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泥仕合戦 ケンカ上等の”徹”に 強力なライバル”瑠麗”が挑む

2016-11-01 | Weblog

橋下徹氏vs「美人」論客・三浦瑠麗氏〝上から目線〟対決 「分析浅すぎ」「そこらへんの政治家と一緒」…慰安婦発言めぐり場外バトル

大阪府知事、大阪市長を経験した弁護士として政治評論を続ける橋下徹氏(日本維新の会法律政策顧問)が、戦時中の慰安婦問題をめぐり、新進気鋭の女性学者、三浦瑠麗(るり)氏と対立した。

橋下氏がフリーアナウンサーの羽鳥慎一氏と司会を務めるテレビ番組に三浦氏がゲストとして出演したのがきっかけ。議論は番組内にとどまらず、放送終了後に互いのツイッターに場を移して激しい「場外バトル」が展開されたのだ。お互いに一歩も譲らない激しい言葉の応酬は収拾がつかず、最後は橋下氏に近い衆院議員が仲介に入る結末に。政治家時代、さまざまな論敵とディベートを繰り広げてきた?ケンカ上等?の橋下氏に、強力なライバルが現れた?

日本維新の会法律政策顧問の橋下徹氏と国際政治学者の三浦瑠麗氏。共演したテレビ番組で、橋下氏のかつての慰安婦発言がテーマとなり、ツイッターでの〝場外バトル〟に発展した

きっかけはテレビ番組

三浦氏は、東京大大学院で博士号を取得した国際政治学者。「民主主義国家同士の間では戦争は起こらない」という平和学者の仮説を打ち破る著書『シビリアンの戦争--デモクラシーが攻撃的になるとき』(岩波書店)で学会の注目を集め、『日本に絶望している人のための政治入門』(文春新書)の刊行や討論番組「朝まで生テレビ」への出演で全国的な知名度を得た。

最近は情報番組などでコメンテーターとして活躍する場面が目立ち、若手らしくツイッターなどインターネットを介した発信も盛ん。自身のブログ「山猫日記」では、橋下維新への論考も多数発表してきた。明快な論旨の鋭さに加え、「美人」と評判の容姿と、自信あふれる若手にありがちな「ちょっと上から目線」の物言いも注目を集める要因となっている。

そんな三浦氏が橋下氏とぶつかったのは、ゲスト出演した10月17日放送の「橋下×羽鳥の番組」。サブタイトルが「橋下徹のこれまでの問題発言&政策を徹底糾弾するSP」で、旧日本維新の会の共同代表で大阪市長だった平成25年5月当時の「慰安婦制度は必要だった」という発言が話題となった。三浦氏が「まともな中道を行く政治学者が避けて通る論点に全速力で、深い知識とかがなく突っ込んでいった」とコメントすると、橋下氏がすかさず「徹底的に勉強したから専門家とだって議論できますよ」と応酬した。

三浦氏は「南洋諸島では慰安婦は非常にひどい環境で働かされていた。戦地の性暴行に近い形で、売春婦の形が成立していなかった」と主張。これに対し、橋下氏は「戦場と性の問題は有史以来続いてきているが、これは正当化できない、悪いことだと思っている」と強調した上で、先の大戦時の連合国軍や朝鮮戦争・ベトナム戦争時の韓国軍が同様の制度を持っていたことを指摘し、「世界各国が自分たちのやってきたことを棚上げして『日本だけ特異なことをやっていた』と言うのは違うでしょ」と反論した。

さらに「(慰安婦を強制連行された「性奴隷」と認定した1996年の国連人権委員会=当時=の)クマラスワミ報告書にあるような『手足を切って』とか『強制連行で連れてきた』なんて証拠はない」とも強調した。

ツイッターに場所移し…

もともと慰安婦発言を取り上げたのが別のゲスト出演者だったこともあり、議論はいったん収束した。しかし、三浦氏は放送終了後の18日、視聴者の質問に答える形で、自らのツイッターで持論を展開した。

要点として《(1)資料は裁判資料や聞き取りをまず当たるべき(2)(慰安婦の)研究が極めて少なく政治化もしているので誰かひとりに責めやお墨付きを与えることはしません(3)南洋では他人の領地で「本土決戦」をしたが負けている軍隊は残虐化するもの》の3つを挙げた。

その上で、慰安婦発言を提起したときの橋下氏を《内向きの男性目線でした》と指弾し、《中途半端に提起して、意図的に切り取られたことによって女性票を相当失い、国際的な期待が萎(しぼ)みました》《今に至るまで女性からの維新評価は相対的に低く、それは政党のポテンシャルとして大きな損失だった》との分析を披露した。

ツイッターなら橋下氏も負けてはいない。さっそく《有権者の顔色ばかりうかがうなら僕が政治家になる意味なんてない》と反論。慰安婦問題の国際社会での論点は、国内でよく議論されるような慰安婦の強制連行があったか否かではなく《残虐性のレベルの話》だと指摘して、《学者や自称インテリが完全に勉強不足》だと批判した。

その上で《国際社会から特別な非難》を受けるような《残虐性の高い人道に対する罪は和解条約では解決しない》として、《他国がやった戦場の性の同類事例と比べてどうなのかと問題提起した》《世界各国における戦場の性の問題と比べて、日本の慰安婦問題が残虐性で特異だったわけではない》と主張した。

さらに、三浦氏が番組内で発した「政治学者が避けて通る論点に全速力で、深い知識とかがなく突っ込んでいった」という言葉を念頭に、自身の発言は《政治学者や自称インテリのめんどくさいモノには触らないという無責任さへの一石》だったとも書き込んだ。

橋下氏の?口撃?はまだ続く

自らの慰安婦発言以降、産経新聞などが1年以上にわたって慰安婦問題を取り上げ、朝日新聞が、朝鮮半島で女性を強制連行したと偽証した自称・元山口県労務報国会下関支部動員部長、吉田清治氏の「吉田証言」を取り消したことにも言及。《僕がやったことが全て正しいとは言わないけど、多くの人がこれまで左系が言ってきたことは何かが違ったんだと感じた。この流れで安倍政権の日韓合意。こういう流れが政治でありこれは学者のお勉強とは異なります。貴女(あなた)の分析は浅過ぎますね(笑)》と挑発した。

痛烈な皮肉にキレ気味に…

橋下氏の厳しいツイートにも、三浦氏は気落ちすることなく、新進気鋭の学者らしく、なおも反論していく。

橋下氏のツイートが一段落した頃合いを見計り、《一流の学者とメディアと政治家がいて初めて民主主義は一流になるもの。十把一からげな敵意は良くない》と?上から目線?で応酬。《橋下氏の意図は汲むべきだが、共感メッセージが伝わらなかったので一部の有権者を遠ざけた》と、慰安婦発言が維新のダメージになっているとの認識を改めて示した。

橋下氏は再反論の中で《あの問題提起を内向きの男性目線と評価するようでは貴女もそこらへんの学者とかわりませんよ》と痛烈に皮肉った。さらに《一皮むけるには、一皮むける思考が必要です。慰安婦問題を日本の事例だけで国の事例だけで国内視点で見るのではなく、国際視点で他国比較で冷静に見ようと主張したのです。他国の事例をもっと勉強するように》とアドバイスし、?上から目線?で切り返した。

すると、三浦氏は《橋下さんは橋下さんらしくやればいい。信念があるのもいいでしょう。しかしあの発言は言われたことの字面を超えて女性は共感しない。あの発言によって失われた機会や萎んでしまった期待を直視できないとすれば、そこらへんの政治家と一緒ですよ》と痛烈なパンチ。

これに対し、橋下氏は《共感してくれない人もいれば共感してくれる人もいる。その判断こそが政治家にとって最も重要な判断》と述べ、橋下発言が維新のポテンシャルを損ねたという三浦氏の指摘に対して《政治家が学者の研究領域に一定の配慮をするのと同じように、学者もでしゃばったらダメ》と切り捨てた。

これには三浦氏も猛反発。橋下発言が維新の勢力消長に与えた影響を分析するのは政治学者のまっとうな研究領域だけに、《でしゃばるなと橋下さんに言われたので仕事に行きますね》と半ばキレ気味に応酬した。

果たして?再戦?は…

泥仕合に発展しそうな内容を懸念したのか、「民進党はあほ」など、歯にきぬ着せぬ発言でたびたび物議を醸す日本維新の会の足立康史衆院議員がカットイン。

《続きは、日本維新の会の憲法改正推進委員会でお願い致します!》とフォローを入れ、三浦氏が《はーい。よろしくお願いします》と了承し、議論は一応の終息をみせた。

一連のやりとりを見守るフォロワーから《貴女にはやはり態度と言動に問題が有りますね》と三浦氏を批判する声が上がる一方、《普通失礼なのは橋下氏でしょ? だって彼怒っちゃうんだもん》と問題は橋下氏の方にあるという人も。

《橋下さんと三浦さんがメインで定期的にネット座談会兼討論番組みたいなものを開催してほしい》と今後の展開に期待する意見もあった。

険悪なムードも漂う2人だが、果たして?再戦?の機会はあるのだろうか。