チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

岩舘隆さんの「浄法寺塗」

2024年08月30日 | 身の回りのもの

雨、25度、97%

 岩手県二戸市の浄法寺は日本で一番良質な「漆」が採れる土地だと聞きます。「漆」を搔き、漆器に仕上げていく何百年も続く歴史がある土地だそうです。その「漆」はお安い中国産に「漆器」はプラスチック製品に押され、すっかり「浄法寺塗」は途絶えました。その「浄法寺塗」を甦らせたのが塗師の「岩舘隆さん」です。

 私は塗りの器が好きです。普段に毎日使う「漆器」、洗うのも普通にお茶碗と同じように扱います。蒔絵の漆器ではなく毎日使う漆器は素地のものを揃えています。40年近く前、馴染みの器屋さんにあった手に収まりの良い黒のお椀が私の「浄法寺塗」との出会いです。ぽってりとしていますが、黒の色もよく汁ものばかりかご飯も香のものも色映えよく収まります。すぐに、同じ型の朱の椀を揃えました。その次は朱の大ぶりな蕎麦椀を求めました。そして、お店を介して作っていただいたのが「合鹿椀」と呼ばれる台の高い椀です。 すべて「岩舘隆さん」の手によるものです。どれもこれも長年の使用にびくともせず艶を増して来ました。

 数日前の新聞に「岩舘隆さん」の記事を見つけました。「浄法寺塗」の復活に尽力なさったことが書かれています。 「岩舘さん」のこうした働きは馴染みのお店の方から伺っていました。

 浄法寺の「漆」がいいものだと知れるようになったのは30年ほど前だったと思います。私が「浄法寺塗」を買い求めて数年後のことです。そしてあっという間にお値段が上がりました。馴染みの店も器が入ってこないほど人気が出ました。私は運良く随分お安いお値段で「浄法寺塗」を揃えることができました。今は「溜塗」が流行りですが、「浄法寺塗」の「朱」は鮮やかでどこかに可愛さを秘めた色で私の好みです。日々使う塗椀はこの4種類、テーブルに上がらない日はありません。

 岩舘さん、お元気に今も器に塗りをなさっています。人の手で作られた器を手に取ると、作り手のお人柄まで伝わります。優しくておおらかでそれでいて剛健な「浄法寺塗」、改めて感謝の気持ちで使います。岩舘さん、ありがとうございます。私の大事なお椀たちです。


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