チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

四つ角

2019年09月08日 | 日々のこと

曇、28度、82%

 我が家からすぐの所に片側二車線の国道と国道が交わる交差点、四つ角があります。私が小さい頃、西に向かう道はこの四つ角から先は道幅が狭くなっていました。その頃ですら大きな四つ角でした。

 小学校はこの四つ角からバスに乗り、途中で電車に乗り換えて通っていました。小学校に上がった年のことです。学校帰りにはこの四つ角でバスを降ります。バスを降りて道を一つ渡ります。当時は信号がまだついていませんでした。ランドセルを背負った私はこの交差点内で車に跳ねられました。小さな小学生は宙を飛んだそうです。地面には仰向けに倒れたそうです。普通なら後頭部を打って病院に運ばれる交通事故です。ランドセルのおかげで頭を打たずにすみました。小学1年生の真新しい硬くて分厚いランドセルのその厚みで私の頭は助かりました。角にあったタバコ屋のおばさんが急いで駆けつけてきてくれた時、すくっと起きがって歩き出したそうです。膝をかすっただけでした。その晩、跳ねた方がお詫びにみえましたが、病院にも行かず仕舞いでした。このタバコ屋のおばさんは、私がかなり大きくなるまで幾度も幾度もこの時の様子を私に話して聞かせてくれました。

 それから12年後、高校3年生になる前の春休みのことです。この交差点には信号も横断歩道も今と同じ姿で出来ていました。信号青で横断歩道を渡っていた私は左折してきた小型自動車にボンと当てられました。細かい雨の降る夕方でした。横断歩道内に倒れた私をたくさんの人が囲んでいました。パトカーを呼べとか、救急車を呼べとか声が聞こえます。この時もすくっと立ち上がった私です。「大丈夫です。」と言って歩こうとしたら左の太ももがすこぶる痛い、ちょうどやってきた救急車に乗せられました。左大腿部の肉離れでした。若いのでひと月もせずに治りました。

 今も毎日この四つ角を通ります。交通量は以前よりはるかに増えています。2度も事故に合った四つ角を渡る時の気持ちは複雑なものがあります。しかも今では私自身が車を運転して四つ角を通ることもあります。この四つ角で事故があるとパトカー、救急車のサイレンの音は家まで届きます。今だに事故の多い四つ角です。

 タバコ屋さんの後は薬局になりました。おばさんは既に他界なさっています。歩いて通る時も運転して通る時もこの四つ角だけは不思議な緊張感を呼び起こします。

コメント
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