カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』

どうもこんにちは、富田林薫(とんだばやしかおる)です。
遠洋マグロ漁船乗りです(ぇ?

「11月の富田林薫」。

2006-12-01 06:01:19 | Weblog
「マクドナルドの歌」。

ほらそこのマクドナルドの微笑みにハッピーセットを投げつけるんだ


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「情熱の肉まんの歌」。

肉まんがあるコンビニの存在意義が明るい街をつく  「ねぇ店長」

豚まんじゃ駄目な理由を二百字で答えろと言う 赤いくちびる

コンビニで肉まんを買う レジ横でぼくの視線にほてる保温器

僕ちょっと『つゆだくまん』に惹かれたよ 百六十円 ごめん『肉まん』

情熱のイタリア女(あんっ)身に余る光栄ですが ピザまんなんて


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「カタチの歌」。

完璧な真円を描くコンパスにすこし休めばと囁いてみる

球根をやさしくつつむ鉢植えの土のかたちを友達にして

わたしには見えたと思う真球のシャボンの泡が消える瞬間

ありえない眼をみていた形として不確かなもの 星の横顔

いつからだ僕は四角く立ち尽くす(いやだと言うのか)たぶん言わない


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「なんとなくそんな感じの歌」。

某愛が芽生えるという特別な電車でむかう愛甲石田

みわたせば水槽のような街角で酸素不足にあえいでいる僕

バグダッド連続テロ死者100人のニュース見ながら 今夜は鍋で

てのひらにのこる鼓動をたしかめて 十一月は紅茶を飲もう

どれだけの海の翠を裏切ればわたしは王になれると言うの

あしたには夕日はもっと赤くなる 静かに眠れ核シェルターで

ほんとうに聞きたいことがきけるとき夕日はもっと赤いのだろう

西むいたぼくもあなたもオレンジに染め抜かれてゆく 結合衝動

ジャングルの記憶を砂漠に投射する 立ちつくした兵士の瞳はブルー

手紙には起爆装置をしたためて 奴に出そうか 海に沈める

シベリアのカブトムシだね僕たちは昆虫ゼリーの夢もみれない

もし金で平和が買えるというのなら 払ってやろう 何兆円でも

一瞬にぺいんと・いっと・ぶらっく その足にバンジージャンプの紐はないから

てのひらで四十五億の藍色をぐるぐるまぜた 地球ができた

街角で火花をちらすアマゾネス ピンヒールには凶器の香り

イブの夜の場外乱闘 手に持った見知らぬ女のヒール凶器に

さあ今夜 勝負のゴングが鳴り響く 真っ赤なドレスをガウンのように

あたくしのリングネームはダダダアーン 巨乳のなかに凶器かくして


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「プロレスを愛するあなた 受けとめて55kgのフライングボディアタック」。

あら、あなた、強靭な首のテロリスト 延髄斬りがとても似合うわ

沈黙をパイルドライバーでこじ開けて 指さす場所に一歩ふみだせ

歳老いたタイガーマスクの腰に塗るタイガーバームのような静寂

おまえにはSTFを伝授する 役立てるのだ 世界のために

燃えつきた都会のビルの片隅で卍固めをかけるのはおやめ

十六文キックで馬場がミサイルを迎撃してる雲のうえから

ふざけんなサソリ固めでミサイルに勝てると言うのか長州小力

そういえば蠍座のきみ 知らぬ間にがんじがらめにサソリ固めに

シナリオがあるって認めちゃいけないんだよ もっと戦え大仁田厚

埋められた地雷の上じゃスピニング・トゥ・ホールドは踊れないんだ


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「県立丘山田高校2年3組水球部<水中の格闘技>水尾わたるの歌」。

水中の格闘技だと言われるが 女子には「地味」の一言で終わり

水球を愛するぼくを空手部が見下してるんだ 桜庭先輩

水という無重力下の環境で ぼくは何かに試されている

一発で永久退水くらっても 復活してくる桜庭先輩

両足を交互に回す巻き足を会得した時 戦士に変わる

腹筋ともっこりのため三年間 水球つづけた桜庭先輩

あるときは愛の水中花のようにプールに咲いた後輩の鼻血

水中で敵に繰り出すローキック 不気味に笑う桜庭先輩

伝説の真紅のパンツを受け継いだぼくの気持ちを判ってくれるかい

戦いが終わったプールの片隅に脱ぎすてられたビキニパンツひとつ


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「猪田<全日本高校女子空手選手権無差別級チャンピオン>熊子の歌」。

愛をもっと 教科書どおりの形より あなたに向かってフルコンタクト

踵落としくらわせるふりして回りこみ ほら抱きしめて あたしを

戻らないアンディ・フグのポスターにそっと頬よせ涙した 夏

早朝に空手着あらう日曜日 柔軟仕上げもためしてみるわ

逃げる彼 素早く後ろに回り込み手刀一発今夜の獲物

力よりか弱い自分を見てほしい そんな涙が表彰式に

トリンプの通販ページ眺めつつ試してみたい子悪魔のブラ

夕暮れの荒川堤防駆け抜けて 寄り添う二人を横目でにらむ

空手着のすえたにおいがたまらない 正拳突でのされたような

階段をチヨコレートでうさぎ跳び 登ったさきにはあなたの笑顔


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「おとうさんのうた」。

なりたいね波平さんに いつまでもしたわれる父 髪の毛以外は

おとうさんスイッチだろう?右腕が勝手にビールを注いでしまう

こんなにも小さな掌 いつの日か大きくおおきく父さんの手に

気がつけばそこにいること普通であって特別じゃなくて それだけでいい


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「いい部屋みつかっ短歌」。

「ただいま!」と扉をあける キッチンのフラワーロックはカクカクおどる