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4野党プラス市民との対決 野合と罵ったアベ自民、東北・沖縄で返り討ちに(現閣僚二人はさらし首)その1

2016-07-12 | Weblog

2016年24回参院選。安倍は56議席(55議席に神奈川選挙区当選の無所属中西健治を追加公認)を獲得し勝ち誇っているが、非改選の議席を含めた参議院での単独過半数議席には及ばなかった。そのうえ、現職閣僚二人(福島選挙区の法相岩城光英、沖縄選挙区の沖縄北方担当相島尻安伊子)がそれぞれ野党統一候補に敗れた。

それどころか、東北6選挙区では野党候補が5議席を占め、うち東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県ではいずれも野党候補が勝利し与党の惨敗だった。また沖縄では、島尻安伊子の落選で、衆院4人、参院2人の6人全員が国政野党となり、自民党国会議員はゼロになった。管理人

<参院選東北>与党惨敗 復興政策への不満

10日に投開票された参院選の東北6選挙区で与党が惨敗したことについて、東北各県の知事は11日、東日本大震災の復興政策への不満や環太平洋連携協定(TPP)への反発などを要因に挙げた。改憲勢力が議席の3分の2を占めた結果を受け、慎重な憲法改正論議を求める声も上がった。

達増拓也岩手県知事は取材に「復興に取り組む中で、有権者は政治の在り方についても判断した。現政権の政策を変えなければいけないという民意が多かった」と結果を評価した。

内堀雅雄福島県知事は「県民は常に復興、再生の加速を強く願っている」と強調。「福島第1原発事故からの復興と地方創生に向け、与野党の垣根を越えオールジャパンで取り組んでほしい」と求めた。

村井嘉浩宮城県知事は東北の人口減少と安倍政権の経済政策「アベノミクス」に言及。「人口が急激に減り、地域の活力がなくなっている。アベノミクスによる経済活性化は重要だが、過疎地にどう波及するかが見えづらいのではないか」と分析した。

TPPへの不安感を指摘したのは吉村美栄子山形県知事。「農業はなりわいで、地域の景気に影響する。TPPで農業がどうなっていき、対策は取られるのか。大きな危機感が東北、北海道の選挙結果に如実に表れた」と語った。

佐竹敬久秋田県知事は、与党候補の当選が東北で秋田だけだったことを「(戊辰戦争で秋田藩が離脱した)奥羽越列藩同盟のようだ」と例え、「被災地のような特殊事情はなく、県内の政党の力関係が表れた」との見方を示した。

憲法改正に賛同する党派が非改選と合わせて国会発議に必要な全議席の3分の2を超えたことに関して、吉村知事は「どういう考えでどうしたいのか、具体的に説明してほしい」と注文。内堀知事は「国民全体での幅広い議論が必要だ」と指摘した。

村井知事は「国民は9条改正をそれほど望んでいないと思う。憲法全体を見て、変えるものと変えないものをよく議論するべきだ」と強調。達増知事は「自民の憲法改正草案は問題が多い。議論が深まる中で国民は改憲の問題性を認識する」と語った。

 


 

「これほど候補者来なかった選挙ない」仮設住民

 

最大被災地・石巻市で支持を訴える候補者。復興の在り方を巡る論戦は低調だった=6月下旬、JR石巻駅前

与党圧勝で終わった参院選(10日投開票)で東北6選挙区は野党候補が5議席を占め、うち東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県はいずれも野党候補が勝利した。

震災から5年4カ月の11日、被災地の有権者の多くはアベノミクスや環太平洋連携協定(TPP)に「1強政治」の危機を感じ、震災復興の論戦が乏しかったことへのいらだちを募らせた。

被災した宮城県山元町の農業岩佐吉郎さん(75)は「アベノミクスのように今の政治は強い者に有利。農業政策も大規模農家を優遇するが、被災してローンを抱える農家は簡単に大きくなれない」と嘆く。「今後もその路線が続くと思うと心配だ」と漏らした。

「自民とは決別した」と明かす仙台市若林区の農業男性(64)は「TPP、農協改革。農政に苦しめられるばかりだ」と、今回は民進党を支持した。だが「自民よりはましという程度」といい、積極的な選択ではなかったと説明する。

選挙戦で復興の在り方を巡る論戦は影を潜めた。最大被災地・宮城県石巻市の仮設住宅に住む無職伊藤一子さん(76)は「仮設に入居後、今回ほど候補者が来なかった選挙はない。復興は道半ばなのに、忘れられたのか」と感じた。

福島県浪江町から福島市の仮設住宅に避難する無職大越ヨウ子さん(70)も「復興が置き去りにされた」と受け止めた。「復興を進める」と訴える各候補の政策の違いが分からず、「単に『私に(票を)入れて』としか聞こえなかった」と見透かした。

「風化を感じた。多くの被災者がいまだ仮設暮らしを強いられていることが忘れられている」。落胆するのは岩手県釜石市の平田第6仮設住宅団地の自治会長森谷勲さん(74)。「安保法制にせよ改憲にせよ、優先順位が違う。政治は生活に困る国民のためにある。もっと被災者に目を向けるべきだ」と注文を付けた。