カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』

どうもこんにちは、富田林薫(とんだばやしかおる)です。
遠洋マグロ漁船乗りです(ぇ?

「2008年12月」。

2009-01-01 09:26:44 | Weblog
恋。

少しなら電車も遅れていいともう うん でも ああ 今 扉がしまる

冬。

弱すぎてとどかないのか わたしには 水中から見上げるやうな冬の陽

うたのわ。

そういえば去年はふたりで掃除した小さい部屋がとても大きい

わたくしの歪んだすがた消えるまでガラスクリーナーでみがく鏡

年の瀬の新聞のチラシの少なさにサブプライムローンとつぶやく

ていかうは透明な理由きらきらとすぎゆくやうにしよふねんであり

システムのなゐぶにくらすからうじて動画共有サイトでつながる

鋼鉄の塊たちに眼をとぢて柔らかなやはらかなセーターになる

眞水からひきはなされたおまつりの金魚のこどうを大切にしまふ

夕燒けのやうにサラダのカニカマが朱に染まりつつ食卓である

適温がわからなくなるぬるまゆにひたす手のひらのむくみは

はらはらとポートレートの散るよるの君のゑがほは過去形である

強引によるはやつてきてざんこくにぼくのあつめた折り鶴を奪ふ

ばらばらにとびちつた感情のために吸引力の衰へない掃除機を

揺れ 揺れ 揺れ 軋み始めた星にゆるやかな感情の羽根をもとめる

花時計 正午 明日の天気は晴れとしんじてひらく牛乳パック

ほがらかにキューピーちゃんマヨネーズ垂らすご飯に微かなママの匂ひ

冬の日にきみにむかってオッパッピーって叫べばますます寒くなる冬の日

ほんとうのことをしる錠剤にみとられて愛はしぶやの二十一階

波田陽区が健在ならばいまごろは 派遣斬りぃぃぃぃぃ って叫んだろうね残念

しんざうにペースメーカーうめこんでハイブリッドなわたくしがある

わたくしよりアイキューといふ名の小型車がかしこさうなゆふぐれ

わかものにまけぬちからとスピードをわたくしにくれる電動自転車

クリスマス爆発指令書かくしもち予定なき男子どもがさまよふ

何もみえない まるでふたりの距離感をまどはすやうに雪がふりつむ

いくへにもかさねるやうな衣をぬげばしよせん薄つぺらゐ皮膚としてわたし

左手に赤いボタンを持ちながらつまらん傘を売りつける奴

どす黒いキノコ雲から降る雨にこんな傘では濡れてしまうわ

わがままな色白雨男がじまんげにひろげるどす黒い核の傘

もう何を言いたいんでしょう 急激にお天気が下り坂にむかって

完璧にあけられた牛乳パックの牛乳も完璧とかぎらないように

世界中のキューピーちゃんのために懐にかくしもつマヨネーズ

雨がふる日のかたはらに傘はなく 夏のどこかにわすれてきたのだ

こんこんと咳こみながらかぜくすり飮むあとに吸ふたばこのけむり

冬眠をするべきなのだ ねがわくばこの冬かぎりはムーミンとなれ

まあたらしい赤い傘をだゐてねむる あしたお日樣はみなくてもいい

少年のこころとらへて放さない 空を飛ぶコウモリ傘の魅力は

レレレのをぢさん掃ゐてもはゐても終はりなき銀杏並木が黄色の輪廻

西からの雨の氣配をかんじとりカラスは夕刻の喧騷にくははる

うつむゐてあるゐてゐたら 雨上がり 虹の見方を忘れちまつた

そらからのなげきのやうに傲慢なわたくしにふりそそぐ酸性雨

雨の日がすきな理由は雨音がすべてゆるしてくれそうだから

しんけんに砂漠化をうれうところの雨男雨女たちよあつまれ

折れそうなビニール傘にもすがりつく滑稽なんだ仕方ないんだ

こんなにも不幸だなんて言いながら濡れた服あっさりと着替えて

降りしきる豪雨のなかを嬉々として爆弾魔かけぬけてゆくテレビ

いつまでも降らない雨をまちわびて枯れそうになるにんげんなのに

今日もまた屋上にのぼりどす黒い嫌悪あらいながす雨を待ってる

きまぐれに七つ願いを叶え給えと素うどんにふりかける七味唐辛子

マヨネーズの最後の一滴をしぼりきるぐらいの本気だして跳ぶ

どうしても変わりようのない殻にあたる雨音をだけを受け入れている

とかなんとかいいながら雪になったら電車がとかいうつまらない僕だ

雨だ 雨がそのままふりつづき雪にもならん ここはつまらない街だ

永遠の愛売りますという自販機に偽造コインを突っ込んでやれ

ゆうべからうきうきなわけはこんなにも街角が白にそまるからだ

ゆきになる確率がたかいあけがたの音はくぐもるようにささやく

このままでよかった愛されること望んだばかりにふりやまぬ雪がつめたい

ぼくたちも純粋だった手袋をさかさによんでなぐられた冬

予報では雨となる午後にあなたはふたしかな晴れをもとめた

さあこれが北斗七星 寒空にダイソーで買う柄杓かざして

さくさくと紅い絨毯ふみながら冬の映画祭会場へむかう

午後四時の影の長さにしんしんとちかづく冬の姿がみえた

いっそのこと氷河期はやってきて世界を白く白く塗り潰せばいい

かたすみの冬の日差しのなかに誰もしらないとけてゆく霜柱

かんぺきなユーブイケアを施した秋田美人のように長ネギの白

ゆうぐれの長ネギをペアにまとめる青いテープがうらやましくて

四億年のかわりもしないしんかいのシーラカンスの鱗みたいな

おとのないせかいにくらすくだらない陰口なんてだれもいわない

キヨスクにきみとくらしてなにもかもてのとどきそうな安心感は

夕刻のスーパーの前じまんげにエコバックから突き出る長ネギ

もうすこしいればいいのに最終が始発となまえかえるころまで

必要のないものですね無造作にカセットボンベのキャップのように

すてられたカセットボンベみたいに炎なんかどこにもないのです

こうしてると肩のたかさはおなじようベッドルームに足をたらして

雪 雪 雪 雪 雪 雪 雪 嘘つきなこのぼくを真っ白く

どうやら隠し都市鉱山でめんどくさいの鉱脈を掘り当てたようだ

電脳街のおわりをつげる真っ黒なツクモのビルが墓標のように

放漫な飼い主の目をぬすんで傲慢なチワワの蹴り上げたい腹

おはようってかわりにピンポーンって返事した今朝の駅の改札

さいあくなきぶんにおかまいなくて街角はクリスマスネオンに着飾る

かいぬしがなにをいおうとこぶとりのコーギーがばか犬にみえて

昨日できた膝のかさぶたの愛しさとせつなさに涼子と名をつけて

日に日に硬くなってゆく膝のかさぶた涼子のなにげない心強さと

夜明けまえあやまちはおそれずに膝のかさぶた涼子とわかれる