「2008年4月」。

題詠blog2008：031～041。

別れぎは撒かれし君の巻きビシに似合ひの忍者スーツを買ふ

茜さすヱヴァ初號機の胎動に綾波レイはルージュをひきぬ

高橋名人すいかほじりてあつめたる種をふくみて連射してをり

岡山できびだんご売つて暮らしたい　まちがへて桃太郎になりたい

アルバムの寫眞をはがすひたむきな過去があなたが散らばつてゐる

何処へでも流れゆくやう愛犬とふるびた船にくらしてをりぬ

定年をむかへし父がスーファミのドラクエＶに嵌まり燃えゐき

木星へむかふ有人ロケットにのりこむ君はゑがほであつた

金持ちの砂漠の王子まひおりて南アルプス天然水買ひ占めてゐき

念入りに捻出された年金が粘土層へと練り込められたり

ああ、どうってことない僕の存在が大きなまちのひとごみに消える

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あふれでる眞水はふひにあたたかく少女のかうをぬらしてをりぬ