していない、という。原告の石井誠一郎弁護士(同)は「(11年3月の)違憲判決から国会は479日間開かれたが、格差是正について審議したのはたったの3日だった」と指摘した。

 金尾弁護士は「国民の投票価値の平等を保証するシステムを作るのは国会の仕事。本来、司法が指摘する筋のものではない」と痛烈に非難した。また、国会が格差是正のための法改正を審議する期間として、今年11月まで「選挙無効」の効力を猶予したことについて、「望んだ以上に猶予期間が短かった。司法の厳正な姿勢を国会に見せた」と評価。「国会には真摯(しんし)に取り組んでもらいたい」と注文した。

 

記事:広島高裁、衆院選「無効」判決 戦後初

3月25日NHK

去年12月の衆議院選挙で、選挙区ごとの1票の価値に最大で2.43倍の格差があったことについて、広島高等裁判所は、一部の選挙区の選挙を無効とする判決を言い渡しました。

国政選挙を無効とする判決が言い渡されたのは戦後初めてです。

去年12月の衆議院選挙は、選挙区ごとの1票の格差が最大で2.43倍と、前回、4年前よりもさらに広がり、弁護士などの2つのグループが「国民の意思を反映した正当な選挙と言えない」などと主張して、全国で選挙の無効を求める裁判を起こしています。

このうち広島1区と2区を対象にした裁判の判決が、広島高等裁判所で言い渡され、筏津順子裁判長は、2つの選挙区の選挙を無効とする判決を言い渡しました。

そのうえで、この判決の効力は、ことしの11月26日の経過をもって発生するという条件をつけました。
国政選挙を無効とする判決が言い渡されるのは戦後初めてです。

選挙管理委員会側が上告すれば裁判が続くため、今回の判決によって直ちに選挙が無効になるわけではありませんが、判決が確定すれば、無効になった選挙区では議員の当選が取り消されて、選挙がやり直されることになります。

衆議院選挙について、国会は去年、格差を是正するために小選挙区を5つ減らす「0増5減」の法律を解散当日に成立させましたが、選挙は、最高裁判所が「憲法違反の状態」と判断した4年前の選挙と同じ区割りで行われていました。

これについて、東京と札幌など5つの高等裁判所が「十分な時間があったのに、1票の価値の格差を是正しなかった」などとして、「憲法違反」の判断を示しましたが、選挙を無効にすることまでは認めていませんでした。

 

記事:広島高裁、昨年の衆院選は無効 一票の格差訴訟で初判断 

3月25日ASAHI

「一票の格差」が最大で2・43倍となった昨年12月の衆院選をめぐり、弁護士グループが「法の下の平等を定めた憲法に違反する」として選挙の無効(やり直し)を求めた訴訟で、広島高裁(筏津〈いかだつ〉順子裁判長)は25日、広島1、2区について「違憲で無効」とする判決を言い渡した。弁護士らが1962年に始めた一票の格差訴訟で、無効判決が出たのは全国で初めて。

 ただし筏津裁判長は、衆議院の選挙区画定審議会が昨年11月26日から区割りの改定作業を始めたことを重視。無効の効果は、1年後の今年11月26日の経過をもって発生すると述べた。

 広島1区の当選者は岸田文雄氏(自民)、2区は平口洋氏(同)。ただ、被告の広島県選挙管理委員会は上告するとみられ、最高裁で無効判決が確定しない限り失職はしない。

 高裁は選挙時の区割り規定そのものを違憲と判断したが、無効訴訟は選挙区ごとに起こす形式となっており、対象となった広島1、2区のみを無効とした。

 最も人口の少ない高知3区の有権者の1票に対し、広島1区の有権者は0・65票、2区は0・52票で、格差はそれぞれ1・54倍と1・92倍だった。

 一連の訴訟では、二つの弁護士グループが全国14の高裁・支部すべてで、計31選挙区を対象に提訴。6日の東京高裁を始め、5高裁・支部も違憲としたが、弊害が大きい場合はあえて無効としなくてもよい「事情判決」の考えを採り、違法の宣言だけをした。名古屋、福岡の両高裁は「違憲状態」と判断した。

 


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