私は、子供の頃から、滅多に本を読まない。
生粋のテレビっ子なのだ。
おはようございます。
本を読まないのだから、
もちろんマンガ本も読まず、ひたすらテレビのアニメ番組を観て育った。
あれは、高校時代の事だっただろうか・・・
授業が終わった後も、夕方放送されていた、一休さんに間に合わせるために、
一目散で自転車を立ちこぎして帰ったものだ。
毎日一緒に帰る友人は2人居たが、
実際は、校門を一緒に出る友人が2人居たと言った方が正しい。
原付バイクと互角に競えるほどのスピードで立ちこぎする私とでは、
仲良く並んで和気藹々と帰る事は、誰も出来なかったからだ。
その当時の私の頭の中は、
一休さんとカルビーポテトチップス・コンソメパンチでいっぱいだった。
そんな、食いしん坊の一休信者を、友人達は見捨てなかった。
せっかくだもん。おかっぱと一緒に帰るって約束したんだもん。
そう強く思ってくれる、健気で優しい友人2人は、
毎日、イノシシがわき見もせず猛進するかのごとく、
前のめりでペダルをこぐ私を、
必死になって追いかけてくれていた。
そんな2人を、私は毎日、振り切って帰った。
彼方後方から聞こえてくる、友人達の
「おかっぱーー!ちょっと待ってよーーー!」という叫び声を背に受けながらも、
私は無情にも、ペダルをこぐスピードを緩めはしなかった。
そういえば、1度、自動車とすれ違いざまにぶつかった事もある。
その時、ドライバーは、慌てて車から降り、「大丈夫ですか?」と声を掛けたのだろうが、
私の耳には、「だいじょ」までしか聞こえなかった。
なぜなら、私はそくざま自転車に乗り直して、走り去ったからだ。
再び、「大丈夫~?お嬢さ~ん、大丈夫なのか~~い?」と叫んでいたが、
私は立ちこぎしていたので、手を上げて挨拶する事もできず、
やはり、無言でペダルをこぎ続けたのだった、一休さんを観るために。
結局、帰り道で友人達と言葉を交わしたのは、
各々が家路に着くべく、分かれ道に近付いた時、
「じゃーまた明日~~」 に対し、遠くから「明日またね~~」と叫ぶ。
それだけだった。
私は、そんな事を、毎日繰り返していた。
そうなのだ、
私はポテチを食べながら、
一休さんを観るというテレビっ子ならではの悲しいサガのせいで、
彼女達との友情を踏みにじり続け、時には事故をも踏み倒したのだった。
それほどまでにテレビっ子なくせに、
早寝だから、21時以降の番組が、なかなか見られない日々だ。
「世界ふしぎ発見」という大好きな番組も、21時スタートだから、
テレテッテーっというオープニングソングが流れ始めて、
今日こそはと、目を見開いて頑張ったところで、
やっぱり気付けば、翌朝だ。
そうなると、もう司会者の草野さんの顔すら拝めない。
さらに大好きな テレビ東京「なんでも鑑定団」も、21時スタート。
起きてるか寝てるかの問題以前に、我がテレビはテレビ東京を映してもくれない。
なぜか、チャンネルすらない。
外国メーカーのテレビだからか?
そもそも、そんな大好きな番組名すら、ろくに覚えられない自分がいる。
「世界ふしぎ発見」は、とかく「世界ふしぎワールド」と言ってまう。
「なんでも鑑定団」に至っては、「ふしぎ発見鑑定団」と言ってまうんだ。
好きな番組名が、シャッフルしまくっている。
これも、仕方あるまい。
だって、ほとんど観る事叶ってないんだもん。
もう、うんざりだ。
こんな自分に、うんざりなんだ。
あや「おばちゃん、何が言いたいのかしらね?場所代わってくれない?」
あや「おばちゃんテレビ観ないのかしら?そのクッション、あやのだよ」
あや「ちょっとぉ、退きなさいよ」
おたま「おばちゃん、本を読むんだってさ。ここはオラのだぞ」
おたま「オラのクッションだぞ。退いて」
あや「やだ」
という事で、
テレビっ子のおかっぱ、本も読んでみようと思う今日この頃であります。