私の中で、いよいよ有川浩ブーム到来。
「モルツーが読んだらきっとハマるハズ」と言われていたのをずっと読まずにいたのですがふと読んでみたくなり、まず『クジラの彼』をiPhoneで読んでまんまとハマりました。
ただ、25歳くらいまで平気でライトノベルを読み、35歳の最近でもラノベを買うことに全く抵抗がない私からすると、「コレが一般小説のカテゴリーに入ってなおかつ売れるなら、アレもアレもイケるだろ」と思う気持ちは抑えがたく。
少し以前の物になるけれど、例えば『三千世界の鴉を殺し』(津守時生/ウィングス文庫)とか『野望円舞曲』(田中芳樹・荻野目悠樹/徳間デュアル文庫)とか『でたまか』(鷹見一幸/角川スニーカー文庫)とか。
そういえば最近、魔術師オーフェンのシリーズを一般書籍の売場で見かけた気がします。
今後は『スレイヤーズ』とかも進出してきちゃったりするんじゃないか、なんてね。
とはいえ「剣と魔法」の世界観はやはりヲタク色が強く、「ラノベ」カテゴリーになっちゃうかもですね。
SFも、どちらかと言うとそれに近いか・・・。
とりあえず、有川浩を読んでると実写ドラマではなくアニメの映像しか浮かばず、コレが「一般の人」に受け入れられてる現状をみると「時代は変わったなぁ」と感慨を覚えずにはいられないのでした。
クジラの彼 (角川文庫) | |
クリエーター情報なし | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
有川浩(著)
いきなりコレを読んでしまったので、「なんか同人誌みたい」と思ってしまった。
つまり、なにか本編があって、そのスピンオフであるカンジがしたのです。
しかも電子書籍で読んだので裏表紙の説明とかも読まないままだったので。
まさに、スピンオフ作品も収録されたものだったのですね。
ここから入ったことで、まずは「自衛隊三部作を読まねば!」と思ったのでした。
ちなみにこんな甘々作品・・・!私、けっこう好きです。
空の中 (角川文庫) | |
クリエーター情報なし | |
角川グループパブリッシング |
有川浩(著)
文句無しに面白い。
SF好きなので、まさにツボ。
未知との遭遇譚に加えて少年の成長譚。
そして飛行機。
全ての娯楽小説の中でも「傑作」の一つだと思う。
「なにか面白い小説、無い?」と聞かれたら、まずコレを勧めようと思うくらいに。
(既読の可能性は高いけどもね)
序盤、ディックの姿が現れる瞬間は、映像が目に浮かんでその壮大さに鳥肌が立った。
本読んでて鳥肌立つなんて久しぶり。
海の底 (角川文庫) | |
クリエーター情報なし | |
角川グループパブリッシング |
有川浩(著)
『クジラの彼』のあの人たちか!と、萌えた。
思いのほかヘビィな展開もあり、感情移入しまくり、のめり込んでイッキ読み。
三匹のおっさん (文春文庫) | |
クリエーター情報なし | |
文藝春秋 |
有川浩(著)
結局、少年が語り手になったなーと、途中、ふと思ったりしながら読んだ。
まだあまりキャラが完成してない気がするのですけどドウデスカ。
続編ではっちゃけてるのを期待。
塩の街 (角川文庫) | |
クリエーター情報なし | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
塩の街―wish on my precious (電撃文庫) | |
クリエーター情報なし | |
メディアワークス |
有川浩(著)
あー、覚えてるわこの表紙。と、電撃文庫版の表紙を見て思い出しました。
巻数が続いてるモノではないのに出版社オススメの印が付いてて不思議だったのです。
売れてるなら続編がバンバン出てくるのが定石なのに。
一般書の方へ行ってたのですね。納得です。
ただ、中身は確かに「電撃大賞」(ヲタク向けラノベ)の香りがぷんぷんと。
「上手な同人誌小説ってこんな感じダヨネー」と思わずにはいられませんでした。
どの登場人物の視点なのかの表現が不足したままストーリーが進むので読みづらかったですし、感情の説明が浅くて「登場人物が自分に酔ってるだけ」に見えることもしばしば。
まさに「発展途上の有川浩」を見る事ができて、興味深かったです。
「小説って目に見えない工夫がされてるものなんだなー」なんてことも見えたりして。
あとがきで著者自身が「(読み返したら体裁を整えたくなったが)拙いくせに、拙さを何とかごまかそうとすると成立しなくなるのです」と語ってらっしゃいました。
「恥ずかしいけど仕方ない!」というスタンスで角川文庫版を出されたのかなぁなどと垣間見えて、小説家ってタイヘンなんだなぁとか思ってみた次第です。
これだけを読んで「有川浩、大したことない」とは思わないで欲しいなと危惧。
阪急電車 (幻冬舎文庫) | |
クリエーター情報なし | |
幻冬舎 |
有川浩(著)
オシャレでした。
なんてゆーか。
あと、今のところ私の中で唯一「実写ドラマ」な映像で読める有川作品。
実際にドラマ化されているからという理由ではなくて、キャラクターのセリフとかにアニメ臭さが少なかった。
連作オムニバスだと思って読んでいったら、前の節で出てきた人がまた主人公になっていたりと、さすが有川浩、一筋縄ではいかないのねと、してやられた気分で小気味良かった。
図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1) (角川文庫) | |
クリエーター情報なし | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
有川浩(著)
「本を守る」だなんて、そりゃあさぞかし全国の書店員さんのハートをわしづかみにしたでしょうよ、と。
そして、元書店員の私のハートもまんまとわしづかまれました。
『海の底』のように戦闘シーンも多い作品かと思っていましたが、「学園モノ」と言うほうがしっくりくるかなと。
「戦闘」より、「登場人物達に日々起こる事件の数々」的な印象。
「男性が多い団体生活に混ざってる元気少女とその友人」という構図は、よくある少女漫画のパターン。
私は、『花ざかりの君たちへ』を連想。
コミック版が「LaLa」での連載なのも、しかるべきところに収まってる気がします。
主人公を取り巻く世界と恋の行方にそそられて、この後、まんまとイッキ読みです。
ゼッタイ面白いことは分かってたので、ツレの手術待ち時間に現実逃避するためのアイテムとして、読みかけの巻とその次を持って病院に行きました。
「もっと集中して読めるときに読んだほうがいいんじゃないの?」とツレには言われ、まぁ結果その通り、さすがに手術時間が長引いてくると集中できなくなっていきましたが、最初の数時間はコレのおかげであっという間に過ごせました。
将来あの手術を振り返ったときに毎回思い出す、思い出のシリーズとなりましたです。
以上、有川浩ばかりを読んでた5月。
全作品制覇したいと意気込んでおります。