雨、21度、90%
主人の東京の家で初めて一人で過ごしました。家に着いた時にはすっかり日は落ちていました。一人暮らしにしては勿体無い広さです。主人は、私が急遽上京するなどとは知らずに家を出ていますが、すっきりと片付いています。それでも一番最初に私がするのはお手洗いの掃除です。
この家は寝室が一つ、ベットが一つです。この家に引っ越して以来、20年ぶりに主人と一緒のベットに休みました。スペースは十分ですが、この家で迎える朝は大抵寝不足でした。いびきで幾度も目が覚めます。
香港の家でも20年前では、一つのベットで休んでいました。朝早い私ですが、目覚ましなしで起きる事ができます。目覚めるとそっとベットを抜け出しました。その頃からいびきがうるさいなあと感じるようになりました。ある晩、夜中に目覚めました。「うるさいなあ、そうだ、こうへいのベットがある。」息子が使っていたベットはそのまま部屋に残っています。夜中に自分の枕を抱えて息子のベットに移動しました。以来、隣部屋、違うベットで休むようになりました。旅先ではツインです。同じ部屋でもベットが違うだけで、あまりうるさく感じません。毎晩いびきをかくわけではありませんが、仕事で疲れている時、深酒した時にはうるさく感じます。
こうして寝室を別にして数年後、我が家にはいびきのうるさいパグのモモさんがやって来ました。モモさんと私は一緒に休みます。同じ枕で寝ますから、主人以上に耳元でいびきが聞こえます。不思議とモモさんのいびきはうるさいとは思いませんでした。ココさんは体も小さな女の子なので小さないびきです。
東京の家で初めて一人で迎えた朝、夜中に一度も起きずに朝までぐっすりでした。いつもの時間を寝過ごすほどよく寝ました。胸につかえている事があり数日十分な睡眠を取っていなかったこともあったからでしょう。寝室を出てまっすぐベランダに出ました。目の前の公園ではすでに走っている人、お散歩の人の姿が見られます。新宿の高層ビルが雲のかかった朝やけに浮かび上がって見えました。体も心も整った朝を迎える事は、年齢を重ねると大事なことになって来ました。余裕を持って1日に臨む事ができます。遠く新宿のビルを見ながら、いい1日になりますようにと願いました。