鏡。
きらきらとビーズの破片くちびるに万華鏡濃度高めつつ触れ
・しし座流星群近付いて国道のカーブミラーにあつまるひかり
・アンティーク鏡台の引き出し深く異国の姫の微笑みをかくす
星空を悲しいほどに散りばめるダストトレイルは鏡面仕上げ
・ジャバウォックの詩を失くして解らない鏡の国のアリスの死因
うたのわ。
音楽の時間から終焉に向う時の泣いていたモーツァルト
珊瑚礁の記憶と供に丸く丸くなって鍋の中のオマール海老
虹色の職人気質うつむいたひとのこころを上に向かせる
手にしたら風の書籍のようで指先をすり抜けてゆく言葉たち
お勧めの料理の皿の隅っこにブロッコリーだった頃のわたし
雪降らし装置かかえて嘘つきの頭上を白くしろく変えてく
森であることをわたしの内面に知らせるための電報がくる
ゆるしたら空になりますゆき先はいわし雲から教えられます
ベランダの白いTシャツ夏の日の風のあだ名を付けておきます
約束がやぶられた夜モーターのコイルにきつく銅線を巻く
雪深き来々軒の店先に「LOVEはじめました」の貼紙のあり
なんてこと夜がこんなに優しいのなら朝がなくてもいいと思った
バランスの崩れた夜のわたしたち平均台から滑り落ちます
姿見のなかのわたしが微笑めばたぶんわたしも微笑むだろう
鳥の鳴いている気がしてベランダの窓を開ければ風の音のみ
まちがえて飛行機雲になりかわり僅かばかりのわたしを残す
目覚めれば花の匂いは消えていてわたしは春を待つガラス壜
クエーサーの星の子どもにかこまれて光の速度叶えつつゆけ
赤色の回転灯が走り去るまた幾らかの悲しみに向かって
夕暮れが傾く方に傾けばわたしも紅く染まるのでしょう
わからない成分たちが目頭を独り立ちする雨のふるらし
調理器具ねがっていたら明日には悲しみを粉砕するミキサー
合わせ味噌の夜は静かに牡蠣鍋の隙間に愛をとけてゆきます
もう手のひらの粉雪は消えると知ってひろげます手のひら
街灯のあかりは夜のやさしさの俯くひとに教えていたの
ワイパーの動きは少し忙しなく弾かれる雨も少し寂しい
永遠の翼のようなふりをして飛び立つための理由をさがす
スクランブル交差点を立ち止る誰もわたしを気にしていない
遮断機の此処と向こうの間にはもう越えられぬ悲しみがある
河口から吹き上げてくる風達よわたしのもとに集まるがよい
ゆっくりと起立しなさいひかりある明け方の海のクレーン
願ってもカードのジョーカー奇術師の指の先から弾かれてゆく
ゆうぐれの傾きながら国道のガードレールに脚をからめた
明け方をなでていた風のこどもがわたしの頬もなでてくれた
吐息は郵便ポストに入れてきた明日あなたに届くのでしょう
うつくしい夢をみていたはれわたるあたらしい空に浮かんだ
twitter。
良いのならいつか四月を持っているあなたにわたす桜の花弁
街角の直進性はズレていてわたしギアの幾つかの壊れ物
月食のマシンをひとつ懐にしのばせながら夕暮れをゆく
花を植える機械となつて幾ばくか砂漠のような隙間をうめる
くらがりの運河はふたり寂しいと水上バスの航跡に添う
何ごともなかったように西友の買い物客はいつも明るい
夕暮れの言葉すくなくモアイ部の部費は夕日に削られていた
ひかりさす中野ブロードウェイ走り抜ければ美少女である
秋葉原ガンダム喫茶のオムライス母の味だと思えガンヲタ
千駄ヶ谷「泥人形」は喫茶店ママの名前はあるいは粘土子
茜さすパーブルタウンは同人誌リア充なんて誰も言わない
きらきらとビーズの破片くちびるに万華鏡濃度高めつつ触れ
・しし座流星群近付いて国道のカーブミラーにあつまるひかり
・アンティーク鏡台の引き出し深く異国の姫の微笑みをかくす
星空を悲しいほどに散りばめるダストトレイルは鏡面仕上げ
・ジャバウォックの詩を失くして解らない鏡の国のアリスの死因
うたのわ。
音楽の時間から終焉に向う時の泣いていたモーツァルト
珊瑚礁の記憶と供に丸く丸くなって鍋の中のオマール海老
虹色の職人気質うつむいたひとのこころを上に向かせる
手にしたら風の書籍のようで指先をすり抜けてゆく言葉たち
お勧めの料理の皿の隅っこにブロッコリーだった頃のわたし
雪降らし装置かかえて嘘つきの頭上を白くしろく変えてく
森であることをわたしの内面に知らせるための電報がくる
ゆるしたら空になりますゆき先はいわし雲から教えられます
ベランダの白いTシャツ夏の日の風のあだ名を付けておきます
約束がやぶられた夜モーターのコイルにきつく銅線を巻く
雪深き来々軒の店先に「LOVEはじめました」の貼紙のあり
なんてこと夜がこんなに優しいのなら朝がなくてもいいと思った
バランスの崩れた夜のわたしたち平均台から滑り落ちます
姿見のなかのわたしが微笑めばたぶんわたしも微笑むだろう
鳥の鳴いている気がしてベランダの窓を開ければ風の音のみ
まちがえて飛行機雲になりかわり僅かばかりのわたしを残す
目覚めれば花の匂いは消えていてわたしは春を待つガラス壜
クエーサーの星の子どもにかこまれて光の速度叶えつつゆけ
赤色の回転灯が走り去るまた幾らかの悲しみに向かって
夕暮れが傾く方に傾けばわたしも紅く染まるのでしょう
わからない成分たちが目頭を独り立ちする雨のふるらし
調理器具ねがっていたら明日には悲しみを粉砕するミキサー
合わせ味噌の夜は静かに牡蠣鍋の隙間に愛をとけてゆきます
もう手のひらの粉雪は消えると知ってひろげます手のひら
街灯のあかりは夜のやさしさの俯くひとに教えていたの
ワイパーの動きは少し忙しなく弾かれる雨も少し寂しい
永遠の翼のようなふりをして飛び立つための理由をさがす
スクランブル交差点を立ち止る誰もわたしを気にしていない
遮断機の此処と向こうの間にはもう越えられぬ悲しみがある
河口から吹き上げてくる風達よわたしのもとに集まるがよい
ゆっくりと起立しなさいひかりある明け方の海のクレーン
願ってもカードのジョーカー奇術師の指の先から弾かれてゆく
ゆうぐれの傾きながら国道のガードレールに脚をからめた
明け方をなでていた風のこどもがわたしの頬もなでてくれた
吐息は郵便ポストに入れてきた明日あなたに届くのでしょう
うつくしい夢をみていたはれわたるあたらしい空に浮かんだ
twitter。
良いのならいつか四月を持っているあなたにわたす桜の花弁
街角の直進性はズレていてわたしギアの幾つかの壊れ物
月食のマシンをひとつ懐にしのばせながら夕暮れをゆく
花を植える機械となつて幾ばくか砂漠のような隙間をうめる
くらがりの運河はふたり寂しいと水上バスの航跡に添う
何ごともなかったように西友の買い物客はいつも明るい
夕暮れの言葉すくなくモアイ部の部費は夕日に削られていた
ひかりさす中野ブロードウェイ走り抜ければ美少女である
秋葉原ガンダム喫茶のオムライス母の味だと思えガンヲタ
千駄ヶ谷「泥人形」は喫茶店ママの名前はあるいは粘土子
茜さすパーブルタウンは同人誌リア充なんて誰も言わない