嘘?!
ほんと?
いや、嘘でしょーーーー?
おはようございます。
我が家の宝である、うんこさんが、6.85キロだなんて、
そんなこと、あるのか?
うんこさんの体重の歴史を辿れば、
拾った時は、130グラム程度だった。
今考えてみれば、平均より大きな乳飲み子だったのだが、
乳飲み子には違いなく、
私はジャンジャン、ミルクを飲ませていた。
親孝行なうんこは、
そんな私の期待を全身で受け止め、浴びるようにミルクを飲んだ。
離乳後は、感染症のオンパレードで、
病院でも「ほぼ、死ぬ」と言われたものだから、
私は、なんでもいいから食えと、
甘酒(ノンアルコール)を飲ませるほどに必死だった。
私もうんこも、必死に必死で、ひたすらに必死だった。
必死を数年継続してみたところ、
うんこの体重は、8.2キロになっていた。
うんこがとっくに、米俵みたいになっていることに
当時、きっと、今は極楽に居る、うめさんは気付いていたと思うが、
私とうんこは、気が付かなかった。
愕然とした私とうんこは、
「どうして、誰も教えてくれなかったの?」と、世間のせいにした。
そんな、ある日、救世主が現れた。
川から拾って来た、あやだ。
あやは、生まれつきアスリート心臓を持っているのか、
疲れを知らない、それでいて独り遊びも知らないおかげで、
私は、あやの遊びに付き合ったせいで、血尿を出した。
うめも出した。
実家のばあさんは、右腕がジャラシのせいで腱鞘炎になった。
そして、一番相手をさせられていた、うんこは、痩せた。
7.6キロになった。
この勢いに乗って、さらに痩せるべく、ダイエットを続けようとなり、
うんこのフードのカロリーを下げた。
そのおかげで、うんこは巧妙な『盗み食い』を覚えた。
若い猫の高カロリーフードを、私の目を盗んで爆食いした。
老猫の高カロリーフードも、私の目を盗んで爆食いした。
おじさんの高カロリーおやつも、私の目を盗んで爆食いした。
棚に置いてあったお饅頭も、私の目を盗んで爆食いした。
だったらと、棚にしまいこんでも、前足で棚を開けて爆食いした。
お手上げだった。
この頃は、うんこがたまにご飯を吐き戻すと、
愛情深い飼い主なら、
「あら、吐いちゃったの?かわいそうね」と言うべきだろうが、
私は、「よし、ひと盛り減った!」と心の中でガッツポーズをしてしまっていた。
「うんちゃん出しちゃったから、おかわり」と言う、うんこを、
気付かぬふりで誤魔化した。
もはや、ほくそ笑んでした。
絵に描いたような、仮面親子だった。
ところが、うんこが14歳を過ぎた頃だろうか。
うんこは、自然と痩せてきた。
7.6~7.8を死守していたはずが、7.2キロになり、
「よし、夢の6キロ台も近いぞ!」と言いつつ、
なんだか少し、複雑な気持ちになった。
昨日は、ご飯も食べずに寝てるものだから、
「そんな時もあるさ。」と笑いながらうんこを抱いて、
体重計に乗った。
そして、次は、うんこを降ろして、私だけで再び体重計に乗った。
私は「おい、嘘だろ?おい!おい!」と叫んだ。
最近、顔が浮腫んでいると思っていたが、
私の顔は浮腫みではなかった・・・太っていたんだ。
愕然としたまま、計算器で引き算をすると、
6.85と算出された。
「うんこが、6.85キロ?」
夢の6キロ台だった。
私の足元で見上げているうんこが、なんとも愛らしかったから、
私は「すごいな、うんちゃん」と言いながらしゃがんで、
うんこの丸い頭を撫ぜた。
なぜだが、涙が出そうになった。
「うんこ、まだまだ、なんだからね。」
目立った病気ではない。
ただ少しずつ、軽くなって行っている。
それは、ある意味、順調だ。
もっと軽くならないと、空へは飛んでいけないのだから。
うんこさん?
うんこ「ちょっと、ぼけてるじゃないのぉ、母さんめ!」
ごめんご、めんご。
今朝は、残さず食べたね。
今日の調子はどうだい?
うんこ「だめ、最悪。うんちゃん、かわいそう」
どこがだよぉ!
うんこ「どこもかしこもよ、母さん!」
どこもかしこもて?!
まあ、不平不満も、元気の証拠だな。
うんこ「そんなこと言ってる暇があるなら、プリンを出せ!」
ダメだろ。
うんこ「うんちゃん、ガリガリなのにぃ。」
いや、考えてみれば、
6.85キロは、普通にデブだぞ!