たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

まさかの台風接近の奄美大島へ。~その3~

2019年07月30日 | 奄美の山と滝
◎2019年7月18日(木)~20日(土)

【三日目・20日・最終日】

(目覚めると空に青いのが…)


 カーテンを開けると黒い雲の中から青い空が覗いていた。ちっぽけな青空だが、奄美に来て初めて見た。テレビをつけると、台風は進路を変えて朝鮮半島に向かっているとのこと。台風からは逃れられたようだ。Vanilla Airのフライト時刻は13時55分。12時にレンタカーを返して、空港で昼食にすればいい。失礼ながら、奄美の土産に相手が喜びそうなものはない。ショッピングタイムをわざわざ設定することはない。まして、奄美に行くことは妻以外だれも知らない。
 簡単に朝食を済ませて荷造りをする。スーツケースはヤマト預けだ。精算するものは何もない。チェックアウトでキィを返すだけ。今日は空港方面の北側海岸巡りだが、その前に逆方向の大浜海浜公園を見ておきたい。

(大浜海浜公園1)


(大浜海浜公園2、波はまだ荒れている)


(大浜海浜公園3。海辺にガジュマルが続く)


(大浜海浜公園4。園内に)


(大浜海浜公園5。園内で)


(大浜海浜公園6。園内で)


(大浜海浜公園7。園内で)


(大浜海浜公園8。園内で)


(大浜海浜公園9)


 大浜に到着。空は確実に明るくなっていて、黒い雲も消えた。まだ8時を過ぎたばかりなのに、外人夫婦が浜辺で散歩していて、海を見ていて我慢ができなくなったのか、ダンナの方が服を脱いで泳ぎ出した。もちろん海パンの用意はしていたようだ。波はまだ強い。海岸にはガジュマルが続いている。周囲も整備され、海浜公園にふさわしい風景だ。海洋展示館の方まで歩いてみた。南国らしい花がいろいろ咲いていた。自分はハイビスカスしか知らない。

(戻る途中の高台から大浜海浜公園)


(同じく。ただ望遠にしただけだが)


 何とか満足して空港方面に向かう。昨日もこんな気分で一日がスタートしていれば、その後の行動も違ったろう。宿泊したホテルの近くを通過してヤマトへ。今日は土曜日だし、火曜日の配達かと思ったら、何やら、便が欠航したとかで、水曜日着とのこと。欠航とは鹿児島までの船のことなのか、飛行機のことなのかは聞かなかった。参考までに聞いておけばよかった。
 ここだけは見ておきたいというスポットは特別にはない。北端の笠利崎灯台まで行けば忙しくなりそうだ。ビーチの看板があったら立ち寄る。それでいい。グルメ無料券は使わずにいる。参考までにナビで探したが該当する店名も住所でも出てこない。無理に使うこともあるまい。Googleマップには出てくるだろうが、何か面倒くさい。そんな時間があるなら一つでも多く回りたい。

 持参した観光ガイドブックを見て、蒲生崎観光公園にナビをセットした。海岸伝いに走っていると、「西郷南洲流謫跡」という看板が目に入った。寄り道をする。大河ドラマの<西郷どん>は欠かさずに見ていた。流謫なんて言葉を知らず、スマホで調べる。罪によって遠方に流されることとあった。流罪と変わらない。奄美でやがて西田敏行役となる子供をつくっている。その西郷どんが蟄居していたところはどんなところだったのだろう。そういえば、あの番組でオープニングに出てきた滝は鹿児島の滝で「湯川の滝」というそうだが、自分では気づかなかったがフナンギョの滝も一瞬出ていたようだ。ミーハー的だが、その湯川の滝も見てみたいもの。これもまた余談。湯川の滝をネットで調べると、「パワースポット」なる言葉が出てきた。これも先の「マイナスイオン」と同じく、自分には訳のわからない言葉だし、滝にイオン滝とパワー滝でもあるのか。

(西郷どんの流謫跡。施錠されているし、近くに案内所みたいなものもない)


(覗き込んで。左奥に茅葺の屋根が見える)


(すぐ近くの海岸。正面は鹿児島方面になる)


 駐車場に車を置いて歩いてすぐのところに流謫跡はあった。ここは私有地なのか門に「龍」という表札のようなものが埋め込まれ、中は公園風のようだが施錠されて中には入れないようになっている。今9時42分だから、10時開門かもしれない。でも、そこまで熱心にもなれない。周辺をうろつく。海は近い。だがここは漁港になっている。かろうじて砂浜があった。ここから鹿児島方面を眺めたところで特段の景観が開けているわけでもない。背後には山が迫っている。ここで西郷は望郷の念を抱いたのだろうか。

(途中で)


(サトウキビ畑)


(蒲生崎展望台に向かって歩いている。左に下ると神社。神社にはこの先からでも行ける)


 戻って蒲生崎に向かう。ナビがやたらと狭い道を行かせる。これしかないのか。サトウキビ畑を抜けてクネクネ行くと、高台の駐車場に出た。ここに蒲生公園、展望台、蒲生神社入口と記されたゲートがあった。結局、ここでもだれとも会わなかった。神社があったりするから地味なスポットなのだろう。
 かなり暑くなっているが、同じ暑さでも昨日までのとは違う。湿気は感じずカラッとしている。歩道を行くと、左に蒲生神社の鳥居が見えた。神社そのものはそこから下るようなので、まっすぐに展望台に向かう。ここから見える海は大浜海浜公園と同様に東シナ海だ。

(展望台から1。これは東シナ海)


(展望台から2)


 展望台に立つ。右手の半島の突端が笠利崎のようだ。広々として良い眺めではある。だが、昨日までの天気とは違うんだし、もっと海の色がきれいであってもいいのになぁと思った。大浜海浜公園を見た後だったからか、それとも未熟なのか、カメラが悪いのか、撮った写真の海の色は青々とはしていず、くすんだ色の海になっていて、どこででも見られる海だ。そういう海かと思ったが、ネットで見た海はもっときれいな海になっていた。違うところは、それが青空の下なのに対し、今は薄曇の天気であること。

(蒲生神社1)


(蒲生神社2)


(蒲生神社3)


 せっかくだから神社に下ってみた。尻尾が青いトカゲが横切る。見たこともなかったので奄美の固有種かと思ったが、とこにでもいるニホントカゲの幼体も尻尾が青いらしいからどちらなのか自分には判断できない。
 狛犬も置かれていて形式としては日本の神社だが、その狛犬の顔付きはユーモラスで、守護でもしているような石像が二体置かれている。この蒲生神社だが、壇ノ浦の戦いで奄美大島に落ち延びて来た三人の平氏一門(これはあくまでも伝説)を源氏から守るために、東シナ海側に今井権太夫と蒲生左衛門を配置した。その蒲生左衛門を祀ったのがこの蒲生神社であり、ここから南西の岬には今井神社があるらしい。

(名もない途中の海岸で1)


(名もない途中の海岸で2)


(名もない途中の海岸で3。いくつか土産にした)


(名もない途中の海岸で4)


 東側の用海岸に出る。空港までは一本道で南下するだけになってしまった。途中、路肩に車を置いて海岸に出てみる。ここで集めた石を5個、自分の土産にする。ようやく上空の雲も薄くなり、遠浅の海の薄いブルー色も感じるようになった。もう11時20分。レンタカーを返すつもりの12時まであと40分しかない。このまま空港に行っても、ナビタイムは30分もかからないが、何ともない海岸でつい長居をしてしまった。

(あやまる岬から1)


(あやまる岬から2。下はグラウンドゴルフのコースになっている。奄美では盛んなのだろう。だとすれば高齢化が進んでいる島ということか)


(あやまる岬から3)


 あやまる岬。駐車場からちょっと歩いた。「奄美十景」のスポットらしい。海岸に下りたいが時間が押している。まして、ここに至るまでに道を間違えてグラウンドゴルフ場に出てしまっていた。写真を撮って終わり。何とももどかしい。予定外のあやまる岬だった。この天気ではと、蒲生崎の次は土盛海岸の予定でいた。西郷どんの幽閉先も、あやまる岬も予定外だった。ところで、奄美十景というのをここで初めて知ったが、調べると、朝一で行った大浜海浜公園(「東洋一のサンセット」とあった)や湯湾岳から見る夕景といったのも入っていた。今回は行ってはいても内容が伴っていない。

(土盛海岸1)


(土盛海岸2)


(土盛海岸3)


(島バス。素っ気ない。普通の地域バスはゴチャゴチャな模様やらゆるキャラが入るものだが)


 時間も切羽詰まった中で土盛海岸に道を逸れて入り込む。白砂の期待通りの砂浜だった。できれば、半日ここで冷たいオリオンビールでも飲みながら横になって過ごしたい。眺めているだけで満足だ。ここで正午。タイムアウト。空港に向かうと、前を島バスがゆっくりと走っている。乗客はいない。

 レンタカーは満タン返却。空港前を通過して給油。走行325km、補給21.5リットルだった。1200ccの車ながらもエアコンガンガン、アップダウン道の繰り返しでリッター15kmはかなりの高燃費だ。そのうちに四駆にこだわることもなくなったら、こんな車に買い替えよう。

(奄美空港)


 目の前に空港があるのに、レンタカー会社が一人乗客を空港まで送ってくれた。機内預けもないし、Vanilla Airは平常運行。自動チェックインをして、空港内にこれしかないと思われるファミレス風のレストランに入る。
 オーダーは生ビールと枝豆。そして何とかスパゲティ(メニューにはパスタではなくスパゲティとあった)。こんなものでも、自分にはホテルの食事よりはごちそうだ。一人では多すぎる山盛りの枝豆だった。食べ残しはもったいない。スパゲティに混ぜて食べた。

 フライトはかなり乱れている。沖縄や与論島に向かう便はかなり遅れていたり、条件付き運行になっている。成田行きのVanilla Airは平常運行としながらも、折り返し便の到着が遅れたため搭乗開始も出発も20分ほど遅れた。帰路便も窓際だったが、隣にオニイチャンが座った。よほどに遊び疲れたのか、シートに座るや否や寝込んでしまった。成田に着くまでずっと寝ていた。
 成田が近づいた。旋回を続けて着陸態勢になかなか入らない。発着が混雑して後回しにされているのだろう。驚いたのはここから。ようやく着陸すると、空港内を延々と移動して行った。どこまで行ってもターミナルに近づかず、第一ターミナルのかなり先で止まった。こんなところでと思ったが、ここからはバス。このバス移動がまた長い。体感15分近く乗って第三ターミナルに到着した。その間、一般道のようなところも走った。定刻着なら、太田行きのバスに一時間ほどの余裕があった。もう20分しかなくなっていた。チケット売り場まで急いだ。だが、前の外人客がチケット購入に手こずっている。ようやくバスチケットを入手。そこで安泰とはならない。太田行きのバス停はえらく遠く、バス停の始まりから少なくとも200mは歩いた。一番奥だった。タバコを吸いたくて喫煙所をキョロキョロ探していたがまったく目に入らない。ここからバスに乗る客は自分だけ。周囲にだれもいない。マナー無視で吸っちゃおうかと思ったところにバスがやって来た。結局、タバコは奄美空港からずっと我慢となった。
 バスは往路とは逆に第三、第二、第一と停車する。第一までに15人くらい乗ったところで最初の停車地の館林に向けて出発した。おそらく、国内旅行客は自分だけだったろう。別に気にしているわけでもないが、今回初めてLCCの航空会社を利用して、とにかく、歩く、待つ、長いといった印象が残った。今度奄美にまた行くとして、成田でも羽田でも太田からのアクセスはバスとなる。バスに乗ってしまえば同じだ。羽田JALの出発は12時5分、成田Vanillaだと10時40分。この時間の差は大きい。その分、初日を有効活用できるだろう。

 絶えず台風の動きを気にし、すっきりしない景色ばかり眺めていた奄美大島の三日間。自分には、滝を三本しか見られなかったのも心残りであり、加計呂麻島もまた気になる。奄美はこれで終わりというわけにはいくまい。
 今回は深慮もせずに格安ツァーにこだわったが、その時は、すべて自分でセッティングして行くことにしよう。

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