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トランプとの初会談 安倍、ゴルフクラブを贈り ゴルフの話で盛り上がる(”信頼できる指導者と確信”の意味はこの程度)

2016-11-18 | Weblog

日経記事によると、今回の会談で、安倍はトランプとの信頼関係構築のためゴルフ話を持ち出し、そのきっかけを探ろうとして、トランプにゴルフクラブを贈ったという。

そして安倍は会談後、記者団に対し「胸襟を開いて率直に話ができた」、トランプについては「信頼できる指導者だと確信した」と語った。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS18H1L_Y6A111C1EAF000/

 

 安心ムードの笑止 トランプの狂気と混乱はこれからが本番(ゲンダイ)

■迷走人事は人材払底の証し

例えば、新設ポストの首席戦略官・上級顧問に指名されたスティーブン・バノン氏。米投資銀行ゴールドマン・サックス出身で、保守系ニュースサイト運営者の顔を持つが、このサイトは白人至上主義を掲げ、移民を公然と批判するなど極右思想「オルトライト(ネット右翼)」の“総本山”と位置付けられている。トランプを支持する共和党幹部ですら嫌悪感を抱く危険人物だ。バノン氏はトランプ選対の最高責任者を務め、人種差別や女性蔑視の発言を繰り返した悪名高きトランプ演説の「シナリオを描いた中枢のひとり」(在米ジャーナリスト)ともいわれている。日本メディアは、大統領選後のトランプが「現実路線に軌道修正」ともっともらしく報じているが、この人選を見れば、少なくとも差別的な思想は、選挙前後で変わっていないとみていいだろう。

「うまくやっていけそうだ」――。米国時間の17日、NYで行うトランプ次期米大統領との会談について、安倍首相は自信タップリにこう漏らしたという。官邸で公明党の山口那津男代表と面会した際も、「日本としての主体的な意思を示すことが重要」などと得意げに語ったらしいが、この発言が事実ならば能天気にも程がある。米メディアで報じられている次期トランプ政権の迷走人事を見る限り、とてもじゃないが「うまくやれる」とは思えないからだ.

「ドルの番人」である財務長官人事も二転三転している。米通信社ブルームバーグは14日、映画「ハドソン川の奇跡」などのエグゼクティブプロデューサーを務めたスティーブン・ムニューチン氏が浮上――と報じた。

だが、他にも米下院金融サービス委員長を務める共和党のジェブ・ヘンサリング下院議員、米銀大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEO(最高経営責任者)ら複数の名前が挙がっていて、一体、誰が本命なのかサッパリ分からない。国務長官の候補とされるジュリアーニ元NY市長や、エネルギー長官が有力視されている全米屈指の石油王、ハロルド・ハム氏の政治手腕は未知数。そもそも政権移行チームに、トランプの長女や次男ら4人もの家族が名を連ねていること自体、異例だろう。

政権の要である閣僚人事に「取り巻き」や「素人」「身内」が候補に挙がるのは、人材が払底している証左だ。そんなド素人のナショナリスト政権の動向に、欧州など各国が神経を尖らせるのは当然だ。ところが「何でも話せる信頼感をつくることが大事」なんてノンビリ構えているのが安倍だ。元外交官の孫崎享氏はこう言う。

「各国が注目しているのは、新政権の国務長官です。米国の外交戦略を占う意味で非常に重要だからです。ジュリアーニ元NY市長のほか、元国連大使のジョン・ボルトン氏の名前が出ていますが、ボルトン氏はイランや北朝鮮の核問題の解決に軍事的な先制攻撃をちらつかせたネオコン(新保守主義派)。もし、国務長官に就けば世界の緊張が一気に高まります。そういうトランプ政権に対し、安倍首相は交渉は可能と軽く考えているようですが、あまりに楽観視し過ぎています」

安倍がトランプと本気で“首脳”会談に臨むのであれば、事前に綿密な外交戦略を立てていくべきなのは言うまでもない。何の準備もせず、ノコノコと出掛けていっても成果は期待できない。しょせん「地球儀外交」なんてこのレベル。情勢をまるで理解していない。

「トランプノミクス」は一時のバブルに過ぎない

安倍政権に限らず、トランプ政権に対して安穏としたムードが日本国内に蔓延しているのは、市場が「トランプ・ラリー(反騰)」に沸いているからだ。大統領選後、トランプは経済政策として、5500億ドル(約59兆4000億円)の「インフラ投資」と、法人税を35%から15%に、個人の所得税(最高税率)を39.6%から33%にそれぞれ引き下げる「大幅減税」を発表した。市場では米国景気が上向くとの思惑から、ドル買いが進行。「ドル高・円安」に加えて「株高」となった。16日の東京市場でも、円相場は約5カ月半ぶりに1ドル109円台に下落したほか、日経平均(終値)は前日比194円高の1万7862円と9カ月半ぶりの高値で引けた。予想外の「円安・株高」に、市場は「トランプノミクス」と持ち上げているが、しょせんは“バブル”に過ぎない。

大体、トランプが掲げる巨額の財政出動は、「緊縮財政」を訴えてきた共和党の従来政策とは異なる。しかも、すでに連邦政府債務は20兆ドル(約2160兆円)まで膨らんでいるのだ。トランプが強引に進めようとすれば、来年3月に期限を迎える政府債務の上限引き上げ問題(財政の壁)にぶち当たるのは避けられない。米議会は共和党が上下両院で過半数の議席を握っているとはいえ、新たな財政出動をスンナリ通すはずがない。「債務上限の撤廃」をゴリ押しすれば、それこそ財政悪化を懸念して債券市場は大暴落し、金利上昇やドル高を加速させるのは必至だ。

トランプの大規模減税策は、80年代のレーガン政権とソックリといわれている。「強い米国」を掲げた同政権は81年に「5年で7500億ドルの大型減税」を打ち出し、その結果、87年までの間に1兆ドル(約108兆円)以上の財政赤字をつくり、長期金利は10%台に上昇した。ドル高が進んで、85年のプラザ合意の引き金になったのは周知の通りだ。超党派の米非営利団体「責任ある連邦予算委員会」(CRFB)は、トランプの政策を実施すると、財政赤字は10年間で11兆ドル(約1200兆円)増える――と試算している。このまま突き進めば、米国発となる未曽有の大混乱が世界で起きる可能性は十分にあるのだ。経済評論家の斎藤満氏はこう言う。

「超大国である米国の大統領に、政治の素人が就いた怖さがここにあります。トランプ政権が打ち出した政策は、簡単にいえば『世界中のカネを米国に集める』ということ。これは米国にとっては好都合ですが、他国にとっては資金引き上げにつながり、ひいては当該国の通貨安と株安を招きます。中国の人民元が約7年ぶりに対ドルで下落しましたが、この状況が続けば新興国に流れる資金が消えて、巨額の対外債務が返済できなくなる可能性があります。普通は新興国に影響も出るし、いずれは米国経済にもツケが回るため、こういう政策は取りません。しかし、実業家のトランプ氏には分からない。『米国以外は知らない』という姿勢だからでしょう」

■日中製品は高関税になる

ただでさえ、大統領選直後に始まったドル高で、メキシコやインドネシアなどの新興国の通貨が急落している。これ以上、新興国から資金が引き上げられる事態に陥れば、世界中で「通貨危機」が勃発しかねない。大打撃を受けるのは日本や欧州などだ。

「米国第一主義」を掲げて選挙に勝ったトランプ政権が、大型減税などの財政出動が難しいとなれば、“実績”を出すために打つ手は限られる。手っ取り早いのは、日本や中国製品などに対するアンチダンピング(不当廉売)措置だ。選挙期間中も「安価な他国製品が米国の雇用を奪っている」と日本や中国を名指ししながら、自国通貨安を誘導している――と批判してきた。米財務省は4月に日本や中国、韓国などを為替監視国リストに追加したが、トランプ政権が今後、「為替操作国」に指定して高い関税をかけてくる可能性は十分にある。トランプ政権の「狂気」が世界の「大混乱」を招く日は、確実に迫っていると覚悟した方がいい。


 

 

写真・図版

トランプ次期米大統領(右)と会談し、握手する安倍晋三首相=17日午後4時55分、米ニューヨーク、内閣広報室提供


トランプ氏、過去の対日発言は(朝日)

トランプ氏は大統領選中にしばしば、日本を批判するような発言を繰り返していた。その主な発言を振り返ると……。

●「安倍氏は非常に賢い。私も一度、会ったことがある。駐日大使は非常に重要なポジションだ。なぜなら日本と交渉しなければならない。米国には殺人者が必要だ。爆弾による殺人者でなく、賢い殺人者が。ケネディ大使は、日本にやられ放題だ。米国はビジネスの能力のない連中ばかり使っている」(昨年8月、アラバマ州モービルでの集会)

●「我々はもはや『世界の警察官』はできない。今や核の世界だ。恐らく北朝鮮も持っている。一体、日本はどうやって北朝鮮から自分を守ろうというのか。日本に(核を)持たせるというのはさほど悪いことではないと思う。米国にとって悪いことだとは限らない」(3月、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビュー)

●「日本は、米国に数百万台の自動車を送りつけている。米国は何も日本に送れない。この貿易不均衡をみてみろ。我々が牛肉を送ると、日本は受け取ろうとしない。米国は引き続き日本を防衛したいと思うが、常に打ち切る準備もしなければならない。なぜ、日本は(駐留米軍経費を)100%払わないのか」(5月、ワシントンでの集会)

●「米国は日本と安全保障条約を結び、もし日本が攻撃されれば、米国の軍事力を全面的に行使しなければならない。だが、我々が攻撃を受けても、日本は家でくつろぎ、ソニーのテレビを見ている」(8月、アイオワ州での集会)

http://www.asahi.com/articles/ASJCK76WBJCKUHBI02H.html?iref=com_rnavi_arank_nr01