私は先日、頭部のMRI検査を受けました。
心配はご無用です。
いわゆる、脳ドック的な意味合いで受けたのです。
おはようございます。
MRIの結果は、異常なしだった。
だが私は、この診断を頂くために
検査所要時間約20分を、必死に耐えたのだった。
ドーム型の精密機械の前で、まずは説明を受ける。
「仰向けに寝て、このドーム状の部分に頭部を入れて、
検査するのですが、頭は決して動かさないでくださいね。」と。
素直な幼子のように頷いた私は、速やかに仰向けとなる。
検査技師は、馴れた手つきで準備をしながら声を掛けてくる。
「はい、頭をベルトで固定しますね。」
頷く、私。
「このボタン持ってね。検査中、なにかあったら押してね。」
頷く、私。
「すごい音がするので、ヘッドホンで耳を塞ぎますね。」
両側の頬骨をヘッドホンで挟まれる、私。
おい、待ってくれ。
ここは頬骨だ。
耳は、今のところ、裸耳(らじ)です。
何も言えぬまま、検査は無情にも始まった。
ドームの中は、本当にけたたましい音が鳴り響く。
しかし私は、ご覧の通り裸耳のまま、
ヘッドホンは相変わらず、頬骨をがっつり挟んで離さない。
あかん。
多分、今、私の顔、ブルドックや。
笑ったら、あかん。
ブルドック状の己を思い浮かべたら、あかん。
あかん、無になれん。
どうしたらいいのだ。
いっそ非常用ボタンを押して、
「耳が裸耳バンダリー」と言うか。
あっ懐かしい~。
あかん。
そんな事、今考えたら、あかん。
笑ったら、あかん。
私は、この苦しみの中、耐えに耐えていた。
とにかく悲しい事を考えよう。
そうだ、これが終わったら、お会計だ。
恐らく1万円はお支払いするのではないか?
どうだ、悲しいだろ?
長い苦戦を強いられ途方に暮れかけた、その時、
突如、精密機械が私が寝ているベットごとブルブル震え出す。
おいこら、無茶はよせ。
ズレるやないか!
頬骨を挟んでいるヘッドホンがズレるやないか!
振動により、
さらにブルドック化が進んでいく頬を感じ、
私は、もう限界に達してしまった。
「ぎゃーはーはーはー」と同時に
「はい、お疲れ様で~す」という声。
そうなのです。
私は、ぎりセーフだったのです。
怪訝な顔の技師さんに気付きながらも、
笑いを止める事などできず、
息も絶え絶えに、これだけは伝えました。
「裸耳で・・・頬がアレだったから」
そんなわけで、
私は最近、冷蔵庫にぶっこんでくるネコ達に困っているんです。
あやさん、開けた瞬間、やめてもらえませんか?
おい、おたま!
お前もか!
やっぱり、こうなるのか、めんどくさい!
ついでに、言うぞ
冷蔵庫の上に乗るのも、やめたまえ!
開けづらいのだよ!
開けてみると
こうきて
ちょいちょいするし、電気代が気になる~!
最近、無駄な出費が多いのよと、おじさんにぼやいたら、
「ぼくは、ちくわが一番無駄だったと思います」だって。
ああ、無情!