部活動。
・何時までも卓球少年あの娘にはシェイクの仁って呼ばれたぜ
・最強の稲妻サーブ繰り出せばバレーボールの引っ掛かる屋根
・おそらくは崩れゆく砂と文芸部のテーブルに残される一片の詩
・卒業式の夕やみに紛れ外されるシャア同好会の部長のマスク
○落下物ご注意下さい。たった今弓道部が秋空を射抜きました
「改作」
落下物にご注意下さい。たった今弓道部が秋空を射抜きました
2010/11/19 穂村弘の歌会。
まちがえて風を信じたベランダの羽毛布団が羽根をひろげた
題詠blog2010:096~100。
交差点ふちどる花は思い出をだれかのために思い出を 咲く
気がつかなければよかったと思います命の換気扇のまわる音
両腕のかわりに羽根をあげましょうという契約書ひろげたら空
青空とそれはイコールだった頃の麦わら帽子が発見される
願わくば二億年後の祝福をゆめみて一人コールドスリープ
うたのわ。
わからない意味の言葉が水槽のさかなの音になつてゆきます
ゆく場所があるのでしょうね明け方の空の東へ飛び立つ鳩は
生涯をかけて僕らはチルチルミチル青い小鳥は近くにいます
届かないひかりの果ての太陽光電池パネルのうつむきかげん
肌と肌をあわせるように大気圏再突入のゆるやかな角度は
高み、高み、昇れば宇宙さえずりの雲雀という名の人工衛星
いつからか地雷のような草原にかわいた涙でうえてゆく 百合
満月のひかりひろがる天空のうさぎの話をしてくれたまえ
悲しいなテーブルの上ふりつもるガラスみたいに砕けた歌が
ほうげきの手をやすめたら内側の誤食しなさい林檎のひかり
人魚姫のころのあなたは身を投げて声が無いのに泣いたと思う
たくさんのたくさんの血のしみついたいずれ手にする赤いティアラを
平面をいきているかの薄っぺらい手と手をつなぎ生きているのか
コンピュータ僕の友達コンピュータ僕の明日を教えておくれ
何かしら僕の明日があるようなしし座流星群の先の先でしょう
観念的な世界があって気がつけば観念のなか泳いでいるの
熱は熱はたまご焼き器の真実の目玉焼きには優しくもない
詳しくは知らないけれど蜥蜴怪人にもたぶん家庭があるのだろうね
お父さんご免ね僕はイケメンで新ライダーオーデション受かっちゃったよ
お父さん僕の手の悪のガガザドバスソードはまだまだとても重たいけれど
怪人の夫の遺品 泣きぬらす妻は悪のガガザドバスソード手にしてをりぬ
つまり正義は多数決 排除されたショッカー蜥蜴怪人の幼子は泣く
あをによしならばあなたの体温をわたしの肌にわけてください
通販で買うスライサーうすくうすく僕のからだを削りながら 夜明け
海面に目を合わせれば世界はふたつひろがる青とみえない黒と
つめたさの肌をあわせてあの海のテトラポッドはよりそいあって
奥深く突き刺さる陰を優しげな釘ぬきのように抜いてゆく
浮いてくるトマトを沈める外部から圧倒的な放漫だった
星ひとつおちてゆきます嘘つきなあなたの前をかがやきながら
心無しか冷たいのだろう手を手をつなごうとする冬のはじまり
ブラジルで生まれたはずの豆が放つのは南国のかおりと温
マフラーを見つけそこねた明け方はどうしようもなく細いくびすじ
掌のあたため方を真夜中のロイヤルミルクティーなら知っている
いずれは朽ちてゆく大木の根元に苔はうれしそうに輝いている
ゆくえ不明の鳩がおります夕刻にオペラ座辺りで見かけましたか
たちあがる塔がどこかにあるならば手をふりながらおはようを言う
純水のボウルにひたす純粋なテーブルクロスになれない布を
おそらくは鳥になれない夕やみに漂うだけの羽毛をつかむ
・何時までも卓球少年あの娘にはシェイクの仁って呼ばれたぜ
・最強の稲妻サーブ繰り出せばバレーボールの引っ掛かる屋根
・おそらくは崩れゆく砂と文芸部のテーブルに残される一片の詩
・卒業式の夕やみに紛れ外されるシャア同好会の部長のマスク
○落下物ご注意下さい。たった今弓道部が秋空を射抜きました
「改作」
落下物にご注意下さい。たった今弓道部が秋空を射抜きました
2010/11/19 穂村弘の歌会。
まちがえて風を信じたベランダの羽毛布団が羽根をひろげた
題詠blog2010:096~100。
交差点ふちどる花は思い出をだれかのために思い出を 咲く
気がつかなければよかったと思います命の換気扇のまわる音
両腕のかわりに羽根をあげましょうという契約書ひろげたら空
青空とそれはイコールだった頃の麦わら帽子が発見される
願わくば二億年後の祝福をゆめみて一人コールドスリープ
うたのわ。
わからない意味の言葉が水槽のさかなの音になつてゆきます
ゆく場所があるのでしょうね明け方の空の東へ飛び立つ鳩は
生涯をかけて僕らはチルチルミチル青い小鳥は近くにいます
届かないひかりの果ての太陽光電池パネルのうつむきかげん
肌と肌をあわせるように大気圏再突入のゆるやかな角度は
高み、高み、昇れば宇宙さえずりの雲雀という名の人工衛星
いつからか地雷のような草原にかわいた涙でうえてゆく 百合
満月のひかりひろがる天空のうさぎの話をしてくれたまえ
悲しいなテーブルの上ふりつもるガラスみたいに砕けた歌が
ほうげきの手をやすめたら内側の誤食しなさい林檎のひかり
人魚姫のころのあなたは身を投げて声が無いのに泣いたと思う
たくさんのたくさんの血のしみついたいずれ手にする赤いティアラを
平面をいきているかの薄っぺらい手と手をつなぎ生きているのか
コンピュータ僕の友達コンピュータ僕の明日を教えておくれ
何かしら僕の明日があるようなしし座流星群の先の先でしょう
観念的な世界があって気がつけば観念のなか泳いでいるの
熱は熱はたまご焼き器の真実の目玉焼きには優しくもない
詳しくは知らないけれど蜥蜴怪人にもたぶん家庭があるのだろうね
お父さんご免ね僕はイケメンで新ライダーオーデション受かっちゃったよ
お父さん僕の手の悪のガガザドバスソードはまだまだとても重たいけれど
怪人の夫の遺品 泣きぬらす妻は悪のガガザドバスソード手にしてをりぬ
つまり正義は多数決 排除されたショッカー蜥蜴怪人の幼子は泣く
あをによしならばあなたの体温をわたしの肌にわけてください
通販で買うスライサーうすくうすく僕のからだを削りながら 夜明け
海面に目を合わせれば世界はふたつひろがる青とみえない黒と
つめたさの肌をあわせてあの海のテトラポッドはよりそいあって
奥深く突き刺さる陰を優しげな釘ぬきのように抜いてゆく
浮いてくるトマトを沈める外部から圧倒的な放漫だった
星ひとつおちてゆきます嘘つきなあなたの前をかがやきながら
心無しか冷たいのだろう手を手をつなごうとする冬のはじまり
ブラジルで生まれたはずの豆が放つのは南国のかおりと温
マフラーを見つけそこねた明け方はどうしようもなく細いくびすじ
掌のあたため方を真夜中のロイヤルミルクティーなら知っている
いずれは朽ちてゆく大木の根元に苔はうれしそうに輝いている
ゆくえ不明の鳩がおります夕刻にオペラ座辺りで見かけましたか
たちあがる塔がどこかにあるならば手をふりながらおはようを言う
純水のボウルにひたす純粋なテーブルクロスになれない布を
おそらくは鳥になれない夕やみに漂うだけの羽毛をつかむ