雨、22度、97%
初めて「賀茂茄子」を料理したのはずいぶん以前、香港にいた頃のことでした。京都にご実家のある友人が帰国の度に珍しいお土産を抱えて来てくれます。 「賀茂茄子」もその中の一つでした。賀茂茄子の由来、特徴、美味しい食べ方などなど、前置きがあって、「真奈さんのお好きに食べてください。」彼女が一押しな「田楽」を作りました。実質がしっかりしていて、油をたくさん吸いません。田楽味噌の味にも負けないナス独特の甘みがありました。ヘタ下とお尻は塩もみにして食べました。
高価で大きな「賀茂茄子」を3つもいただきました。これだけあればなんでも作れるとまたしても気持ちが大きくなります。まず初めは田楽。記憶の「賀茂茄子」よりも固く思います。お味噌をのせて、熱々を食べました。あいにくどこを探してもこの田楽の写真がありません。お味噌も京都の白味噌で田楽味噌を作りました。「ナスのバカ」という言葉がギリシャかどこかにあるそうです。なぜバカか?油をいくらでも吸うからだとか。「賀茂茄子」は吸っているはずなのに歯応えが残ります。
お次は「ラタトゥイユ」を作りました。炒めたナスを煮込みます。普通のナスなら角が落ちるところが「賀茂茄子」は煮込んでも崩れません。小さなオードブルに仕立てました。
お次はタイの「グリーンカレー」です。 手元にあった「ココナッツクリーム」を使いました。「ココナッツミルク」より濃厚です。蓋を取って見ても煮崩れしていません。普通のお茄子なら1時間近く煮ると溶けてしまいます。一口食べてびっくり、「ココナッツクリーム」をいっぱい吸ってとろりと甘い「加茂茄子」です。
グリンカレーに味をしめて、豚肉と一緒にシチューを作りました。 「賀茂茄子」の色が出て綺麗な仕上がりではありません。生クリームとも相性抜群です。
たくさん作った「ラタトゥイユ」の残り物はパスタやオムレツと一緒にいただきます。今回は「鯖のミートボール」ともう一度煮込みました。臭み消しに生姜ではなく庭のハーブを鯖のミンチに刻んで入れました。 これだけ煮ても崩れることなくしっかり茄子を感じます。トマトとお茄子とバジル、素敵なトリオです。
薄切りにして「ラザニア」、厚く切って「ピザ」、「グラタン」も作ることができそうです。友人に教えてもらったのは皮の強さや実質を守るため、農家の方がかなり手を加えて栽培するのだそうです。新鮮な「賀茂茄子」福岡では高嶺の花の高級な食材を思う存分味わうことができました。八百屋さんに並ぶ普通のお茄子が頼りなげに見えるから不思議です。