カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』

どうもこんにちは、富田林薫(とんだばやしかおる)です。
遠洋マグロ漁船乗りです(ぇ?

「1月の富田林薫」。

2007-02-01 05:42:56 | Weblog
はなびらの栞をはさむ読みかけのきみを静かに書棚にもどす

降る雪はしずかにふかく一面に ゼブラグラスは祈りのかたち

ゆるやかに日がのぼるころ焼け跡に少女は花をかぞえはじめる

終焉をむかえた海は静寂にきらめくような放射能色

砂浜がきえてひさしい真夜中にコンクリートはつめたい海音

はじまりは唐突であり一瞬に真っ赤に染まる海を見ていた

砂を踏む音が途切れた瞬間に海の中へと引き込まれてゆく

ときとして開いたままの両足にかおをうずめて泣き叫ぶ 弱い

つかまえる ほら手のなかにあふれだす透明な液体のぬくもり

くちびるは求めるかたち パクパクと金魚のようにあえぐ刹那は

鏡には弱いわたしを閉じ込めてシェービングクリームぬりたくる朝

透きとおる図形がならぶきらめきはロープウエーと雲のあいだに

澄みきったズンダダ族のきみの目はロックフェラーのクリスマスツリー

ヲとこどもひれふす街をしずしずと月面兎兵器ミーナがあゆむ

まよなかの液晶パネルのあかるさにトモダチなんぞ求めております

けっきょくは迷いまよって特製のハンバーグステーキにするのだ きみは


*


「笹短歌ドットコム。バンド、ミュージシャン、歌手短歌」。

「三善英史」
 約束はすり抜くるやう雨にぬれ渋谷円山町を歩めり

「清水健太郎」
 マスターの涙忘るるカクテルにまぜてしまひし白き誘惑

「SMAPの稲垣吾郎」
 シルバーのマセラッティの犯行は金田一にも予測能はず

「元ラッツ&スターの田代まさし」
 スカートのなかに真理をとらえればランナウェイと遠ざかるなり

「香田晋」
・おめでとう大工がえらぶ本年度最優秀ベストハチマキニスト賞

「元SMAPの森且行」
 スタンドにハズレ車券が舞う夜にひとりで歌ふ がんばりましょう

「今井美樹」
 おおみそか布袋のギターを従へて久美子にみせるわたしのプライド

「DJ OZMAの女性バックダンサー」
・ぬぎすてた全裸スーツのえりもとのマチャミの文字はすこし滲んで

「藤正樹」
・ブティック山川むらさきの学生服の売れ残る日々***さらばスタ誕

「トシちゃん」
あはははは僕は薔薇薔薇うひひひひNINJINはすき コロッケはきらい

「チャイルズ」
なにげなく磯野貴理子がチャイルズであった事実は封印されて

「天池真理」
夏の日のテニスコートであなた待つウキウキ気分にうらがえる声

「藤村美樹」
なにげなく元キャンディーズの美樹ちゃんもテクノポップを歌っていたよ

「ジョンレノン」
戦争はおわらないねとつぶやいて十二月八日に聴くイマジン

「宇宙ヤング」
天の川時をかけゆく少女とともに銀河にきずく高橋帝國

とまらない16連射の奔流にヤングのハートはレッツゴーずら

ためこんだ毒の吐き場所さがすよう宇宙ヤングは汗かきおどる


*


「東京タワー」。

はりついた言葉をさがす 鉄筋のかげに隠れた努力と根性

ゆっくりと街をながめる もうすこし展望台でまっていましょう

ましたから見上げるアーチのやわらかさ繭つくっちゃうよね東京タワー


*


「六本木ヒルズ」。

夕虹はママンの胸に抱かれて回転扉遠ざかる稚児

紅月に巨大なる蜘蛛従へて誰が為につくる銀の尖塔

ジグラット住まう驕れる男ども虚構の中のシンボルとなり

真夜中のロボロボ園を厳かに虚無を掲げて歩む幼子

蜘蛛の糸巡らす銀の迷宮に見つけられない空中庭園

夕暮れは東に伸びるビル影にバベルの塔のような静けさ


*


「からだから短歌」。

1 つむじ
やわらかな寝息をたてる幼子のつむじ見つめる日曜の午後

2 頭
ひだまりは仔猫のあたまなでながら時はとまると感じさせてる

3 脳
いっせいに塾からかえる子供らがバスまちながら脳トレをする

4 脊
椅子の脊に体をあずけゆっくりと吐きだす紫煙はひろがってゆく

5 髄
いくつもの被膜をはがし髄晶のとおい記憶をいまさかのぼる

6 髪
だれの手にふれて欲しいか明け方の樹木のしずくでとかす黒髪

7 毛
ゆるやかにのばす背筋をうしろからみあげる先は金色の産毛

8 額
めをとじて額にあてるてのひらに同化してゆくきみの体温

9 皮膚
くっせつを捨てさるように皮膚だけをさらしたきみが温かいです

10 膜
かなわない視線のさきの残像をそっとつかまえ薄膜につつむ

11 臓(器)
中庭に臓器移植をまつひとの指先てらすあわい陽光

12 神経
とがらせた神経の槍 ぼく=31文字 声かれるまで

13 指紋
ぴかぴかに磨いたグラスに存在を問うかのようにつける指紋は

14 顔
やすらかな寝息をたてる横顔のほくろの場所を記憶にとめる


*


「うたうクラブ」。

風はただ揺れる口実 コスモスが咲きくるう野 たぶん夕暮れ

不機嫌な女子高生がもてあそぶケータイでんわを爆破するのだ

戦烈なことばの群れにわたくしは抗うすべなく飲み込まれてゆく

呼吸するブリキロボットくりだしたロケットバンチは錆ついていた

談話室滝沢の椅子 読みかけの村上春樹 ふりきってGo!Go!Go!


*


「よい一年でありますように」。

しゅんかんは言葉のなかをあふれだす よい一年でありますように

ひなたにはわたしもまわるきみたちも よい一年でありますように

あなたからもらう言葉もそらとなる よい一年でありますように

ハーレムで埋もれて暮らすガンダムと よい一年でありますように

若者の熱きエキスを啜りつつ よい一年でありますように

  注)東京都富田林市あたりに生息する特別天然記念物吸血昆虫カツオムシの事をうたっています(ぇ?

今年こそ練馬区よ俺にひざまづけ よい一年でありますように

  注)昨年は世界としたのですが、残念ながら、その野望は実現しませんでした……。ので、今年は、野望を少々小さくしてみました(うひっ。