チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

「円山応挙から近代京都画壇へ」東京藝術大学美術館

2019年09月03日 | 日々のこと

晴、24度、94%

 9月号の「芸術新潮」の見出しの特集は東京藝術大学の「円山応挙から近代京都画壇へ」という美術展でした。8月初旬の上京の折、行きことが出来ずこの雑誌の出た後に上野を目指しました。こうした雑誌で取り上げられると参観者が増えます。まして夏休み中、しかも芸術大学の美術館はさほど大きくありません。外までの行列を覚悟で向かいました。ところが、並ぶこともなく、ゆっくりした館内でした。

 江戸時代中期に絵筆を持った「円山応挙」は農家の出だと読んだことがあります。子犬などの忠実な写生画しか思いつかない画家ですが、今回初めて「円山四条派」と言われる日本画の元となる人だと知りました。応挙像の絵が出迎えてくれました。小柄に見える真面目そうなおじさんです。  

 神社仏閣の襖絵、屏風の絵が陳列されています。犬以外にも孔雀や虎、像も多く描かれています。雪を題材にした風景画も多くはこの応挙に始まった構図が伝承されているそうです。俳人の与謝野蕪村もこの流れを汲み絵を描いています。初めて見る蕪村の2本のお軸の絵は山水、雪景色と俳句そのものです。

 中国の史実に基づく「三顧の礼」を応挙、その弟子が別々の描いた3作は見ごたえのあるものでした。今回の美術展では取り上げられていませんが、日本の幽霊の足がない姿は応挙が作り上げたものだそうです。一説に応挙の妻を描いたものだと言われています。

 事物を忠実に描く写実を基本にした日本画は、色合いの多い西洋画よりも落ち着いて見ることができます。瀟洒な芸大の美術館を出ると外は上野のお山の蝉の声が響いていました。

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