◎2016年3月14日~19日
別に自分から進んでタヒチに行きたかったわけではなく、こんな機会がないと、永遠に行くことはないだろうと女房にせっつかれ、渋々ついて行った旅行だった。
「タヒチにはそんなに行きたいとは思わない。オレ、留守番しているから行ってこいよ」。当初から気乗りもしない海外旅行であったため、現地滞在予定の正味4日ですら十分すぎる長さに思えていた。現地情報を調べる気にはなれず、両替のことしか頭になかった。
そんな出発だったが、いざ帰国が近づくと、めったに来ることもないところだ。せめてあと最低2日は加えておけばよかったなぁと少々後悔しはじめた。そして、もっと現地の情報を集めておけばよかったと。
それだけ、滞在するに連れ、タヒチの魅力を感じるようになっていた。
回った先はモーレア島とタヒチ島。それぞれ3泊、1泊だった。もっと日数があれば、他の島にも行ってみたかった。ボラボラとかハート型のツパイという島も素晴らしいようだ。タヒチからさらに5時間もかければイースター島にも行ける。自分にはむしろそちらの方に悔いが残ってしまった。イースター島には行ってみたいと思っていたし。
だが、こんな遠い島に改めて来ることはもうない。おそらく。その時にできなきゃ、それでもうおしまいというものだ。
元々、海外旅行には趣味はあって、子供が小さい頃は好き勝手に山に行くのは我慢して、せっせと家族で海外旅行に出かけていた。
子供が長ずるに連れ、こちらは一抜けたで山に戻り、女房と娘らは海外旅行をいまだに楽しんでいる。「もうそんなに海外に行きたいとは思わない。たまに仕事で出かける台湾で十分だよ」。以降、自分の海外旅行は、せいぜい数年前にベトナム、カンボジアに一人で出かけてみたくらいのもので、今回は久しぶりに家族と行く旅行になった。
山歩きのブログに余計なこととは思ったが、今回のつたない経験を元にタヒチのことをつい記したくなってしまった。
(タヒチが近づく)
(タヒチ島のパペーテ国際空港)
(タヒチ島の教会)
タヒチはフランス領ポリネシア。フランスの海外領土ということになる。公用語はタヒチ語とフランス語だが、片言の英語を話せれば、日本人旅行者に何ら不自由はない。
ハワイもまた同じポリネシアエリアになるが、音楽、踊りに似たようなものがあったのには、無知で出かけた自分には驚きでもあった。
圧倒的にフランスからの観光客が多く、続いてアメリカ、中国、日本人といったところだろうか。帰りの成田行きの飛行機の旅客の2/3程は中国人で、それでいて、機内のアナウンスはフランス語、英語、日本語のみ。そのうち、中国語も出てくるかもしれない。
言葉といえば、タヒチ語の「こんにちは:イアオラナ」、「ありがとう:マウルル」、「さようなら:ナナー」くらいは覚えて出かけた方がいいだろう。
(フェリーでモーレア島に向かう)
(モーレア島の海岸)
(そして迫る山)
(水上コテージに泊まる)
つい中国人と間違えられるのか、ホテルの現地人スタッフに「ニーハオ」と声をかけられ、訂正の意味で「コンニチワ」と返したら、ずっと恐縮され、このメガネでカメラをぶらさげた古典的スタイルのジャパニーズが特徴づけられたのか、会う度に頭を下げられてしまうことになった。大方、間違えられたことに憤慨した日本人観光客がいたのだろう。そういうのに限って、白人の欧米人はゲルマンもスラブもなく、すべて一緒くたに見えているのではないのか。自分とて見た目の違いはわからない。
(水カキの付いた黒い鳥。人馴れしている)
(なぜか野生のニワトリが島のあちこちにいた)
(ヒナノビールを飲み)
(夜を迎えて)
(右にブタの姿蒸しがあったり)
(タヒチの踊りを見たりして)
フランス人旅行者が多いということは、フランスから来やすいということではなく、実際にフランスから来た方に聞くと、ロス経由で20時間かかったとおっしゃっていた。同じポリネシアのニューカレドニアにも共通の感覚で行くのだろうが、フランス人にしてみれば、それ程の時間をかけてまで来る価値のある島ということなのだろう。
どうでもいいことだが、フランスの核実験のほとんどがポリネシアのムルロア環礁等で行われた。フランスにとっては地球の反対側のようなところだ。さもありなんと思ってしまう。
(朝早い時間。この頃が一番過ごしやすい。手前はホテルのプール)
(水族館ではない。シュノーケリングでサメが行き交う)
(そしてエイ)
(色とりどりの海水魚)
(こんなところで潜っている)
日本とタヒチの時差は19時間。これはハワイタイムと同じ。日本の今晩19時が当日深夜の0時になる。
日本からはエア・タヒチ・ヌイ(JALと大韓航空の共同運航となってはいた)が就航しているが、フライト時間は往路11時間、帰路が12時間だった。
この長い飛行時間、自分が行った中で、ロンドンはさらに長かったが、若い頃と今の年とってからの感覚はまるで違い、エコノミークラスのシートではつらく、とにかく腰が痛くなるし、前の座席を倒されたら、トイレに行くのすらきつくなる。エアバス社の飛行機だから少しはましだろうと思って乗り込んだだけに、余計に苦痛の感があった。
帰りは、痛い出費ではあったが、衝動買いのような気分でビジネスクラスにアップグレードした。往路とは格段に違って快適で、寝ているのももったいなく、やたらと映画もみたし、さもしくワインやビールのお代わりもした。ハワイだったら、エコでもきっと我慢できる範囲内だったのではないだろうか。
往路時に本を2冊は読めるのではないかと機内に持ち込んだが、とてもじゃないが、狭い、痛いでそんな気分にはなれず、往復でようやく1冊読み切ったといった具合だった。また、落語もかなり録音していったが、可楽の演目を二つ聞いただけで終わってしまった。
(人の住んでいない小島で)
(この島の海もきれいだった)
タヒチのこの時期は終わりかけの雨季ではあるが、激しいスコールはなく、弱い霧雨が若干あるくらいだった。連日30度の高温多湿。紫外線は強く、日焼け止めをいくら塗りたくっても、肌の露出部分は真っ赤になってしまい、暑い湯につかるのがしんどかった。
夜のうちは生ぬるいというか、日中ほどの暑さはないが、陽が昇り出すと一気に暑くなってくる。朝の早い時間が一番過ごしやすい時間帯だった。
(4WDツアーで山の中腹に行く)
(こちらは街並みの眺め)
(後ろを振り返ると険しそうな山々が)
(これが4駆の車だが、右に女房と2人だけで乗った)
(現地通貨のコインに描かれている山)
(角度を変えて)
(ヤギと馬をよく見かけた。かわいくないワンコもかなり寝そべっていた)
海はきれいだが遠浅ではない。環礁に限らず、外からの色違いのところを覗き込むと、急な斜面状の落ち込みになっていた。これは、島嶼には当たり前のことだろうが。
比較の対象はさほどのものではないが、自分にはモルディブの海の印象が強烈で、あの素晴らしさをタヒチの海は越えるのではと期待したが、タヒチの海も他と同じで、幅広のきめ細かな砂浜がずっと続くといった光景は、少なくとも今回行ったところで見ることはなかった。
(マグロの刺身。箸付き)
(静かな朝の海)
(南の島らしい花)
(イルカと戯れる)
(ベランダからパンくずを投げるとすぐに集まって来る)
モーレア島は自然の宝庫で、標高はせいぜい900m程度ではあるが、島の中央部には険峻な峰が続いている。オプショナルツアーにハイキングというのがいくつかあった。あの暑さでは、1時間も歩けば熱中症になるかもしれない。
その代わり4WDツアーを体験し、蚊に刺されまくりながら、山の自然にちょっとばかり触れ、上からの海の眺めを楽しんだ。しかし、上に行くほどに暑くなるのには閉口した。ちなみにその時の運転手さんは日本人の感覚からすれば70歳近いバアチャンで、トラックの荷台に乗せられ、何とも派手な運転さばきで、腰がえらく痛かった。
それに比べると、空港のあるタヒチ島の方はいささか騒々しいところで、交通量も多く、ちょっと落ち着かないところがある。
(結婚式の準備をしている)
(これが会場)
(そして、結婚式が始まった。実はこれ、娘。結婚式にくっついて来たというわけだ。教会で挙げると思っていたが、まさか砂浜で結婚式とは。まぁ、クリスチャンでもないのだからいいけど)
現地の人は働き者が多いように見受けられた。南国らしく、その辺でぶらぶらしている人の姿はあまり見かけなかった。
それにしても、欧米系の体質なのか、ことに女性については、総じて、年配の方は太った方が多く、若い年代はスリムだ。境目は30代だろう。男性は、相撲取りでいえば曙のような顔つき、体型の人が随分と目についた。
女房の体型は半端でなく太いが、その日本人デブがフランス人女性やら現地女性の間に入ると埋没してしまい、むしろやや太め程度にしか見えないのは何ともおかしなものであった。
(カヌーを漕いでみたりして)
(霧雨の後の虹)
(陽が沈む)
通貨はフレンチ・パシフィック・フランというらしい。商品に表示された価格がそのまま円にしてもいい感覚だろうか。それでいくと、タヒチの物価は高いのかもしれない。つまり、日本とほぼ同じ価格、もしくはちょっと高い。あっこれ安い、と思うようなものは目につかなかった。
現地の方の収入はそれほどのものではなかろう。食料の調達はどうしているのだろうか気になった。車窓から覗く限り、食料店といったら、スーパー以外に露天の果物類を扱う店しか見えず、コンビニの類もなかった。
地元のスーパーで1000円で売っているものがホテルの売店では4000円と表示されているのも珍しくはなかったが、さりとて、スーパーの価格が安いというわけでもない。
(タヒチ島に戻る。明日は帰国か…)
(タヒチ島のホテルから)
(ここでも結婚式をやっていた)
タヒチの食べ物については、日本人の口に合う、合わないは個人の食感によるだろうが、小粒ながらもご飯もある。ホテルでの朝食には、キッコーマンのインスタントみそ汁も置いてあった。一見の旅行者がポリネシアだからといった特別な味付けやおかしな料理を食べさせられるようなことはなかった。
食事が飽きるだろうと、一応、インスタントラーメンと味噌汁を持っていったが、それぞれ一つずつ食べただけ。この程度の滞在では、なければないで済ませられる。
マグロの刺身や寿司を食べる機会があった。これだけはいただけなかった。醤油そのものがなく、醤油とわさびに似せたような、ケチャップのようなタレがいくつか付いていたり、大根のツマの代わりにキャベツが刺身の下に敷いてあったりする。一皿分食べようとするには抵抗もある。スーパーで扱っている刺身も同じ盛り付けがなされていた。躊躇するなら、そのまま味なしで食べた方がいいだろう。
ついでだが、タヒチの水はそのままでも飲める。備え付けの水を飲んだ方が無難とされているが、何回か水道の水をそのまま飲みはしたが、腹をこわすことはなかった。
(スーパーまで20分歩いて行ってみた)
(店内)
チップというのが基本的にはない。その辺は日本と同じで、日本人旅行者にはありがたいことだ。ピローマネーも荷物出し入れの際のチップも支払うことはなかった。
海外旅行でよくあることだが、同じホテル滞在で、出てから忘れ物か何かで部屋に戻ったら、ルームの清掃はそのままに、ピローマネーだけは消えていたというのは、あまりいい感じはしないものだ。そんな複雑な心境を味わうことがないだけでも幸いだ。
それでいてホテルのスタッフは皆親切で、現地の方に対し、まず嫌な、印象の悪い思いをすることはなかった。
(タヒチの海にお別れということに)
まぁ、そんなこんなのどたばたタヒチツアーだった。
(そして、あ~ぁと帰国便に乗る。渋々で始まって渋々で終わった)
元来、旅先できれいな海を見ながらのんびり、温泉に浸かってまったりといった性分ではないが、ここのタヒチは、もっといればのんびりもできたのになぁと心残りになってしまった。
海外旅行をするなら、今度はカンボジアの延長でミャンマーかラオスにするだろう。それも一人で。タヒチを選ぶことはあるまい。短いツアーではあったが、印象深い旅行であった。
別に自分から進んでタヒチに行きたかったわけではなく、こんな機会がないと、永遠に行くことはないだろうと女房にせっつかれ、渋々ついて行った旅行だった。
「タヒチにはそんなに行きたいとは思わない。オレ、留守番しているから行ってこいよ」。当初から気乗りもしない海外旅行であったため、現地滞在予定の正味4日ですら十分すぎる長さに思えていた。現地情報を調べる気にはなれず、両替のことしか頭になかった。
そんな出発だったが、いざ帰国が近づくと、めったに来ることもないところだ。せめてあと最低2日は加えておけばよかったなぁと少々後悔しはじめた。そして、もっと現地の情報を集めておけばよかったと。
それだけ、滞在するに連れ、タヒチの魅力を感じるようになっていた。
回った先はモーレア島とタヒチ島。それぞれ3泊、1泊だった。もっと日数があれば、他の島にも行ってみたかった。ボラボラとかハート型のツパイという島も素晴らしいようだ。タヒチからさらに5時間もかければイースター島にも行ける。自分にはむしろそちらの方に悔いが残ってしまった。イースター島には行ってみたいと思っていたし。
だが、こんな遠い島に改めて来ることはもうない。おそらく。その時にできなきゃ、それでもうおしまいというものだ。
元々、海外旅行には趣味はあって、子供が小さい頃は好き勝手に山に行くのは我慢して、せっせと家族で海外旅行に出かけていた。
子供が長ずるに連れ、こちらは一抜けたで山に戻り、女房と娘らは海外旅行をいまだに楽しんでいる。「もうそんなに海外に行きたいとは思わない。たまに仕事で出かける台湾で十分だよ」。以降、自分の海外旅行は、せいぜい数年前にベトナム、カンボジアに一人で出かけてみたくらいのもので、今回は久しぶりに家族と行く旅行になった。
山歩きのブログに余計なこととは思ったが、今回のつたない経験を元にタヒチのことをつい記したくなってしまった。
(タヒチが近づく)
(タヒチ島のパペーテ国際空港)
(タヒチ島の教会)
タヒチはフランス領ポリネシア。フランスの海外領土ということになる。公用語はタヒチ語とフランス語だが、片言の英語を話せれば、日本人旅行者に何ら不自由はない。
ハワイもまた同じポリネシアエリアになるが、音楽、踊りに似たようなものがあったのには、無知で出かけた自分には驚きでもあった。
圧倒的にフランスからの観光客が多く、続いてアメリカ、中国、日本人といったところだろうか。帰りの成田行きの飛行機の旅客の2/3程は中国人で、それでいて、機内のアナウンスはフランス語、英語、日本語のみ。そのうち、中国語も出てくるかもしれない。
言葉といえば、タヒチ語の「こんにちは:イアオラナ」、「ありがとう:マウルル」、「さようなら:ナナー」くらいは覚えて出かけた方がいいだろう。
(フェリーでモーレア島に向かう)
(モーレア島の海岸)
(そして迫る山)
(水上コテージに泊まる)
つい中国人と間違えられるのか、ホテルの現地人スタッフに「ニーハオ」と声をかけられ、訂正の意味で「コンニチワ」と返したら、ずっと恐縮され、このメガネでカメラをぶらさげた古典的スタイルのジャパニーズが特徴づけられたのか、会う度に頭を下げられてしまうことになった。大方、間違えられたことに憤慨した日本人観光客がいたのだろう。そういうのに限って、白人の欧米人はゲルマンもスラブもなく、すべて一緒くたに見えているのではないのか。自分とて見た目の違いはわからない。
(水カキの付いた黒い鳥。人馴れしている)
(なぜか野生のニワトリが島のあちこちにいた)
(ヒナノビールを飲み)
(夜を迎えて)
(右にブタの姿蒸しがあったり)
(タヒチの踊りを見たりして)
フランス人旅行者が多いということは、フランスから来やすいということではなく、実際にフランスから来た方に聞くと、ロス経由で20時間かかったとおっしゃっていた。同じポリネシアのニューカレドニアにも共通の感覚で行くのだろうが、フランス人にしてみれば、それ程の時間をかけてまで来る価値のある島ということなのだろう。
どうでもいいことだが、フランスの核実験のほとんどがポリネシアのムルロア環礁等で行われた。フランスにとっては地球の反対側のようなところだ。さもありなんと思ってしまう。
(朝早い時間。この頃が一番過ごしやすい。手前はホテルのプール)
(水族館ではない。シュノーケリングでサメが行き交う)
(そしてエイ)
(色とりどりの海水魚)
(こんなところで潜っている)
日本とタヒチの時差は19時間。これはハワイタイムと同じ。日本の今晩19時が当日深夜の0時になる。
日本からはエア・タヒチ・ヌイ(JALと大韓航空の共同運航となってはいた)が就航しているが、フライト時間は往路11時間、帰路が12時間だった。
この長い飛行時間、自分が行った中で、ロンドンはさらに長かったが、若い頃と今の年とってからの感覚はまるで違い、エコノミークラスのシートではつらく、とにかく腰が痛くなるし、前の座席を倒されたら、トイレに行くのすらきつくなる。エアバス社の飛行機だから少しはましだろうと思って乗り込んだだけに、余計に苦痛の感があった。
帰りは、痛い出費ではあったが、衝動買いのような気分でビジネスクラスにアップグレードした。往路とは格段に違って快適で、寝ているのももったいなく、やたらと映画もみたし、さもしくワインやビールのお代わりもした。ハワイだったら、エコでもきっと我慢できる範囲内だったのではないだろうか。
往路時に本を2冊は読めるのではないかと機内に持ち込んだが、とてもじゃないが、狭い、痛いでそんな気分にはなれず、往復でようやく1冊読み切ったといった具合だった。また、落語もかなり録音していったが、可楽の演目を二つ聞いただけで終わってしまった。
(人の住んでいない小島で)
(この島の海もきれいだった)
タヒチのこの時期は終わりかけの雨季ではあるが、激しいスコールはなく、弱い霧雨が若干あるくらいだった。連日30度の高温多湿。紫外線は強く、日焼け止めをいくら塗りたくっても、肌の露出部分は真っ赤になってしまい、暑い湯につかるのがしんどかった。
夜のうちは生ぬるいというか、日中ほどの暑さはないが、陽が昇り出すと一気に暑くなってくる。朝の早い時間が一番過ごしやすい時間帯だった。
(4WDツアーで山の中腹に行く)
(こちらは街並みの眺め)
(後ろを振り返ると険しそうな山々が)
(これが4駆の車だが、右に女房と2人だけで乗った)
(現地通貨のコインに描かれている山)
(角度を変えて)
(ヤギと馬をよく見かけた。かわいくないワンコもかなり寝そべっていた)
海はきれいだが遠浅ではない。環礁に限らず、外からの色違いのところを覗き込むと、急な斜面状の落ち込みになっていた。これは、島嶼には当たり前のことだろうが。
比較の対象はさほどのものではないが、自分にはモルディブの海の印象が強烈で、あの素晴らしさをタヒチの海は越えるのではと期待したが、タヒチの海も他と同じで、幅広のきめ細かな砂浜がずっと続くといった光景は、少なくとも今回行ったところで見ることはなかった。
(マグロの刺身。箸付き)
(静かな朝の海)
(南の島らしい花)
(イルカと戯れる)
(ベランダからパンくずを投げるとすぐに集まって来る)
モーレア島は自然の宝庫で、標高はせいぜい900m程度ではあるが、島の中央部には険峻な峰が続いている。オプショナルツアーにハイキングというのがいくつかあった。あの暑さでは、1時間も歩けば熱中症になるかもしれない。
その代わり4WDツアーを体験し、蚊に刺されまくりながら、山の自然にちょっとばかり触れ、上からの海の眺めを楽しんだ。しかし、上に行くほどに暑くなるのには閉口した。ちなみにその時の運転手さんは日本人の感覚からすれば70歳近いバアチャンで、トラックの荷台に乗せられ、何とも派手な運転さばきで、腰がえらく痛かった。
それに比べると、空港のあるタヒチ島の方はいささか騒々しいところで、交通量も多く、ちょっと落ち着かないところがある。
(結婚式の準備をしている)
(これが会場)
(そして、結婚式が始まった。実はこれ、娘。結婚式にくっついて来たというわけだ。教会で挙げると思っていたが、まさか砂浜で結婚式とは。まぁ、クリスチャンでもないのだからいいけど)
現地の人は働き者が多いように見受けられた。南国らしく、その辺でぶらぶらしている人の姿はあまり見かけなかった。
それにしても、欧米系の体質なのか、ことに女性については、総じて、年配の方は太った方が多く、若い年代はスリムだ。境目は30代だろう。男性は、相撲取りでいえば曙のような顔つき、体型の人が随分と目についた。
女房の体型は半端でなく太いが、その日本人デブがフランス人女性やら現地女性の間に入ると埋没してしまい、むしろやや太め程度にしか見えないのは何ともおかしなものであった。
(カヌーを漕いでみたりして)
(霧雨の後の虹)
(陽が沈む)
通貨はフレンチ・パシフィック・フランというらしい。商品に表示された価格がそのまま円にしてもいい感覚だろうか。それでいくと、タヒチの物価は高いのかもしれない。つまり、日本とほぼ同じ価格、もしくはちょっと高い。あっこれ安い、と思うようなものは目につかなかった。
現地の方の収入はそれほどのものではなかろう。食料の調達はどうしているのだろうか気になった。車窓から覗く限り、食料店といったら、スーパー以外に露天の果物類を扱う店しか見えず、コンビニの類もなかった。
地元のスーパーで1000円で売っているものがホテルの売店では4000円と表示されているのも珍しくはなかったが、さりとて、スーパーの価格が安いというわけでもない。
(タヒチ島に戻る。明日は帰国か…)
(タヒチ島のホテルから)
(ここでも結婚式をやっていた)
タヒチの食べ物については、日本人の口に合う、合わないは個人の食感によるだろうが、小粒ながらもご飯もある。ホテルでの朝食には、キッコーマンのインスタントみそ汁も置いてあった。一見の旅行者がポリネシアだからといった特別な味付けやおかしな料理を食べさせられるようなことはなかった。
食事が飽きるだろうと、一応、インスタントラーメンと味噌汁を持っていったが、それぞれ一つずつ食べただけ。この程度の滞在では、なければないで済ませられる。
マグロの刺身や寿司を食べる機会があった。これだけはいただけなかった。醤油そのものがなく、醤油とわさびに似せたような、ケチャップのようなタレがいくつか付いていたり、大根のツマの代わりにキャベツが刺身の下に敷いてあったりする。一皿分食べようとするには抵抗もある。スーパーで扱っている刺身も同じ盛り付けがなされていた。躊躇するなら、そのまま味なしで食べた方がいいだろう。
ついでだが、タヒチの水はそのままでも飲める。備え付けの水を飲んだ方が無難とされているが、何回か水道の水をそのまま飲みはしたが、腹をこわすことはなかった。
(スーパーまで20分歩いて行ってみた)
(店内)
チップというのが基本的にはない。その辺は日本と同じで、日本人旅行者にはありがたいことだ。ピローマネーも荷物出し入れの際のチップも支払うことはなかった。
海外旅行でよくあることだが、同じホテル滞在で、出てから忘れ物か何かで部屋に戻ったら、ルームの清掃はそのままに、ピローマネーだけは消えていたというのは、あまりいい感じはしないものだ。そんな複雑な心境を味わうことがないだけでも幸いだ。
それでいてホテルのスタッフは皆親切で、現地の方に対し、まず嫌な、印象の悪い思いをすることはなかった。
(タヒチの海にお別れということに)
まぁ、そんなこんなのどたばたタヒチツアーだった。
(そして、あ~ぁと帰国便に乗る。渋々で始まって渋々で終わった)
元来、旅先できれいな海を見ながらのんびり、温泉に浸かってまったりといった性分ではないが、ここのタヒチは、もっといればのんびりもできたのになぁと心残りになってしまった。
海外旅行をするなら、今度はカンボジアの延長でミャンマーかラオスにするだろう。それも一人で。タヒチを選ぶことはあるまい。短いツアーではあったが、印象深い旅行であった。
サンゴ礁が2重3重と島の周りを囲っているので、ハワイやフィリピンとは違う感じの島。
娘さんに感謝ですね、行く機会を作ってくれたのだから。結婚式も日本では出来ない体験、ポリネシアンの姿を見ると思い出すようになるのでしょうね。
小島は無人島ではなく、裏の方に行くと、汚い小屋があって、ヒヨコが沢山歩いていたり、犬が出て来たり、管理者がいるみたいですよ。人懐っこいエイがいませんでしたか?なでなでしてあげた覚えがあります。
懐かしい画像、色々と思い出しました。あの青い海は、気分が爽快になります。
K女さんもタヒチに行かれましたか。私なんかと違って、K女さんはあちこち行かれているので、いろいろと比較はできるのでしょうね。私はハワイは知っていても、フィリピンの海は知りませんわ。
グアム、サイパンとは比較の対象外でしたけどね。
残念ながら、クジラは見ることがありませんでしたね。期待はしていたのですが。ボートで追いかけですか。そりゃ、あぶない気がいたしますけど。
あの小島には管理人がいるのですか。バーベキュー施設があったので、そんな島かと思っていましたが。ニワトリはいましたね。おそらく、2年前のそのヒヨコがああなったのではないでしょうか。エイは見ませんでしたけど。
しかし、タヒチの人たち、そこいらにいるニワトリを捕まえては食用にしているのでしょうか。ちょっと気になりましたよ。
まぁ、娘に感謝といえば確かにそうですが、直前まで本当に行くのが嫌で、自分だけ別の所に行こうかと思ったりしていたくらいですよ。
思い切って行ったはいいですが、日数不足で半端に終わったのが何とも残念です。
気乗りがしないけど、行ってみたら十分楽しめたって、たそがれさんらしいですが、私が同じ立場だったら、同じ印象を持ったと思いました。
画像。どれも素晴らしいですね、空気が違うのか、光が日本と違うのですかね。
海や飛行機絡みの写真、夕日、虹の写真、特に良かったです。
ななころびは、海外旅行はほぼ無縁な人生ですが、行ってみたくもなりました。
いつも以上にシャープな写真に見入ってしまいました。
普段木くずまみれのお方が、まさかのご旅行に驚きましたのですが、娘さんのご結婚がらみとの種明かしに、なるほどと思いつつ、最後にカンボジア、ミャンマー、ラオスとは、さらなる驚きと、あいなりました。
ななころびさん同様、自分には海外旅行は無縁ですが、今回の記事は目の保養になりましたです。
なにはともわれ、娘さんの件、おめでとうございます。
タヒチの写真、無粋ながらこんな遠くの島に現代の建築するための資材はどうやって運んでくるのか、船なんだろうけど大変だろうなとか思いました。
海といえば磯辺のイキモノの観察が好きなのですがタヒチはウニとかがいそうな磯辺はないんでしょうか。
妙な形の山々、興味をそそられますが得体の知れない虫や動物がいてうかつに踏み込めないんでしょうね。
タヒチは観光のために現地の結婚式見学できるのかなと見ていたらそういう流れでしたか。おめでとうございます。
たまには海外旅行もいいでしょう。よほどの趣味がないと、出かけるまでかなり億劫ですが。
現に、地元発のバスで成田まで直通で行ったとはいえ、気分的に何とも長かったこと。さらに飛行機に乗るまでのだらだらした時間、消極的に行く立場には苦痛でしかありませんでした。
まぁ、行ってからがっかりが続いていれば、正味四日でも我慢ならなかったでしょうが、意に反したところだったもので、面食らったというか、長居したくなったものですよ。
画像の件、ありがとうございます。被写体が良ければ、どんなカメラでもきれいに写るものかと思います。
そうそうあるものでもありませんが、機会がありましたら、場所をじっくりと選んで行ってみてくださいな。行って帰って後悔しないように。
木くずまみれというか、前日に地下タビを履いて牛の臭いをかぎながらヤブを歩いたり、用足ししているわけですから、こういった光景には本来なら縁遠い立場でしょう。
かつての趣味とはいえ、自分には、やはりこんな海外旅行はお客さんスタイルですよ。サイパンやグアムと違って、タヒチはちょっとばかり梯子が高かったです。実際に行ってみたらそうでもなかったですけど。
ラオス、ミャンマーは、カンボジアの空気を嗅いだ自分が行くには見合ったところだと思っているのですが、実は昨年、行こうと思いながら、資料集めだけで終わっています。
いずれは行きたいと思っているのですが、行ったとしても、旅行社のセットツアーになるでしょう。
海外出張を命じられ、会社を辞めたくなる。そのお気持ち、よく分かりますよ。
中国ではなく、こちらは台湾ですが、いまでこそ仕事で10回近くは行ってますが、最初の時は嫌で嫌で、まさに辞めたくなったものです。
タヒチはいわばフランスの植民地ですから、みすぼらしい島のままにしてもおけなかったのではないですか。建築資材は本国から運ぶか、最寄りの島の自然が犠牲になったとか。
ウニですか。自分は見なかったですが、日本人観光客が、ウニがいると騒いでいるのは聞きましたよ。ただ、そのまま採って食べられるようなウニなのか。グロテスクなナマコは何本か見ましたよ。
タヒチではヤモリをよく見かけましたけど、得体の知れない動物はいないようですよ。ただ、人里を離れた山の中腹は映画に出てきそうな密林のようなところもあって、入り込んだら、出て来られないんじゃと思いもしました。それ以前に、30分も山の中を歩いていたら身体の水分が消えますよ。
本当の行きたくない理由は、娘さんの花嫁姿を見たくなかった・・なんてことだったりして(笑)
私も昔は海外旅行ばかり行ってなぁ~と懐かしく読ませていただきました。
既に30年も前の話しでして、ツアーではなくその頃では少なかった個人旅行ばかりでした。
いつもと色合いの違った画像が新鮮に感じます。