カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』

どうもこんにちは、富田林薫(とんだばやしかおる)です。
遠洋マグロ漁船乗りです(ぇ?

「12月の富田林薫」。

2008-01-02 09:34:14 | Weblog
「笹短歌ドットコム。湯・風呂・温泉」。

 温もりはかすかにのこるバスタブにあすの僕たくしてもたれかかる

 ゆうぐれの湯花の匂い手をつなぎカランコロン下駄の音シンクロ

 かぎられた湯船のなかの適温にぜつめつ種たちのなきごえをきく

 わたしから離れていった水滴が風呂場の窓をこじあけて逃げる

 ゆるゆると怠惰はつのる街角に斗出せよ間欠泉のごときさけび

 ゆきさきはエデンの園へひたひたと痺れた足であゆむバスタブ

・こころにもないことを言う泡風呂にぶくぶくわいた気泡が爆ぜる

 ゆっくりと足をのばせるバスタブを暖色のショーウインドーに探す

 ぬるまゆの理由しらないでいま僕は喜々としてバスクリンしている

 あわとあわあわせてみたらあわいろの君はばぶるとなってあわわわ


*


「未投稿分」。

バスタブによりそう僕のゆびさきが熱をもとめて湯垢を擦る

行き場ない痛みをやどす水滴が風呂場の小窓に寄り集まって

ゆけむりの宿に僕らは辛口の温泉まんじゅうかみしめている

猿ヶ谷温泉郷のちびざるのやわいうぶげをつつむこなゆき

松の湯の煙突は消え跡地には耐震偽装のマンションがたつ

適温を受け入れながらバスタブのそこに沈めるアヒルのえがお

今ここで殺人事件が起こっても誰も判らぬほどの秘湯か

混浴という文字だけで唐突に期待に気球を脹らましちゃうな僕

ゆっくりと顔まで沈める浴槽にあと2℃ほどのお湯をください

純金も絢爛豪華な浴槽の湯を抜きたらすバスマジックリン

温泉の浴衣のきみの効能にさびれたやどもハッスルハッスル

浴槽にうかぶアヒルにぬるま湯になれてしまった僕たちがいて

秋葉原ここ掘れニャンニャン僕たちのメイド温泉できるといいなあ

猿ヶ谷温泉郷の混浴でメスざるたちにとてもモテてもっ……。

箱根路の僕はひとりでまっくろの温泉たまごをほおばっている

庭先のシロがここほれワンワンに温泉旅館のオーナー夢見る

この旅は温泉旅行であくまでも不倫旅行と言いたくはないひと

地獄谷温泉郷で「あ~極楽!極楽!」と連呼する阿藤快

湯煙の連続殺人事件の犯人が女湯を覗いて別件逮捕

雪山の秘湯の宿の番頭はふくみ笑いで客をむかえる

雪山の秘湯の宿に犯人がノコノコやって来るのも目立つ

雪山の秘湯の宿の被害者は丑三つ時の風呂が大好き

雪山の秘湯の宿の探偵はいつも宿代を踏み倒している

雪山の秘湯の宿から犯人は東尋坊へとクルマを飛ばす

湯煙の入浴シーンのOLは三人組と決まっているのだ

10年の恨みつらみも投げすててOLと混浴したい犯人

今回の山奥温泉旅行には山田奈緒子と偽名をつかう

山奥の温泉旅館の宿帳に妻としるされすこしよろこぶ

優しげな女将は全て知りながら山田夫妻として接する

ゆっくりと足を伸ばした浴槽に偽名ではない私があった

紅色に包み込まれて露天風呂散った楓に告げる本名

お揃いの浴衣で散歩下駄の音カランコロンは少し嬉しい

お土産を買うこともなく一枚の写真も撮れない山奥温泉

もう二度と山田夫婦のふりをして来る事もない山奥温泉

そして今山田奈緒子は消え失せて私は部屋にひとり佇む


*


猛風はテレビ父さん朱に染めてああサオッカーゆめみた少女は

私にもみゃあみゃあ声をかけてくる仔猫なんかはみないふりする

こまごまな貴方の電話ききながらとても綺麗にペデキュアを塗る

電線を見上げてあるけ駅までの道を無意味にあるいているなら

このあたり痒いといえる距離感をいつになっても見つけらない

ゆっくりとかんらんしゃからみおろしたみなれた街はとても小さく

皆さまのぶんさんじょうしゃの協力できょうも定時に仕事している

けっきょくはよくわからない貴方よりめのまえにある確かをえらぶ

そうね貴方はここにいる必然とはいわないまでのけっこうな偶然

にげられた鯉をさいごに釣るひとのかおもなまえも知りたくはない

エスプレッソマキアート笑ったきみのくちもとのクロワッサンの欠片もわらう

030naoya.(どっと)。
ぬくもりを忘れかけてた冬の夜は naoya.(どっと)を湯たんぽにして