晴、13度、72%
中国にもたくさんの「酢」があります。日本の「穀物酢」に比べるとツーンとくる酸っぱさや匂いが少なく感じます。「白酢」「黑酢」「紅酢」と作られる地方によってそのまろやかさも味も違います。
日本の「黒酢」はとてもお高いものが多く驚きです。屋外で甕で寝かせる「黒酢」はお酢の値段ではありません。使い慣れた味の「鎮江香醋」は日本で求めてもそんなに高くないので私はこれを使います。中華ではお酢は隠し味に使うほか、「餃子」や「蛇のスープ」、「フカヒレスープ」などに添えられて出て来ます。ちょうど今が季節の「上海蟹」に添えられる「酢」はこの黒酢と「紹興酒」、砂糖などを煮詰めて作ります。餃子などは千切りの生姜が浮かんでいる「白酢」でいただきますが、私は黒酢で食べるのが大好きです。
「紅酢」を急に使いたくなり探しました。香港の市販品も手に入りますが、「八珍」というオーガニックの品を売っている店のものを見つけたので求めてみました。「八珍」は香港セントラルと九龍モンコクに店を構える老舗です。中華の調味料を添加物なしで作っています。海外からのオーガニック商品も早くから取り揃えていました。自家製の「らっきょう」「生姜の甘酢漬け」など市場で買うものの数倍の値段がします。市販品は字の如く紅色をしています。添加物がない「八珍紅酢」はこんな色です。 「黒酢」よりすっきりとした「紅酢」です。香港に長く住んでいる人たちとの会食で最後に出て来た「炒麺」を見た途端、誰彼ともなく給仕の人に頼むのが「紅酢」でした。油たっぷりに炒められた「炒麺」はとても美味しいのですが、そろそろお腹もいっぱい、そこでこの「紅酢」をかけてさっぱりさせてお腹に収めます。「酢」の使い方の幅が広がります。
「酢」一つで味が変わります。日本の「酢」は柔らかな「米酢」を使っています。洋食の時は「ワインビネガー」「バルサミコ酢」と使い分けます。それぞれの美味しさがあり「酢」の瓶だけでも数本並ぶ台所です。
中国の「酢」を見かけたら一度是非お試しください。