何度も通り過ぎる風景の中に、その佇まいを思い出せずにいた。
見慣れた街並みを、注意深く確認しながら進む。
知らないはずはないのだが。
目印の交差点をしばらく行くと、独特の建物がふいに現れた。
これほどの物を見落としていたなんて。
どう考えても腑に落ちない。
まあ、それはさて置き、予約時間ぴったりだし中へ入りましょう。
竹を上手くあしらい、居酒屋としてはずいぶんお洒落な構えの「田楽」。
一階は、少人数用の個室で構成されているようだ。
出入り口は開いているものの、壁でしっかり仕切られている。
すぐ後ろが衝立やカーテンじゃないのがいい。
外敵から守られた背中は無防備になり、体中の筋肉が緩みだす。
胃の受け入れ態勢も整ったところで。
~田楽弁当~
・刺身二品と他一品 ・ローストビーフ ・里芋の天ぷら ・豆腐の田楽
・小鉢物 ・焼き魚 ・かやくご飯 ・漬物 ・味噌汁 ・デザート
~おばん菜定食~
・北海たこの薄造り ・鶏のごま揚げ ・小鉢物 ・里芋の天ぷら
・かやくご飯 ・漬物 ・味噌汁 ・デザート
小芋と一緒の蓮根の天ぷらは、どうも苦手で後々まで残していた。
が、ひと口噛めば軟らかい~下味もついていてなかなかいける。
さすがは居酒屋のランチ。
皿ごとに、冷酒や焼酎、ワインなどが欲しくなる。
一品メニューも酒類も豊富で、近けりゃ夜も足が向く店だわねぇ。
遠くでよかったかも。
日本茶といただく、デザートの抹茶プリンときな粉プリンはたっぷり盛り。
それと共に、熱々お絞りの交換までしてくれる。
ランチでそこまでの気配りをする店は、そうはない。
お高い店は別として。
そうそう、かやくご飯はお代わり自由だから大食でも満足できるはず。
スタッフの対応にも、おもてなしの心意気を感じる。
とっても素敵ランチだった。
これまでは、いつも店舗の裏側を見る方向から通過していた。
その外観は、何の変哲もない風景の一部としか見えていなかったようだ。
と気付くまでに時間を要したが、店発見時の、狐につままれたような不思議さは解明された。
表の顔は対照的で、速やかに記憶に刻み込まれる独創性がある。
一度見たら、忘れるはずないもんね。
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