最近私は、父さんの一眼レフを持って、
少し離れたところから、
懸命に生きる親子の姿を、こっそり眺めては、
その圧倒的な強さに胸を熱くしているのです。
私の暮らす街は、すごいスピードで開発が進んでいる。
木々は切り倒され、池は水を抜かれ、すっかり干上がってしまった。
シロツメ草の花が咲き乱れる草原は、
花もろとも掘り起こされていく。
その光景が日に日に迫ってくる、道沿いの小さな原っぱで、
ケリのツガイが雛を3羽、育てています。
ケリ:はとと同じくらいの大きさの鳥(1,880円の電子辞書より)
※ケッケと甲高い大きな声で鳴く鳥です。
※4~7月ごろ、草原や田畑の脇で、巣を作って子育てをする
その道を通るモノは、もれなくケリの父さん母さんに威嚇を受ける。
人だろうが、容赦はしない。
間近で飛び交いながら、ケリの声は耳をつんざく。
雨の日も、風の強い日も、容赦はしない。
カラスが雛を捕らんと迫ってくれば、
上空で戦いながら、ケリの声は、空をつんざく。
すべてが止まったように静かな真夜中、
私は、甲高い音に気付いて眼を覚ました。
それが何かがすぐ分かり、
窓から外を眺めたが、暗くて何も見えなかった。
きっと、ネコかイタチが雛を狙っているのだろう。
そんな静かな暗い夜も、決して容赦はしないのです。
ケリの父さん母さんは、我が子の命を守るため、
闇夜もつんざくかのごとく、大きな声で鳴いています。
この原っぱに、大きな重機が入ってこようと、
ケリの父さん母さんは、一歩も引かず、
きっと容赦はしないのだろう。
どうか、巣立ちに間に合いますように・・・
このケリの姿に、私は遠い昔を思い出す。
若い頃、気苦労が絶えん暮らしがたたって、
顔面神経麻痺という病にかかった私は、
1年以上治療をしても、右側の顔は動く事はなかった。
ひん曲がった顔のままの私は、実家に戻って、
母さんに「もう生きていけない」と嘆いた。
私の言う事なんて、おおかたは軽く流す母さんは、
その時は珍しく、真剣な面持ちでこう言った。
「お前、勝手に独りで死ぬなよ。
もう生きていけんのなら、わしがお前を殺したる。」
幼い頃に怒鳴られた時より、怖かった。
孫の手が折れる程叩き回された時より、痛かった。
酒に酔って凄んで見せていた母さんより、強く見えた。
圧倒されて、死ぬ気が失せた。
そして私は、ひん曲がった顔のまま、
戦場のような日常に、再び挑みに行ったのだった。
・・・・結局、その後、破れたけどね。
母さん、ごめん。
・・・・またその後も、色々面倒掛けたけどね。
ご家族の皆さま、ごめん。
感謝の日だが、感謝に至らず、
謝罪に尽きる、今日この頃。
おはようございます。
うんこ:「かあさん」
なんだい、うんこや?
うんこ:「かーさーーん」
うんこ~うんこ~!
うんこ:「かあさ・・・ん」
うんこ:「か・・・さん」
うんこ:「あぁ、そこそこ」
うんこ:「おたまや そこそこ」
うんこ:「くぅ~ きもち いい」
うんこー、こっちを見ろーー!