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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

トマトを炒める

2019年12月24日 | 料理

晴、8度、72%

 昔の日本ではトマトは生で食べるものだったと思います。加熱してジュースにしたりケチャップを作ることはあってもトマトを炒めて食べるという発想がなかった40年近く前です。最近では中華料理の「トマトと卵の炒め物」に始まってトマトを炒めた料理はたくさんあります。

 香港に移り住んだ当初、30数年前のことです。街の気軽な食べ物屋さんのメニューに「トマトと牛肉炒め」を見つけました。トマトは生で食べるものと固定概念がありましたから、物珍しく早速注文しました。中華料理の炒め物の野菜は軽く火が入っているだけです。野菜本来の歯ごたえが残っています。酸っぱいトマトの汁と牛肉が絡まってそんなに美味しい食べ物だとは思いませんでした。

 市場に行くとトマトは大きなカゴいっぱい売られています。みなさん、たくさん買って行きます。香港人がトマトを食べるのに加熱をする、炒めたり、スープに入れると知ったのはその後のことです。そのはず、トマトを生で食べるにはあまりに美味しくないトマトでした。

 帰国後、驚いたことに日本のトマトはあまりにもお値段が高い。炒めて食べるには勿体無い値段と甘さです。完熟の甘みのある小さなトマトを皮が弾けるくらい炒めると、汁の具合とプチュっと潰れるトマトが絶妙です。久々に「トマトと牛肉炒め」を作りました。

 国によって素材の用い方が違うのをあの30年前の「トマトと牛肉炒め」は初めて私に教えてくれました。


カラハリ砂漠のお塩

2019年12月17日 | 料理

雨、13度、91%

 小さかった頃はお塩といえば専売公社の塩だけでした。それが今では日本各地、世界各地の塩が並んでいます。一つ一つ自分の口で確かめて自分お塩を決めればいいのでしょうが、あまりの数の多さです。自分の知った味、安心できる塩が毎日の塩です。

 私の毎日の塩はフランスのゲラルドの塩です。 色は白くありません。ややグレーな色です。毎朝、小さなフランスパンを焼くのでこの塩は常備しています。そしてこの塩の旨味は塩おにぎりにだってお吸い物にだって馴染んでくれます。そういうわけで私の基本の塩です。

  こちらは粒の塩、アトランティック海の塩です。精製されていないのに真っ白、シャープな味のこの塩はお肉を素の味でいただく時にちょっとだけ振って焼きます。お肉の旨みを引き立たせてくれるお塩です。

 先日頂いたのが南アフリカカラハリ砂漠の塩です。砂丘の砂のようなサラサラ、精製されていないのにこちらも真っ白、天日乾燥の塩です。初めて塩の封を切った時、いつもすることは塩の匂いを嗅ぐことです。匂いなんてと思われるかもしれませんが、塩にも匂いがあります。特に海水からできた塩には海の匂いがします。次にちょっと舐めてみます。この塩はとてもクリアな塩です。しょっぱいだけの塩ではありませんがストレートに塩の味がします。次にお湯に少し溶かして飲みました。湯気の中に微かにこの塩の香りが初めてしました。熱を加えるとストレートな味の奥から力強い甘みを感じます。

 砂漠の塩は初めてです。昨晩大きな牛肉にパラリと振りました。一切れ口に運ぶと、肉の味をぐっとバックアップしています。塩を振らないでお肉を焼くことがある私にはその違いを感じることが出来ます。まろみが欲しいお吸い物には使わないような気がします。お刺身にパラリもいいかもしれません。生野菜にパラリ。新しい調味料が手元にあると料理の想像が膨らみます。お塩はやっぱり料理の要です。


グツグツ、ゴトゴト、おでん。

2019年02月04日 | 料理

曇、12度、78%

 ストーブに火を入れました。ストーブの上で何か煮炊きものをするのが好きです。おやかんでお湯を沸かすのだって、湯気を感じて心まで温まります。 おでんを火に掛けました。

 私のおでんはいたって手抜き、凝った物は一つも入りません。たくさんの昆布を鍋に敷き、お大根、こんにゃく、ゆで卵、厚揚げ、たけのこなど味のしみにくい物から煮始めます。昆布が沢山ですから、味付けはみりんとお酒と薄口醤油だけ。一晩明けて、さて、何を入れましょう。冷蔵庫には銀杏、生湯葉がありました。銀杏は楊枝に刺して、生湯葉は厚めに切りました。物足りないのでタコとちくわを買ってきました。 

 ストーブの遠火でゆっくりと火が入ります。部屋中おでんの匂いです。遠火ですので、煮汁が澄んだままです。雨の日曜日、静かな部屋におでんの「グツグツ、ゴトゴト」だけが聞こえます。

 いただく前にガスレンジで火を入れ直しました。これは大失敗、せっかく澄んでいたお出汁が濁りました。タコの皮も弾けてしまいました。生麩も膨らみ過ぎです。せっかくのストーブ仕事が最後で台無し。「グツグツ、ゴトゴト」冬の楽しみです。


燻製牡蠣のオイル漬け

2019年01月10日 | 料理

曇り、5度、77%

 年が明けて10日もしてからのおせち作りです。東京に会議で帰国する主人が連休に1泊だけの予定で帰宅します。香港は元旦だけが休日です。来月の旧正月は長いお休みが取れます。

 黒豆はすでに蜜を吸ってまんまるく膨らんでいます。牡蠣の燻製のオイル漬けも我が家のおせちの定番です。一回で食べ切れる量を作ります。今回いつもとは違った作り方をしました。下味を付けて風干しする前にさっと熱湯にくぐらせました。身の縮みはありますが、冬場の燻製温度の調整が難しいので一旦火を入れておこうと思ったからです。

 夏だと屋外での風干しは匂いや腐敗が心配ですが、寒く風もあるこの季節ネットに入れて干します。 今回のチップはヒッコリーのチップの固形に紅茶の葉を香りのアクセントにのせてみました。 寒かった昨日の昼過ぎ、スモーカーからもくもくと煙が出る様子を見るのは楽しいものです。 扁平だった牡蠣の身が丸く盛り上がったところで、燻製終了。たっぷりのオリーブオイルにベイリーフをのせて密封します。 数日後にはさらに美味しさを増します。

 年末の慌ただしさの中作るからこそおせちだわと、のんびりとしたおせち作りです。今年はお客もありません。二人だけで一晩で食べれる量を仕込みます。


丸鶏一羽と鶏屋さん

2018年11月03日 | 料理

曇、10度、78%

 帰国して以来、鶏一羽を売っているお店を探しました。長いこと鶏一羽売っているのが当たり前のところに住んでいました。有名な北京ダックに始まって鴨もアヒルも鳩も雀も一羽でローストされてテーブルに上ります。家庭でも鶏一羽を使ってスープを取ります。食文化の違いです。その上、香港の我が家の周辺は西洋人も多くローストチキンのお店もたくさんありました。

 お店のローストチキンもたくさん食べました。主人と私、モモさんで食べるには一羽では足りません。一羽と半分がちょうどの量でした。買って来たローストチキンは手間要らずでいいのですが、残念なことが一つ、皮のパリパリ感がなくなります。湿ってペッショリした皮は美味しさ半減です。焼いた後のオーブンの掃除を入れてもお家で焼いたローストチキンの美味しさには敵いません。ローストチキンが食べたくなりました。デパートの鶏やさんに頼もうかと思いましたが、我が家から歩いて行けるところに小さな鶏屋さんを見つけました。

 70代のおじさんとおばさんがやっている小さなお店です。おばさんが鶏の唐揚げやお惣菜を作っています。おじさんはのんびりと鶏を捌いています。夕方の散歩の時に立ち寄りました。翌日は無理、2日後に丸のまま取り置いてくれることになりました。約束の時間に行くと、綺麗にドレッシングされた鶏が用意されていました。香港ではいつもオランダからの冷凍物を使っていました。久しぶりのローストチキンです。

 今回は詰め物なしで焼きました。オーブンの中でパンパンに膨れて行くチキンです。ココさんは初めてのローストチキン。オーブンから出して一息置いて、カービングナイフを入れました。透明な焼き汁が流れ出ます。もちろん皮はパリパリ。腿を一本。もう一本。手羽肉を2つ。私とココさんで食べています。ココさんは落ち着かずにテーブルの周りを回ります。背骨に沿ってナイフを入れました。パサつきがちな胸肉もほのかな甘みを持っています。胸肉の下には大きなささみが。腿肉のジューシなこと、冷凍物では味わえない美味しさです。美味しかった。

 この鶏屋さんの周辺には地元の魚しか扱わない小さなお魚屋さん、八百屋さんが一軒、駄菓子屋さんがあるだけです。ローストチキンを焼いた翌日、美味しかったと伝えるために鶏屋さんへ寄りました。ちょうどお店を閉めるところでした。 おじさんもおばさんも喜んでくれました。このお店が続く限り、鶏肉はここでもらおうと決めました。日本に帰って初のローストチキン、ココさん初のローストチキン、我が家のオーブン初焼きのローストチキンでした。


賀茂茄子

2018年06月20日 | 料理

雨、22度、97%

 初めて「賀茂茄子」を料理したのはずいぶん以前、香港にいた頃のことでした。京都にご実家のある友人が帰国の度に珍しいお土産を抱えて来てくれます。 「賀茂茄子」もその中の一つでした。賀茂茄子の由来、特徴、美味しい食べ方などなど、前置きがあって、「真奈さんのお好きに食べてください。」彼女が一押しな「田楽」を作りました。実質がしっかりしていて、油をたくさん吸いません。田楽味噌の味にも負けないナス独特の甘みがありました。ヘタ下とお尻は塩もみにして食べました。

 高価で大きな「賀茂茄子」を3つもいただきました。これだけあればなんでも作れるとまたしても気持ちが大きくなります。まず初めは田楽。記憶の「賀茂茄子」よりも固く思います。お味噌をのせて、熱々を食べました。あいにくどこを探してもこの田楽の写真がありません。お味噌も京都の白味噌で田楽味噌を作りました。「ナスのバカ」という言葉がギリシャかどこかにあるそうです。なぜバカか?油をいくらでも吸うからだとか。「賀茂茄子」は吸っているはずなのに歯応えが残ります。

 お次は「ラタトゥイユ」を作りました。炒めたナスを煮込みます。普通のナスなら角が落ちるところが「賀茂茄子」は煮込んでも崩れません。小さなオードブルに仕立てました。

 お次はタイの「グリーンカレー」です。 手元にあった「ココナッツクリーム」を使いました。「ココナッツミルク」より濃厚です。蓋を取って見ても煮崩れしていません。普通のお茄子なら1時間近く煮ると溶けてしまいます。一口食べてびっくり、「ココナッツクリーム」をいっぱい吸ってとろりと甘い「加茂茄子」です。

 グリンカレーに味をしめて、豚肉と一緒にシチューを作りました。 「賀茂茄子」の色が出て綺麗な仕上がりではありません。生クリームとも相性抜群です。

 たくさん作った「ラタトゥイユ」の残り物はパスタやオムレツと一緒にいただきます。今回は「鯖のミートボール」ともう一度煮込みました。臭み消しに生姜ではなく庭のハーブを鯖のミンチに刻んで入れました。 これだけ煮ても崩れることなくしっかり茄子を感じます。トマトとお茄子とバジル、素敵なトリオです。

 薄切りにして「ラザニア」、厚く切って「ピザ」、「グラタン」も作ることができそうです。友人に教えてもらったのは皮の強さや実質を守るため、農家の方がかなり手を加えて栽培するのだそうです。新鮮な「賀茂茄子」福岡では高嶺の花の高級な食材を思う存分味わうことができました。八百屋さんに並ぶ普通のお茄子が頼りなげに見えるから不思議です。


ホワイトアスパラガス グリーンアスパラガス

2018年06月19日 | 料理

曇、23度、80%

 この春はたくさんのアスパラガスを北海道からいただきました。北海道のアスパラガスは太さが違います。太くて甘くて根元まで筋が少なくて。デパートの地下で売られている北海道産のアスパラガスはお値段が高くて手が出ません。そんなアスパラガスをたくさんいただきました。しかも、第2弾はホワイトアスパラガスも一緒です。

 ホワイトアスパラガスは父の好物でした。と言っても明治屋の瓶詰めのアスパラガスでした。柔らかくてふにゃふにゃの瓶詰めでした。50年近く前に逝った父に生のホワイトアスパラガスを食べさせてあげたかったと思います。荷物を開けてその場で生のまま食べました。グリーンとは同じアスパラガスとは思えない美味しさです。土をかけて日に当てないで育てたホワイトアスパラガス、農家の方の手間を思います。さあ、どうやって食べようか。

 グリーンアスパラガスは贈り主お勧めの料理を作りました。「イカとザーサイとアスパラガスの炒め物」です。この取り合わせが面白い、炒め物は取り合わせ次第で幾種類も作れます。 スルメイカの旨みをアスパラガスが吸っています。味のアクセントはザーサイです。日本のザーサイは便利です。ちゃんと切られて売っていました。ゴロンと丸いザーサイは薄く切るのが大変です。炒めても腰のあるアスパラガスです。

 以前アスパラガスの料理の話を書いた時、「アスパラガスの西京漬」を教えてくださった方がいました。冷蔵庫には西京味噌もあります。主人の帰国の予定から逆算して漬けました。 西京味噌の優しい甘みはアスパラガスを損ねません。普通の味噌漬けだとお味噌の方が味が勝ってしまうかもしれません。主人から「もう一度。」の要請が出ました。

 主人も帰ってきています。友人もお夕飯にやってきてくれます。そこで、グリーンとホワイトアスパラガスのゼリー寄せを作りました。ゼリーの量が少なかったのか、ゆるいゼリー寄せができてしまいました。 アスパラガス以外に彩りのプチトマトも入れてキャベツの葉で巻きました。薄味に作りましたので生のソーセジを添えました。

 貴重なホワイトアスパラガスです。根元の部分だけを集めてすり流しを作りました。 ほんの一口分、緑の葉っぱはセルフィーユです。形、柔らかさ、香りすべてに優しいセルフィーユを庭から持ってきました。すっと一口、冷たいホワイトアスパラガスのすり流しです。

 たくさんのアスパラガスを料理することが出来たこのふた月、高級な食材アスパラガスの癖や調理法をたくさん学べました。滅多にない機会でした。美味しいものはそのままでも美味しい、それに一手間かけて持ち味を壊さないようにと心がけます。北海道の友人たちに感謝します。

 


アスパラガス4キロの行方

2018年05月23日 | 料理

雨、22度、67%

 主人が香港から帰ってくる直前に北海道のアスパラガスを4キロも頂戴しました。4キロ、ずっしりと持ち重みするアスパラガスです。主人も私も大好物。さてどうやって頂こうか。既にこの4キロのアスパラガスは主人と私のお腹の中です。

 荷物を開けて私がしたことは、大きなアスパラガスを1本取り出して、そのまま頭から食べました。根元のどの辺りから筋っぽくなるかを知りたかったのです。ところが1本丸のまま、筋もなく皮も固くなく食べることができました。つまり廃棄率0のアスパラガスです。その日は  お味噌汁。火が通るとアスパラガスのあの匂いです。アスパラガスのお味噌汁は初めてです。贅沢だわ。

 主人が帰って来て2日続けて、お昼ご飯はパスタにアスパラガスを合わせました。 パスタとアスアラガスを湯がいて、キッパーの油漬けを添えクリームソースです。キッパーの塩気とアスパラガスの甘みが素直に美味しい。翌日は、 アスアパラガスは焼きました。そしてスモークサーモンのパスタと合わせました。焼くと湯がくより甘みが増します。ただし、湯がいた時の方が香り立つことがわかります。

 昨日の「シャルキュトリー 」のお夕飯の日は、 アスパラガスのスープで始まりました。1本丸ごと柔らかなアスパラガスですが、実は4キロ分のアスパラガスの根元を全部切って取り置きました。 アスパラガスの香りと甘さを生かすために薄味に仕立てました。「シャルキュトリー 」といい、アスパラガスのスープといい、贅沢なお夕飯でした。

 和風のお夕飯の日には、焼いたアスパラガスを湯葉と炊き合わせました。 焼き目がついたアスパラガスが香ばしくて、湯葉の優しさといい相性です。 

 お昼ご飯にキッシュを焼きました。 ベーコンを入れるか迷いましたが、アスパラガスだけです。さっと湯にとって卵のアパレイユと焼いたアスパラガスのキッシュです。ごろりと口に当たるアスパラガスは幸せです。

 最後に取ってあったアスパラガスは、 「ケークサレ」に丸のまま入れてみました。佐渡島のドライサラミも丸のまま彩に入れて焼きました。 カチカチのサラミでは丸のままとはいきません。味のアクセントにピンクのペッパーコーンが散りばめられています。最後に「ケークサレ」を焼くために、きちんと本数を数えてアスパラガスを使いました。

 この1週間アスパラガス尽くめでした。こんな贅沢ができるなんて、スープを作るにもお高いアスパラガスでは手が出ません。台所に立つのが楽しかったこの1週間です。主人も満足して香港に戻りました。おごちそうさま。


出来損ないのラムチョップ燻製 ムール貝のワイン蒸し

2017年12月26日 | 料理

曇り、5度、67%

 アウトドアー用のスモーカーを使い始めて2ヶ月、台所のスモークとは基本的には同じですが、火の加減が今ひとつ飲み込めません。台所のレンジなら火加減は簡単です。昨日はスモーカーを電気コンロの上に乗せ熱燻を試みました。桜のチップに紅茶を混ぜザラメも足しました。燻すのはラムチョップです。

 30分ほどで燻上がるはずなのですが1時間経っても色付きません。かすかに煙は出ています。どうも電気コンロの熱量が足りないようです。庭で燻しています。日が暮れてお腹も空きました。お腹が空くのに耐えきれず、半分燻したラムチョップをソテーしました。ソテーなら味付けが薄いのですが、燻製のためにしっかりと味がついています。我が家にしては味濃いラムチョップでした。

 スモークウッドを使う燻製にした方が良かったと思います。次回はガスコンロの上で熱燻を試みるつもりです。

 前菜にはムール貝を山ほどワインで蒸しあげました。ムール貝を見つけた時は大喜び。 アムステルダムに行った時も大盛りに出してもらいました。香港では品よく出されるムール貝のソテーです。身を食べるとムール貝の殻は食べる前の倍くらいに残ります。ニンニクをオリーブオイルでソテーして蒸しましたので、香り豊かなムール貝になりました。貝自身が塩気を持っていますので、塩は一切せずに蒸しました。残りの貝のスープを飲むと案の定塩気十分です。このスープこそ一番のご馳走。

 毎年のおせちに入れる牡蠣の燻製作り、そうそうまだ冷凍庫にラムチョップがありますから、年末までにあと数回スモークを繰り返します。次回の出来はいかなることになるやら、試行錯誤です。


レンズ豆のスープと富有柿のサラダ

2017年12月06日 | 料理

曇、9度、50%

 先日、若い友人が我が家を訪ねてくれた時の昼食です。博多駅まで出迎えに出ましたので、家に戻ってすぐに食べれるようにとスープにしました。朝から冷え込んだ日でした。レンズ豆のスープ、インド風のスープではなくヨーロッパの田舎料理といった風情のスープです。

 このレンズ豆を知ったのは30年以上前のこと、その本を書いた阿倍野の辻料理学校の小川邦彦さんは、「日本では馴染みのない豆でほとんど売られていません。」と書かれています。紹介されている8品のレンズ豆の料理はいずれもヨーロッパの研修中に召し上がったものばかりです。「このレンズ豆の美味しさに目を見張った。」とまで書かれています。探しますが確かに缶詰ですら見つけることができませんでした。初めてレンズ状のこの豆に会えたのは香港です。高級食材店にもインド料理の材料店にも売られていました。早速、作ったのがこのスープです。レンズ豆は豆の食感としては小豆に似ています。豆が煮崩れるとザラザラと舌に触るあの感じです。ブラウンレンズ豆を使います。見た目はちっとも美味しそうには見えませんが、口にするとホッとする美味しさです。 ブイヨンを取ったり、クリームを加えたりしない素の味です。豆と一緒にセロリ、玉ねぎ、じゃがいも、ソーセージを煮込みます。強いて言えばこのソーセージと豆から美味しいダシが出ています。体調が今ひとつと言っていた彼女はこのスープを最後にはパンでぬぐって食べあげてくれました。寒い日にはこうしたスープが体を温めてくれます。

 友人が来る前日、大きな奈良の富有柿を頂戴しました。柿の一大産地は紀ノ川の沿いの和歌山県、奈良県だそうです。艶といい大きさといいこの富有柿さてどうやって食べましょう。種もなく甘みが十分な柿です。友人が訪ねてくれた昼食のサラダにパストラミと合わせてみました。ソースは先日いただいた愛媛の「みかんケチャップ」です。パストラミの塩気と柿のねっとり感、みかんの酸味が微妙にマッチします。

 たくさん頂戴した富有柿、友人が訪ねてくれたその晩のワインにも合わせてみました。 ハードタイプのモッツァレラチーズと柿、薄く切ったセロリ盛りました。食感、歯ざわりの違う3つが口の中で踊ります。

 柿は香港でも中国、韓国から入って来ます。干し柿は「柿餅」と書かれて中国製。いずれも日本の柿より鄙びたお味です。柿とモッツァレラを食べながら、友人との会話を思い出していました。柿の贈り主も若い友人です。「みかんケチャップ」も若い友人からの贈り物です。みんなの厚意を思いながら、心の温まる1日を終えました。