小雨、23度、95%
10年ほど前までは、香港の田舎、新界の山に家人とよく行きました。高い山はありませんが、海辺を見下ろす、貯水池を廻るそれぞれに面白みのあるコースがあります。当時は、家人が香港100キロトレイルに毎年参加していました。仕事が忙しくなり、急な出張も入ります。練習も兼ねた山行きは、すっかり我が家の楽しみから姿を消しました。
山の中ですから、いろいろな野生の動物にも巡り会います。遭遇する、と言った方が正解です。親子連れのイノシシ。近距離でしたから、家人と一緒でも怖い思いが残っています。遠くから見たから、余裕だったのが野ブタ。大きいのなんのって、しかも色はピンクと黒の大きな斑でした。のんびりと沼地をお散歩でした。
ところが、私たちの住む香港島、ご存知のように高層ビルの群れです。島なんて言っても、人口密度はかなりの高さ、どこに行っても人だらけ。そんな我が家の近くに、私が毎朝走るボーエンロードという道があります。香港島の北、太平山の中腹を東西に走る4キロの道です。西の1キロだけは、車も入りますし、人の住む建物もあります。
ハクビシンに出会ったのは、随分以前のことでした。大きな猫かなと思ったものの、長い長いしっぽです。時には、からだと同じくらい長いしっぽを持ったものもいます。一年に2,3度、必ず見かけます。一度は大中小、親子でしょうか、家族でしょうか、並んで歩いていました。
昨年の秋も深まった時に、初めて出くわしたのが、ハリネズミです。ハリネズミなんて、動物園でもあまり馴染みの無い動物です。しかも野生です。悠長にたかだか2メートルほどの道を横切ります。その間、立ち止まって、薮に入っていくのを見届けました。結構大きなハリネズミでした。きっと、毛を逆立たせるとまだまだ大きくみえるはずです。
それ以来お姿は見ませんでしたが、この夏新聞に、山頂に向かう車道で、交通事故にあったハリネズミを保護したと出ていました。ところが、この9月から今月にかけて、いつものボーエンロードで5回もハリネズミにあっています。息せきしながら、下から上がって来る、2匹連れのハリネズミ。何やら、モモさんと同じようにクンクンしながら、マーキングをするハリネズミ。見慣れとは怖いもので、最近は、緊張感が緩んでいます。
そして、1週間ほど前のことです。木の上で、大きなガサッという音がします。ハクビシンかな?と思って見上げると、全く違うお顔です。家に帰って、香港動物図鑑を見ました。アナグマです。
蛇や、トカゲ、ムカデは以前に比べてほとんど見なくなりました。空気汚染が、激しい香港です。野生の動物にも何らかの生態変化が起きているのかもしれません。図鑑によると、ハリネズミは、年2回発情期を迎え、2,3匹を産むそうです。しかも、家族で暮らしているのだそうで、なんだか可愛くすら思います。
夜と朝の間の早朝に走るので、写真は撮れずにいます。 一番馴染みのあるリス。タイ原種のリスです。モモさんとの散歩中に撮りました。