カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』

どうもこんにちは、富田林薫(とんだばやしかおる)です。
遠洋マグロ漁船乗りです(ぇ?

「2009年3月」。

2009-04-01 05:48:40 | Weblog
建物。

・頑張っても3号までと知りながら買ってしまった『週刊 安土城をつくる』

 永遠に船出する望み叶わないまま職安通り立ちつくすだけの軍艦ビル

・金融の神の怒りをかったブルジェドバイ崩れ落ち結局はもとの砂漠

 東京スカイツリー立ち上がりつつ隅田三丁目あたり現れるALWAYSの少年

 ぎりぎりに追い詰められたキングコングは諦めて登るエンパイアステートビル

未投稿分。

少なくとも三人は作ったはずだ『ゴジラ対東京都庁』という自主制作映画

世界的ねじれ現象の要因が名古屋スパイラルタワーズにあったとは驚愕

どうしても落合監督の顔馴染めないからナゴヤドームは壊してもよい ゴジラ

宇宙移民梶原さんの息子がドラえもんの落書き残す軌道エレベーター

姫路城を300万円で売るという詐欺に引っ掛かった鷺ノ宮の伯母さん

イシハラのゴジラ迎撃指令と共に轟音変形合体しつつ飛ぶ東京都庁

題詠blog2009:011~021。

イギリス人の彼が「座る」と言うのを「それは嫉妬だ」と聞き違える

先端をかぎりなく細く仕上げるためにのみを振るう三日月の達人

何するのかもわからないカタカナ職業の男ととりあえずかわす名刺

電子レンジ完璧なひかりを放ち煮物とくいな母さんがきえてゆく

型抜きの青年が若干の勘違いをして着るチェ・ゲバラのTシャツ

故郷なんて知らない僕のテレビの中ではじまるUターンラッシュ

叶わないのぞみを抱いて曇り空に打ち解けることなくたたまれる日傘

もう二度と開かれることのないような風呂敷に包まれて格差

雨音をしるす音符のならびに泣いているようね捨てられたノート

遠すぎて知らないふりをした貧乏神もみはなしたアフリカの村

やさしい人の詩集くちばしにくわえ明けがたの海峡を渡る海鳥

液体。

雨上がりなんか気になるカタツムリ通った後に残すぬめぬめ

息をとめ湯舟のなかは羊水の抱かれた時の記憶をたぐる

冷蔵庫こわれてしまいなまぬるい生活に憤慨する缶ビール

ただの水を液体と言い換えるだけで妙に笑顔なでんじろう先生

さよならを告げられた直後から頬を伝うこの液体は何だ

喉越しを重視するあなたのために液体窒素で冷やす缶ビール

一生に一度はやりたい実験として液体窒素に突っ込む薔薇の花束

うたのわ。

週末はうすももいろのETCをとりつけて桜並木のどこまでもゆく

深海のやさしさを知っているあんこうが窓に張る青色セロファン

一陣の風のあと蹴り上げるつまさきは空へ届きそうな気がした

劇的な変化はないにしろ冬物の衣類かかえてクリーニング屋

スペースデブリあつめて土星みたくなればいいねとつくるリング

三番線、桜前線がまいります。桃色の線の内側でご覧下さい。

冬は何してんのか誰も知らないスナフキンもムーミン谷へ

花びらをあつめて飛ばすロケットで衛星軌道を桃色に染め

三月はうさぎの季節つぎつぎと配達されるお茶会の案内状

冬の女王の手先となって三月の街角に花冷えを売る行商人

破壊? 創造? 大切に守られた赤いボタンの意味は知らない

何日もかけてつくられたアリの巣をたった二十五センチの足が踏みにじる

夢を、ゆめをみていたのだろうICUで 世界中に幸せがあふれる夢を

一人ではつまらないこと知りながらくりかえす「だるまさんがころんだ」

途切れない喧騒をBGMとしてコンビニの弁当たべるビルの間の公園

臨月をむかえたはらを撫でているいのちはきっとまあるいものだ

ほんとうのともだちと別れ悲しむ冬の子が泣きながらなごり雪

破壊をはかいするしんぞうを抱いて彼女は沖にむかうのでしょう

脱ぎすてる制服のうえまいおちるさくらは少し泣き顔だった

校庭をうす桃色にそめてゆくさくらはわかれの記憶でもある

イチローがイチローとして在る理由をかみしめていた十回表

絶望をしらない蕾のようにいろんなこと膨らんでゆけばいいね

誰も説明できない浸透力ゆっくりとひたされて液体にもどる

いちばんの急行列車に乗り込みかわろうとする季節さがした

四万年の周期で変化する地軸の影響だろう いまわたしかたむく

わがままな国にも春がきつつ、ほら、いっせいに羽化するミサイル

ペンギンが氷の島ちいさくなる前にもう一度羽ばたく進化へむかう

ゆっくりといこうとおもうたましいの真空管のあかりともして

3番線春嵐が発車します危険ですから駆け込み乗車はお止め下さい

ワールドベースボールクラシックの意訳として「ほぼ日韓対抗野球」

本当は美しい真っ白な花が泣いているような瞬間をかいま見る

例えば命の長さを測るメージャーがあるとしても 測れやしない

使い慣れた辞書の「よ」の頁を開き夭折という文字を塗りつぶす

もう存在はしない人のそんざいがネットの中にマイミクとしてある

アフリカの太陽に感動したおんながあっさりと出しちゃう離婚届

上野公園のソメイヨシノの幹に触れる手につたわる蕾のうずうず

今頃は世界中の夕焼けをひとりじめしているのだろうな若田さん

叶わなかった彼の春の日を偲び佐世保バーガー食べに出かける

本当はまじめな人でよい人でと語る手摺のまえきちんと揃えた靴

遠景に雪をいだいた富士山がみえるアフリカではない国の生まれ

しあわせになる呪文となえる「エスプレッソマキアート」スタバの二階

急ブレーキまみれの夜はすり減ったタイヤを抱いてねむるしかない

Short、Tall、Grandeの意味判らないままスタバの二階

もうなんだろうやさしいはずの君がでんぐり返しのような土砂降り

EXILE新メンバーの中に海雪のJEROがいる気がした

EXILE新メンバーに岡村隆史いないことの不満をここで

上戸彩にあえそうな気がする早春のAOKIにて買うスプリングコート

宅急便の着払いの伝票を書いている木村さんの定年退職の朝

オートマトンキルモード射出ぼくたちにメメントモリはもう聴こえない

どれほどの時を過ごしたのだろう駅前の喫茶店の閉店という事実

ホームぎりぎり立つ時はふいに押されないよう右脚に力をいれて

ぼんやりとする時がふえてきてやがてそれが普通になるのだろう

カレー、食べるよね、カレー。美味しいから、三日前からつくっていたから

あなたあなたにあげる春の陽は、ええ、あたし三日三晩念じた結果の

出来ること。たぶん?わかってるよな気している。でも、たぶん?越えたい

いたずらに呼吸をとめて沈黙の春の湊におぼれるふたり

人気ものだった彼は帽子から春風を出したりする手品師

かろやかにスキップビート三月のラバーソールの靴をみつけた

変化を求めているのだろうか三月の可もなく不可もない日差しに

ふいに暖かくなる花々ひらく岬の突端へイルカでも見にゆこうか

さんざめく波に魅せられ鈍色になりかけたこころは浮上してゆく

暮れなずむ街角のご自由にお持ち下さいと書かれた冷蔵庫あり

ときに電化製品としての生き方も考えてみる電動鉛筆削り器とか

地デジ対応テレビの言い分は解らないまま立ち尽くすだけ東京タワー

冬のコートのおもみたえきれず軽やかさ求めて着るTシャツの

月蝕がはじまるころにふたりして飲んだ青い錠剤の結果として

止まってはならないSystemをとめて春風に舞い散るようにPG

じいさんの理想形として僕たちの道標となれ さくら友蔵

赤い靴を履いて出かける横浜の豪華客船 密航したい

悲しみの似合う玩具の涙腺のプラグにはめる青色LED

メタボリックな腹、すなわち、めざわりな腹。とわたくしに告げる三月

また夏が来る前にサーファーのような真っ黒な男が冬眠を終え目覚める

星ほしの大百科事典なんどなんど開いても銀河にはとどかない手

揺れてます、何が、こころが、震源地、わたし、震度計、振り切る。

少しずつ存在を意識するよう立ち上がる太陽と友達の三月の日時計

ずーとずーとやさしい種でいたかった花を咲かせるまたのこす種

ひとはだのたりない夜はよりそってねむる最新の全自動乾燥機

言葉つうじないひとたち対峙する日々はちょっとした誤訳の連続

かんがえもしなかった哀しみの粒が傘といっしょに折りたたまれる

ぱくぱくと口あけながら街角のわたしはえら呼吸のできない魚

水星の天気はあなたどうですか こちらは静かに雨ふっています

うまれでたものたちの暴虐な性格にうちふるえる青い揺り籠

重なり合うかさなりあうやがて大きな球にかわり浮かぶ甘藍

いたずらか誤報かわからないまま失意の帰途につく消防車

喫煙のひとたちのドトールの二階から見る雨降りの街のつまらなさ

ひかりある魚群探知機まつくらな深海にさがすしんじつの群れ

眠れないすべてがわたしの噂のようでくもり空にも浮き足立つ

こわれそうな人達が踏み切り待っていますが いま一人渡りました

世界地図ひろげて国境とか人種とか消しゴムとかで消してみようか

雪ふりはじめておもむろに空をみあげるひとたちの時がすこしとまる

わすれてた三月は風の公園を抜けてゆくローラースケートの少年

ここからが新しい季節のはじまりをしるす黄色いラインを飛びこす

ファインダーごしの春をちりばめたブログ写真のなかに感じてる春

指先が少しだけ冷たい理由は昨日なくした手袋のせいではなく

同じマフラー巻いて歩いた冬がゆるやかに薄れてく早春の光に

むかえる季節のなかにぼんやりと思い出す桜並木の二人の影を