夏がだらだらと長居しているかと思えば、次から次へと台風続き。
その後、限定の短い秋晴れと聞けば、山が我を呼ぶ。
東近江を一望できるらしい繖山を目指した。
裾野にある、安土文芸の郷に車を止めてスタート。
なのだが・・・。
登り口はいくつもあって、そのどれもが全く把握できていない。
周辺の絵地図案内を見るかぎりでは、レストランの裏手から階段が続いている。
駐車場から見あげる頂上と思しきあたりの真下だ。
山に向かって歩き出し、木々の間に見え隠れする階段を発見。
喜び勇んで近づけば、途中に幾つかの踊場をもうけた滑り台のための階段ぽい。
立て札も何もないのが少々腑に落ちないが。
子供の遊び場なんだから安全に違いないと、調子よく上り出した。
ところが。。。
滑り台の終わりと共に階段も途切れていた。
その先は、ただ山の斜面が広がっているだけ。
むき出しの木の根と、石がごろごろ。
道なき不安よりも、息吹き込んだ風船のように冒険心が膨らんだ。
踏み後もなく、誰も好まない進路に思われた。
ところが、あら・・・赤や黄色のテープが枝に結ばれている。
なんだか力がみなぎってきた。
先人がつけた目印をありがたく信じて導かれるままに。
登る途中で何度も振り返ったが、下りるのは絶対無理(人はどうあれ私には)。
上り来たのさえ疑いたくなる極急斜に目がくらみそうだった。
道標などあるはずもなく、どの辺りなのかさえわからない。
ひたすら上を目指すうちに、階段道とまじわった。
それが正規のルートらしい。
風景も足場も変わり、先が見えてきた安堵感をいだく。
だが、ホッとしたのは、ほんの束の間。
行けども行けども伸びる階段。
段差が高すぎて、私の歩幅には到底あわない。
我が身長が足りないだけ、とも言えるが。
また、遊歩道だが低木に覆われ歩き辛い箇所もあった。
階段面に、ふんわりと耕された土場が数え切れなくある。
イノシシが掘り起こしたものなのかしら。
などと思い巡らしているものだから、突然の物音にドキッとする。
よく聞き分ければ、ガサッと枝が落ちた音だったりするから可笑しい。
頂上までの道のりには、きっちりと階段が詰め込まれていた。
後半に差し掛かると、立ち止まりながら息を整えながらのゆっくりペースになる。
しかし、歩き始めた一年前と比べれば、苦痛は激減した。
まさに継続の賜物だ。
山頂で、少々遅いお弁当タイム。
やっと視界が開け、湖国の大パノラマを望む。
雲が邪魔をしなければ、琵琶湖もくっきりと見えただろうに。
標高430mとはいえ、風は冷たさを含んでいた。
ほんの暫くで汗が乾き、寒さが忍び寄ってくる。
慌てて上着を羽織った。
さて後半は、桑實寺方面へ下る。
しばらくして、階段遊歩道から寺の私有地へ分け入った。
石段の裏参道につながっている。
手入れされた様子はない。
口数も少なに、ひたすら石面に足をおろす。
爪先の感覚が鈍くなるが、ここで躓けば・・・と気を引き締める。
石段のゴールが境内への裏口。
ピ~ンポ~ン♪♪ な、な、なんとセンサーが設置されていた。
これで、拝観料の取りこぼしはないってことね。
一回りして振り出しにもどる最短コースゆえ、通らぬわけにはいかない。
とりあえず、本堂をチラッと横目に表参道へ抜けた。
さすがに表だけあって、ていねいに敷きつめられた石段だが。。。
まさか、最後までこれが続くの?!
そのまさかは、まさしく怖ろしい現実で、地上に着く最後の一歩まで階段だった。
荒れ斜面と階段構成のルート。
終わってみれば、二度目はないかなぁ。
いつだって思うこと。
初心者だから、まだまだ知りたい山が沢山あるし。
そのうちに、お気に入りが見つかればいいな。
ひどい筋肉痛に見舞われもせず、疲れを持ち越すでもない。
足腰が鍛えられ、元気になったのは喜ばしいことだ。
去年の今頃は、「山歩き」なんて言葉さえ無縁の私だったのに。
写真をお見掛けしたところ、繖山(きぬがさやま)には危険と思われる階段はなさそうですが、いかがでしたか?
私が先日登った山は、障害物競走か、110メートルハードルか?という階段の出来損ないが並んでいました(怒)
URLに拙ブログのリンクを入れさせていただきました。
石段は侵食もされないし、丸太に比べれば滑り難いからまだ許せるけど、丸太を並べた階段は憤慨ものですよねぇ~
丸太階段の云々は、全く同感です。
凄いというか、惨い写真ですね。
山歩きは、いつから競技になったのでしょう。
憤慨されるのも、よ~くわかります。
繖山の丸太階段は歩幅にあわず、無い方がいいと思われる箇所も多く見られました。