保護している雛が、
ようやく、あわ玉をついばめるようになって来た。
それに、大喜びした朝、
駐車場の端で死んでいるスズメを見つけた。
おはようございます。
傷ひとつ見当たらぬ成鳥だった。
その様が私に、
育つことは、嬉しい事ばかりじゃないと思い出させた。
虫を捕まえられる程になれば、私はあの子を空に放つのだから。
あれ以来、私は、
笑っちゃうくらい不恰好に水浴びする雛を見て、
手を叩いて笑うくせに、目の奥で涙を堪えるようになって来た。
そうだ。
そういえば、
入院中の父は鳥を育てるのが上手かった。
文鳥やセキセイインコ、オカメインコも、育てたのは父さんだった。
見舞いに行った時、雛の話をしてやろう。
そう思い立ち、父に会いに行くと、病室に入る寸前、
看護師が飛んで来た。
「お父さま、かなり要求が多くてですね。
スマホが盗られたとか、冷えた物しか飲まないとか、色々と。
特に夜中にヒートアップしちゃって、昨夜は看護師に物を投げちゃって。
こちらで管理するのでスマホを持って来てもらえませんか？
渡しちゃうと、きっと娘さんにめちゃくちゃ電話しちゃいますよね？
見せるだけでも、ご納得されるかもだから。」
私は頭を下げながら、心の中で、ヨシヤスよ、お前もか？！と連呼した。
「わしの娘は盗人で食っとる」
と豪語する、手癖の悪いかずこに続き、父も物盗られ妄想が出てきた。
幸い、我儘な要求が多いのは認知症ではなく昔からだが、
これを幸いと呼ぶべきか？
けれど、入院で物を投げ付ける行為は、ヨシヤス史上初だと思う。
これは、脳の萎縮が原因かも知れない。
大暴れするかずこ程じゃないが、物を投げるとは・・・
私は雛のことは話さないでおこうと決めた。
そんな微笑ましい話、父さんになんかしてやるもんか！
おかげで、
なかなか言い出せなかった事を父に伝えることに決め、
有料老人ホームの冊子を父に渡した。
「退院後、ここで療養した方がいいよ。
あっちこっち探してさ、この施設が、いっちゃんええとこ！」
去年末辺りから、父の衰えは顕著だった。
体も脳も、たぶん心もだ。
そろそろ、
この老夫婦の暮らしを変えざるを得ないと思っていた。
かずこの施設入所は難しい。
環境の激変で、囚われの宇宙人みたいにパニックになってしまう。
父なら、イケる！はず？！
けれど、タバコの煙と父の悪態で淀んだ部屋の中で、
ドロドロに酔った父は、
「車を取り上げられたから、俺はおかしくなったんだ。
やいのやいの言いやがって。
ババァは、ボケて何もしてくれなくなったしよぉ。
人生最後で、こんな羽目になるとは思わんかった。
もう、どうでもいいから、施設にでも放り込め」
と言った数分後に、
「施設になんかほうりこみやがったら、
お前を恨んで恨み抜いて死んでやる。」
と言う。
こんな事を毎日言われ続け、私の体も脳も、たぶん心も荒んで行った。
そんな中、汚れた床に、ポロリとおかずを落として、
ニカッと笑うかずこを見れば、胸が締め付けられる。
立て、あたし！
動け、あたしめ！！
そう奮い立たせようとしても、視線は自分の足の特徴的な親指だった。
「変な指…けろっこデメタンみたい。」
父が胸椎の圧迫骨折で入院したことも、動く原動力にはならなかった。
世話する老人が１人減ったことへの安堵感でか、
一日中、眠くて眠くて堪らない。
それでも、かずこの介護と父の病院への往復は逃げられない。
こんな時、頼れる福祉は、限られている。
当てにするのは大事だが、限られていることは事実だ。
使う人間にサービスがマッチしなければ、
家族の負担は逆に増えることになる。
例えば、１週間全てデイサービスに預けると、
送り出す私は、１週間全て、会社は遅刻早退だ。
しかも、かずこがデイサービスで酷くごねれば、
途中で迎えに行かなければならない。
ショートステイも同じだ。
福祉サービスは、
いかに、利用者や介護者にマッチしたサービスを受けるかが肝心なのだ。
私は雛を拾ったのは、そんな最中のことだった。
一旦、雨が降り始めた空を見上げ、考えた。
「この感じの雛なら、1〜2時間のさし餌だ。物理的に出来るか、
出来るの？え〜っと・・・」
口をポカンと開けて考えに考えて分かったことは、たったの一つだった。
「あたしはアホだ。」
私は、雛をタオルに包んで車に乗り込んだ。
当然、壮絶な忙しさが訪れた。
日が昇れば給餌が始まり、午前だけで、猫→雛→かずこ→雛→雛→かずこだ。
もちろん、会社にも連れて行く。
そろそろ、クビを洗っておいた方がいいが、隣のデスクの熟女が、
「きゃー！」
と気付いてしまい、しかし、
「キャワイイ〜！！」
と泣いた。
社長は、雛をスマホで撮影して家族に
「マジかわいい」とコメント付きで送信した。
雛、弊社採用だ。
たった今、その雛が、
生きたミルワーム（イモムシ）を食べた。
やっと、自力で食べた！
私は今、社内でガッツポーズしているが、心の奥は泣きそうだ。
それでも、雛が育ちゆくスピードの中で走っている。
雛の巣立ちのため、老夫婦の新たな暮らしのため、
あれだけ憔悴していたことが嘘みたいだ。
あの時、
ひーちゃんと出会わなければ、私は走り出せなかった。
今もウジウジしていたに違いない。
一丁前にミルワームを食べた雛は、いそいそと私の肩に登った。
まるで、まだまだ雛だ。
もう少し、一緒に走れる。
飛び立てるまで、もうしばらく。
その頃には、父と母を引き離す事にもなるだろう。
出会いとは、奇異なものだ。
のん「と言ってるかかぁの肩は、糞だらけら」
雛ちゃんの話、お父様にはしないの～？
したら喜ぶんでないの～？
でも、言ってやらん！という気持ち、
文章を読んだだけで
判ったつもりになってるとは思いますが
わかるわあってつい呟いちゃいました
デイサービス、ショートステイ、
悩ましいですね
遅刻早退もそうですが
途中で呼び出されるとなると余計に
仕事環境も自身も落ち着かないですものね
雛ちゃん採用良かった(*´▽｀*)🌸
おかぱちゃんが、それでも前を向けるよう
うめさんが「ぽと」って
地上に降ろしてくれたのかしら
おかぱちゃんがそれを受け止め
ヒー！って言ってるのを
天上でニヤリとしているかしら
今日も１日ボチボチ行きましょうね
週の中日ですってよ
熱中症お気を付けくださいませ
いつでも小さな旗持って
応援しちょりますよヽ(^o^)丿
返信不要やけんね
やっぱり忙しく過ごされているんですね。
おかっぱさんの心と体が心配になります。
ちゃんと食べてる？
ちゃんと寝てる？って思っちゃいます。
あ、雛のこともw
公共の介護サービスも一長一短でなかなか難しい部分が多い中、ひとりひとりにピッタリ合う施設なんて難しいですもんね。
どこかで折り合いをつけて決めるしかないんでしょうね。夫の母親もそうです。
だけど、そのような施設に居てくれるだけで家族の負担や心配事がどれだけ減るかもわかりました。
ただ施設に入所した夫の母親は、ことあるごとに「もう家に帰るけね」「そろそろ引っ越しするけね」と言い続けているそうですw
やっぱりここは自分の家ではないと自覚しているんでしょうね。でも常に見てくれる職員さんがいてくれるって、とてもありがたい環境です。
ひーちゃんとの出会いもやっぱり意味があって。
大変な中でも幸せ運んできてくれてるんだなって思います。
動物の赤ちゃんが持ってる幸せにしてくれる癒しのパワーってほんとすごいと思っています。
職場でもアイドル化してていいですね
お家では三にゃんとひーちゃん一緒なんでしょうか？
お部屋違うなら、わりと平気なのかな
命との出会いって、何かしらの意味があるんですね。
マアコちゃんの時もそうでしたものね。
なんというか、『私、生かされてるなぁ』と
感じる事がままあります。
そうなんですよね。福祉でも頼れる事は
限られているし、介護する家族は本当に
疲弊するんですよね。
しかも、おかっぱさんはご両親お二人だもの。
ひーちゃんの巣立ち、複雑ですが育って
くれて良かったです。
鳥さん好きの友人に聞いてみましたが、
雀は難しいと言っていました。
うちの母って凄かったんだなぁと（笑）
ちょっと私、体重が40キロを切ったら
身体が動かなくなったのですが、
おかっぱさん、大丈夫ですか？
これから暑くなりますが、気合いで栄養の
あるものを食べて下さいね！
コメ返し、私のブログ訪問などは
お気になさらず^^
先日は本当にすみませんでした。
fc2に引っ越したのは間違いだったのかしら>_<
ありがとうございます。
火曜水曜はかずこ独りで留守番なので、
昼は実家行ったり、見守りカメラで話しつつ、
なんとか乗り切りました。
そして
木曜日の今、すげー嵐です。
父さんは、もう実家へ帰れないと思うと、
意地悪半分、申し訳なさ半分で
なかなか、実家での楽しい話が
しづらいですね。
そんな中、こんな時に舞い降りたハゲた天使！
そうなんですよね。
極楽組の采配か？と思わずにいられんです（笑）。
いつも応援ありがとうございます。
私も、solo_pinさんのこと、応援しとるで〜！
おかげさまで、さすがに今回は
食べなきゃ寝なきゃと気を付けております。
しかも、お世話する天使が鳥なので
猫みたいに夜行性じゃないから、
それだけは、ほんと助かります（笑）。
そうなんてすよね。
設備な整った、プロのいる環境て暮らしてもらう安心感、
私も、すでに父に関しては気持ちが楽です。
心の中に、ごめんという思いはありますが、
現実、両親共に介護は、もう限界でした。
あとは、父さんが気に入って過ごしてもらえればですよね。
そして、さあ、かずこをどうして行くか！？
まだまだ難題ですが、この前に…
雛の放鳥、頑張らねば〜（笑）。
ありがとうございます。
そうなんですよね。
そりゃ住み慣れた家がいいのですが、
現実、風呂さえ独りじゃままならない中、
家に戻れば、またストレスが溜まると思うんですよね。
子雀、小娘みたいでほんとお喋りでかわいいです。
こんな時にやだぁっと思いましたが
こんな時だから、学ぶものも多いです。
なによりも、鳥の餌に詳しくなってゆく〜（笑）。
雛は、一応、個室で隔離してます。
やはり、猫は猫ですもんね。
事故になってはいかんし、雛も
猫に馴れたらまずいですもんね。
お気遣い頂いちゃって恐縮です。
ひいなさん、まちがってかないない。
あたしが操作を間違ったのだぁ〜（笑）。
体重のボーダーってありますよね。
昔は46キロ以下になると、必ず生理止まってました。
今は46キロ無いんだけど閉経したからなぁ…
いやでもね、かなりちゃんと食べるようにしてるので、
おかげさまで大丈夫です！
ありがとうございます。
そうなんです。
ひいなさんのお母様、すごいんです！！
ひーちゃんは元気に育ってくれてるようですが、
独り餌が、まだ全然進まないんです。
少しでも早く放鳥するが望ましいらしいけど、
なんかもう、さきゆきが不安でしかない（笑）。
でも、この出会いもとても貴重な機会ですもんね。
これが無くちゃ、今はなかった。
ひーちゃんも両親も、行くべきところへ〜
を目指して頑張ります！