曇、5度、72%
主人の仕事のついでに同行した別府、観光目的ではありません。午前中には取引先の会社に着くべく、足を伸ばして別府に行きました。もちろん温泉は楽しみです。宿をとったのは有名な観光旅館、建物が数棟ありその建物をめぐるシャトルバスまであります。この手の大型旅館は初体験です。チェックインの時、広いロビーは人も少なく落ち着いた一晩を過ごせると思いました。
ロービーから見渡した別府湾です。ホテル内には大型の温泉が3ヶ所あります。温泉プールもあるというので水着を持参した私です。外の雪、寒さからプールはやめて温泉に行くことにしました。部屋には普通のユニットバスしかありません。
「棚湯」と名前のある「棚田」のように斜面に沿っていくつか湯船があるのは隣の建物、主人と二人緩やかな山道を「由布岳」を目の前に上がりました。館内、まずおみやげ物売り場、そこを抜けるとゲームセンター、どうやらボウリング場もあるようです。このあたりから私のゆっくりした温泉のイメージが少しずつ壊れ始めました。大浴場ですから、「男湯」「女湯」が分かれています。入り口で主人と別れました。
脱衣所に向かうと、まずここで「えっ!」ロッカーがずらりと並び、真っ裸の女性たちが歩いています。お風呂ですから真っ裸はいいのですが、胸や下を隠しもせず湯上りのまま脱衣場にいます。周りを観察しながら私も服を脱ぎました。体には小さなバスタオルを巻きました。そんな人一人もいません。
浴場に入ると、宣伝通りに「棚湯」が目の前にありました。外湯もあり雪の中お湯に浸かれます。バスタオルを置く場所を見つけお湯に入りました。「ああ、いい湯だわ。」たっぷりの湯に入り薄曇りの別府湾を眺めます。「これよ!これ」などとひとり堪能していました。でもいけません。目の前を裸の女性たちが大声で話しながら、闊歩しています。若い方もお年寄りもよく太った人も痩せた人もみんな隠しもせず、闊歩。目の前を平気に歩いて行きます。
外ならばと思い「外湯」に入りました。ところがこちらも同じ現象、真っ裸の女性、子供がワサワサ。一人のつもりで湯を走る風や小雪を眺めていました。人の多さと真っ裸に圧倒されて30分ほどで湯から上がりました。
あいにく浴場内の撮影は禁止です。やっぱり観光旅館だわと嘆息。部屋のある棟に戻るとロービーも人がわんさかいました。夕飯のレストランも混雑状態、人人です。ただ部屋はすこぶる広く、隣室の物音は聞こえません。早朝、この館内にある浴場を目指しました。朝早くですから人がいないはず、と思ったら当てが外れました。またしても隠しもしない女性たちがワサワサ。雪は止みました。明けやらぬ別府湾は趣がありました。体が温まったので急ぎ上がりました。
「女性は体を晒してはいけない」と小さい頃から言われていましたが、今回の温泉体験、私のこの概念が覆されました。いえ、これから日本で生活する上で慣れなければなりません。 津久見に向かう主人と朝早く朝食をとりました。海を眺めての朝ごはん、「別府湾」を堪能です。 着いたときの雪景色です。日が登り始めると、紅葉と湯煙が織りなす景色に変わりました。
主人は津久見に向けて南下します。私は福岡に向けて北上、来た道を帰ります。隣のホームにいる主人です。 20年ぶりの日本の温泉、ビックリでしたが慣れです、慣れなければと言い聞かせて「ソニック」に乗り込みました。
短い時間でいたがお湯のありがたさをしみじみ、日本人が変わったのねとしみじみ、楽しい時間でした。