カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』

どうもこんにちは、富田林薫(とんだばやしかおる)です。
遠洋マグロ漁船乗りです(ぇ?

「2009年4月」。

2009-05-01 05:40:48 | Weblog
食べ物。

・ステンレスシンクが我にかえるようなペヤングソースやきそばのお湯の奔流

・長江に身を清め一気呵成に書き上げる【冷やし中華はじめました】の張り紙

 あんかけスパゲティくるくる巻き上げねっとり絡み付くような愛に溺れたい

・とても美味しそうに出来たチャーハンを「いただきます」の前に味見する蠅

 芝公園教会ウエディングケーキ山盛り積み上げ大食い女王からの求婚を待つ

題詠blog2009:022~037。

いつまでも叶わないゆめを見つづける詩人のような職業につく

青いシャツのひと泣きながら待っている変わらない赤の交差点

幾万のなげきのこえをききながら一定の温度で揚げる天ぶら

南極の氷ゆっくりと少なくなって皇帝ペンギンの取り寄せる製氷機

真夜中のコンビニエンスありったけ孤独を買って釣りはいらない

渋谷東急ハンズみあげればめまい なんとなく四月の既視感

いずれ透明な容器であった頃の記憶を取り戻すため注ぐ純水

其処にくしゃくしゃのシャツが在るから私はエクストリーム・アイロニスト

ていねいに牛乳パックきりひらき生まれかわるための準備はじめる

富士山のてっぺんが大好きだから。ひとよんで僕のあだ名は。野口健

この短い文章のなかに世界征服計画書の在りかを示す暗号がある

「旅の終りに」「みれん酒」「炎」「男の子守唄」歌ってるのは冠二郎

序章。太陽がひとつありまして引き付けられるように生まれた何か

すこしだけ高いところの風をさがしてロンドンバスの二階にすわる

穏やかな休日は公園のブランコをこぎながら青空の意図をおしはかる

ちびまる子ちゃんの続く限りひきょうと呼ばれ続ける藤木茂の悲しみ

うたのわ。

走行中突然開きはしないか電車のドアに押し付けられ気が気ではない

渋谷109両手ひろげることなく救いとはほど遠いスクランブル交差点

その程度の近い未来だとしても明日ここにいる確信は持てない 君が

すこし違う風景を見たかったのでしょう縁側の籐椅子の向きをかえる

がむしゃらに進むことだけ考えて生きてきた波が海岸線に出逢う瞬間

もう少し待って下さい一縷の望み叶う時がくれば肩甲骨は翼にかわる

っうか新キャラクター「地デジカ」ってとり急ぎ三分で描きましたみたいな

悲しみが折り重なってバームクーヘン泣きながら食べれば夕暮れ

あけがたの海浜公園をふきぬける風の意思を確かめに出かける

もういちど星の声が聴きたい夜につくる大人のための鉱石ラジオ

世界地図のシートひろげて食べるお弁当 あら、大平洋に落ちる卵焼き

精一杯の努力して登りつめるてっぺんも転げ落ちるならほんの一瞬

これは君からの着信ランプを光らせるための僕の大切な充電器

ひかりあることしんじてミサイル発射場あたりに蒔く夏野菜の種

厚切りのチャーシュー盛り付けるラーメンが八枚めからチャーシュー麺

四月の新緑のなかにまぎれてゆく 一時のうすもも色を散らした記憶

モーニングセット頼めば「生まれたての朝だよ」的な茹で卵でてくる

それは忘れかけたぬくもりをさがす旅の途中に出逢った植物園の温室

昼。公園の噴水。水鉄砲、二丁拳銃。水あそびする。子どもみたいな

たぶん、ひとつの季節儀式として。この雨があがれば、あしたから夏

夜明け前腹をすかした序二段がちゃんこ抱えて両国方面に逃走

早朝、やわらかく降る雨が生まれたての春のキャベツの名付け親

どうしても聞きたいことがありましてLondonEyeで空に近づく

もやもやとしたものが言葉となるまえに暴力として現れる 夜

いずれわかりあえる時がくることを願い金色の獅子の流す涙

ぬくもりがひとつすてられる前に湯沸しポットの取っ手を掴む

クリーニング出し忘れたコートあってまだ部屋の隅にのこる冬

あと千年そっとしておいてほしかったと軍艦島によりそう波頭

キッチンにあふれるひかり卵を割れば世界はサニーサイドアップ

叫んでも聞こえないでしょう あなたは純粋な風になり去ったのだから

金星のひかりの照らす操車場 貨車はむごんの眠りにおちて

スパゲティくるくると巻き上げ食品サンプルの真似をして 笑った

もう少し見守りましょう これは世界中の安心がねむる揺り篭

だらだらと生きているうち哀しみの卵がまたひとつ街にうまれた

メリーゴーランド手のひらの上で廻してあなたはいつも嘘をかたった

赤い薔薇の花束投げ捨てた夜は救急車サイレン鳴らして走り去る

本当のことを告げるタイミング見計らい目の前に浮上する白い鯨

つきつめればあなたもちっぽけなmicroSDに収まるくらいのData

両耳は貝のようになって声を拒めばいい。そして、しばらくは潮騒

まちがえて角砂糖瓶おとしたら遊園地のコーヒーカップ回りだす夜

ゴーカートのゴーがいいよね。コースから飛び出してどこまでもGO

三人でかくれんぼ、鬼じゃない二人は消えて、一人では終わることない かくれんぼ

めをとじれば心臓の鼓動とちがうかなしみがふえる音はきこえた

ひとつだけ判ったことがあって生まれては幾ばくかの恋をして死んでゆく

いずれこの指が宇宙へとどくように土星のリングでつくった指輪を

子供達の笑顔がみえる。これは、金魚売りのおじさんの記憶

どうしても泣きたい楡の木をひとしれず森の奥まで連れてゆく

失恋の漁船員が永遠に終われない延縄を手繰る 月明かり

手探りですすむしかない此処からはひかり亡くした夜の領域

うすぐらい押入れの中に落ちてないかと探した。愛とか、恋とか

手にしてはいけないだろう地球最後の鼓動がきこえる聴診器

「このへんに翼が堕ちてませんでしたか」蒼白の天使は尋ねる

新緑のひかりラッパを吹き鳴らしやがて訪れる夏の準備を

明けがたの透明なビーズの連なりを一部不透明なひとみがわりに

狼になるべきときもあるのだろうか この満月のひかりの奔流

くしゃくしゃの髪のまま過ごす日曜。燃えないゴミはいずれ捨てよう

丘に登る途中の美しい花々は僕らのために咲いたのではなく

眠そうなひとたちがつり革にぶら下がりいずれ蝙蝠に進化する

また恐竜が闊歩する星の地中に僕ら化石燃料としてあるのだろう

「暑い一日になりそうです」に備えてPAC3にセットするアクエリアス

もし二人どれだけ離ればなれでもこの朝日までは、たぶん、等距離

またくりかえす。一日の始まりを告げるアナウンサーの顔はにこやか

追いつけないよ僕ら 秒速5センチメートルで舞い落ちる花びら

半袖のTシャツきて川沿いあるけば ほら、ここが夏のはじまり

明滅はひかり満月をうらやむように星になりそこねた夜間飛行

じゃあ、公園の噴水とびこんでお魚になろうか 日曜日の午後

とりあえず、お弁当二つもって公園の噴水の前で待ってます

幸福な瞬間がみえるようにゆっくりと瞼をとじた黒猫がいる

春なのにiPodから聴こえるアンジェラ・アキに何となく秋

ゆっくりと無くした物を捜すには僕らがすべて鳩になるべき

あたたかな日ですが、とりたててとくべつな日でもない土曜日

泡になる靴はそろえて家のないヤドカリにあたえる。海鳴りの朝

にぎやかな幻聴の聞こえる夜更け 薄っぺらな壁を殴り続ける拳

深夜「お言葉ですが」の「が」の辺りから羽化する真つ黒な自蛾

肩越しにレインコートは撃ちぬかれ銃弾みたくひかる雨粒

タイムトラベルのはなしをしよう理科室の薄明かりフラスコの前で

くつひもを結ばずにはしりだす ておくれのホームのあわい残像

夜が明ければ記憶の外に捨てられる水銀体温計はさんで

かなしみもうすれゆくようなあきらかにこれは四月のひかり

記憶回路の接続がずれてほんの数秒のことを鮮やかに思い出す

ひとりでは理解できないことふえて物静かなテーブルにたまる埃

ミサイルと誤報されほっとするガマ星雲第58番惑星からの飛翔体

明日がある希望がなけりゃ、羽根布団一式なんて通販しない

テーブルの二千円札とバナナの共通項を考ているうち夕暮れ

新社会人として初めての大役を仰せつかる 花見の場所取り

二人だけの内緒の話に春のラッピングバスで向かう千鳥ヶ淵

さくら咲く市ヶ谷の釣堀で釣る鯉にさそわれて恋もつれれば

つみきみほの問いにリメイク版「櫻の園」はまだ観てないと答える

世界の果てがみえる望遠鏡でみた果ては、みなれたぼくの部屋だった

うえのどうぶつえんパンダいないのに、もう、なんてにぎやかなお花見

ぼくたちのお花見のよていは日曜日、晴れるといいね、はれたらいいね

夜明けまえ世界中の鼓動きこえるという春のヘッドホンをつけて

「ここが季節のかわり目」指さすさきは薄桃色のトンネルがある

水ぬるみはじめた水田のあぜ道に春第二楽章の準備はじめる