台湾との「二重国籍」が指摘されていた民進党代表代行の蓮舫氏は、9月13日、参議院議員会館で記者会見し父親の出身地である台湾(中華民国)籍が現在も残っていたことを明らかにした。問い合わせ中の台北駐日経済文化代表処から12日夕方に連絡があったという。当初は離脱済みであると説明しており、「記憶の不正確さによって様々な混乱を招いたこと、一貫性を欠いた発言については、おわび申し上げたいと思います」と話した。
一方で、「17歳の時に父と共に国籍は抜いた認識だったことは今に至るも同じ」と、自身が二重国籍状態にあったことについての自覚はなかったとして、「日本人以外の立場で政治活動をしたことはない」と強調した。現在台湾籍を離脱する手続きを進めているという。
記者会見で当初、国籍について確認せずに発言していたことについて、リスクマネジメント上の瑕疵があるのではと問われると「当時の自分の記憶に頼って発言していたことについてはお詫び申し上げます」とした。
15日に投開票される民進党の代表選には予定通り臨む。
ハフポスト日本版では、蓮舫氏の12日に単独インタビューした。蓮舫氏はネット上でのバッシングなどに「ネットの怖さを痛感した」と話している。
■蓮舫氏の国籍について
なお、これまでの説明で、蓮舫氏は自身の国籍について以下のことを明らかにしている。
・1967年に台湾籍の父(故人)と日本人の母の長女として、日本で生まれた。
・出生時点の日本では父親の国籍しか取得できなかったため台湾籍として日本で暮らした。
・日本と台湾が断交した1972年以降は中国籍の表記となった。
・日本の国籍法改正により1985年1月21日、17歳の時に日本国籍を取得した。
・同時期に父と台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)を訪れて台湾国籍放棄の手続きをしたと記憶し、過去にそう説明してきた。
・しかし「代表処での父親の台湾語がわからなかったので、実際どういう作業が行われていたかわからなかった」(9月6日の記者会見)
・指摘を受けて国籍について台湾側に問い合わせた(「残っている」と9月12日に返答があったことを13日に発表)
・念のため、9月6日に再度、国籍放棄の書類を提出した。
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参考:
官邸のアイヒマン──。首相官邸には、こんなあだ名で呼ばれている安倍首相の側近中の側近がいる。ご存知、総理直属の諜報機関・内閣情報調査室(内調)のトップ・北村滋内閣情報官だ。
北村氏はもともと警察庁外事課長などを歴任した公安警察のエリートだが、第一次安倍政権時、首相秘書官に抜擢されたのをきっかけに安倍首相と急接近。警察と官邸のパイプ役として、日本版NSC立ち上げにも深く関わり、特定秘密保護法の法案策定でも中心的役割を担った。
第二次安倍政権で内調のトップに就任すると、北村氏はまるで安倍首相の私兵のような動きを見せ始める。
それまで、内閣情報官の首相への定例報告は週1回程度だったのだが、北村氏はほぼ毎日のように首相と面会し、菅官房長官を飛び越えて情報を直接伝えることもしばしばだという。しかも、内調は本来、国内外の情報を収集・分析するのが役割なのに、政権批判のカウンター情報や安倍政権の政敵のスキャンダルを流し始めたのだ。
「北村さんがトップに就任してから、内調は安倍政権の謀略機関になってしまった。古巣の公安のネットワークを使って、野党議員や政権の告発者たちの身辺を洗わせ、その情報を週刊誌や保守メディアに流すというのがパターン。たとえば、『週刊新潮』や『週刊文春』、産経系メディアには、担当の内調職員を配置していて、その職員がこれらのメディアの編集幹部と定期的に飲み会を開いて、情報をリークしているようです」(元内調関係者)
たとえば、最近では、民進党の山尾志桜里政調会長が安倍政権の保育園対策の不備を追及した直後、ガソリン代巨額計上問題がメディアを賑わせたが、これも内調の仕掛けだった可能性が高い。沖縄の翁長雄志知事に対するバッシング情報もほとんどは内調が情報源で、しかも「娘が中国に留学している」「人民解放軍の工作機関が沖縄入りして翁長と会った」といったまったくのデマ情報を流していたといわれる。
さらに、つい最近、民主党代表候補の蓮舫氏に二重国籍疑惑が浮上したが、これも大元の情報は内調だったのではないかと言われている。
「今回、火をつけたのはアゴラと産経だが、この話はその前から、内調関係者がしきりに口にしていた。アゴラはともかく産経がここまで踏み込んだのも、内調のオーソライズがあったからだといわれています。北村さんが官邸と連携して仕掛けた可能性はかなり高いでしょうね」(全国紙政治部記者)
文:2016/9/10 Liter
内閣情報官、別名「官邸のアイヒマン」こと北村滋
内閣情報官きたむら しげる 生年月日 昭和31年12月27日 出 身 東京都 経 歴
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与野党の攻防が続いていた特定秘密保護法案が与党の圧倒的多数の賛成により可決した。
安倍内閣が数に物を言わせ、世論の支持をまったく得ていない法律を成立させたのである。
「どうしてここまで無茶をするのか。発足以来、安全運転をしてきた安倍政権なのに、反発がどんどん高まる法案に固執する理由が最後までわからなかった」(全国紙政治部記者)
誰が、何のために通過させたがったのか—この法案には、つねにこの疑問がついてまわった。
その黒幕の正体が、ついにわかった。
ある野党議員が明かす。
「それは、『官邸のアイヒマン』ですよ。安倍総理が絶大な信頼を置く内閣情報官の北村滋さんのことです」
北村氏は内閣情報調査室(内調)のトップとして、この法案作りに最初からかかわってきた。野党議員が続ける。
「自民党は維新を賛成に引き込むために、法案の附則に『設置検討』が明記されていた第三者機関について、安倍さんが『作るぞ』と内調に指示した。ところが4日に安倍さんが国会で『第三者機関』として発表したものは、第三者とはほど遠い、官僚による官僚のための『隠蔽機関』だった。
安倍さんの命令すら聞かず、第三者機関を骨抜きにしようとする首謀者こそ、この北村さんなんです」
後に詳しく見るように、この法律によって結果的に、警察庁の力は一気に増幅することになる。
「警察官僚としての北村氏は、所属する組織の目的を遂行するためには手段を選ばない。まさにナチスのアドルフ・アイヒマンですよ……顔も似ていますしね」(前出の野党議員)
アイヒマンは、1930~'40年代のドイツで、ユダヤ人の移住計画に関わり、数百万人のユダヤ人を収容所へ移送した、ナチスの親衛隊員である。
非道とも思える虐殺計画のような仕事すら、上司の命令に従い、淡々かつ粛々と進めた。
今回の北村氏の冷徹な仕事ぶりは、まさにこのアイヒマンを思わせるものだったと、先の野党議員は振り返るのである。
では、「官邸のアイヒマン」こと、北村滋氏とはどのような人物なのか。
1956年生まれの56歳。開成高校から東京大学法学部に進学した後、'80年に警察庁に入庁する。
警察官僚としてのキャリアは順調そのもの。32歳で警視庁本富士署長となった後、在仏日本大使館で一等書記官として勤務し、警察庁警備課長、警察庁外事課長などを歴任。
'06年からは、内閣総理大臣秘書官として、第1次安倍晋三政権を補佐した経験を持っている。
'11年には警察庁長官官房総括審議官を務め、同年12月、内調のトップ、内閣情報官に就任したエリート中のエリートである。
「内閣情報官」は、内閣の重要政策に関する情報の収集や分析などをとりまとめる役目を担っている。
「他の役所からは、ずいぶんいいカードを切ったね、と言われています。『安倍首相ごときに最大級のエースをつけるなんて』などと囁かれているくらいですよ」(元内調幹部)
ここで、内閣情報官が統括する「内調」について簡単に説明しておこう。
内調は、内閣総理大臣直轄の諜報機関で、いわば日本版CIA。約200名の人員が独自の人脈を駆使して、国内外の膨大な秘密情報を収集している。
「内調の仕事として諜報活動を行っている人間は、報告日の前日以外はフレックスタイム制で、各自の裁量に完全に任されています。
基本的にはわがままで妙に自信のある連中の集まりですから、チームプレーなど存在するはずもない。だからこそ、彼らをまとめるトップには、警察庁もそれなりの人間を送り込んでおり、エース級が就任したということは、内調の強化という意味もあります」(同)
超現実主義者
唯我独尊の人員の集まる内調のトップに立つ人間に必要なのは、飛び抜けた頭の良さである。これが北村氏がアイヒマンと呼ばれる一つ目の理由だ。