カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』

どうもこんにちは、富田林薫(とんだばやしかおる)です。
遠洋マグロ漁船乗りです(ぇ?

「2010年2月」。

2010-03-01 05:43:58 | Weblog
題詠blog2010:001~045。

アントキの猪木にこころ奪われた春一番よさよならごめん

わたくしは暇なのではない、ネトゲとか、ガンダムとか、フィギュアとか、忙しいのだ

わすれたとはいわせないブランコはそらまでとんだ児童公園

休符、わたし、休符、あなた、休符、休符 楽章の終わりは疑問符

一周のあいだにすべての嘘きえることを信じて乗り込む観覧車

一途なキャッチャーがストレートのサインばかり出して 打たれる

玄関先に決心があらわれてとっとと靴を履けと急かすのです

東西線、南北線 交わるあたり方角が手をつなぐ夢をみました

あけがたの春菜を摘んで風向きが南にかわる時を待ちます

それは言葉のかけら深夜ひとつずつあつめてはこころに還す

モンゴルの空が訪ねてきたらしく朝青龍が涙している

不自由な指先で壁を塗り直しては穏やかに暮らしています

明け方に元気になって飛び回る夢をみました ゆめでした

とおくとおく海と空との接点に鯨はいるか確かめたいね

南海の孤島に流れ着いた静代がフラガールとして生まれ変わる

今では相撲中継だけが安らぎの爺さんの暮らす蝋人形の館

最近が近付いてきてどうよどうよと問いかける 放っといてくれ

京葉線。京浜東北線。ならば、京埼線と呼ぶべきだろう埼京線

たまに誰か思い出してあげればいいのです 押尾学の横顔なんて

この星にひとが生まれたおそらくはまぐれ当たりの始まりだろう

心臓の音が遠ざかる あれは林道に忘れられた狐の手袋

ディズニーカレンダー詳細に見つめ隠れミッキーをさがす

コーラから抜けてゆく魂がありそうで硬くキャップをしめる

紙相撲の土俵で生きているかのようにバランスがとれない

環太平洋恒久平和条約 鯨とイルカと鮪のあいだにて締結

あなたが丸まっている間に窓辺から春の準備をしておきました

そわそわが日だまりのキッチンのアスパラガスから聞こえてきます

いつの日か陰をなくしてひかりある表になりたい月の裏側

またひとつ歌をなくして街角に悲しみのご利用券が配られる

月旅行はじまる朝にわたくしは兎の秤をなくしたようだ

デジタル3DSFシネマのように宇宙人がやってくるヤア!ヤア!ヤア!

滝にうたれる修行僧の苦しみはいずれ滝へともどるのでしょう

炬燵、みかん、炬燵、みかん、炬燵、みかん 冬の日は無限ループ

寂しげな背中にとどく孫の手を孫のないひとたちに配る

金色にかがやく草原のかたすみで風になっているフルート

ラグーンブルーのイメージを奏でる高中正義という人のギター

三月の本棚の奥に取り出して欲しそうな薄桃色の背表紙

木耳は木の耳だから空耳は空のどこかの耳なのだろう

怠惰うずたかく積もりそうな夜は窓を開け風にあたる

本当のオレンジが広がるように夕暮れの凹レンズを磨く

水晶の玉の代わりにいつまでも鉛の玉をみがいています

昼下がり宇宙の果てにたどり着きうたた寝をする天文学者

まるでわたしシール剥がした後の台紙ようにふちだけが残る

もしかしたら壮大な意思に飼われる服を着たペットなのかも

順番待ちの人びとを押しのけて我が儘な水牛の群れが走り出す

twitter。

ザクとして老獪な兵士もただの背景に埋もれて消えていったのです

ただ背景のボールに乗った連邦の少年兵もいたのでしょうね

その先に春風のふれるまでもう少しバスを待ってみますね

それからです雨の領域にとらわれて大粒の涙を流すのです

ひかりという指先で雨をとじ出来るなら次の青空をひらく

誰もいない公園の滑り台うなだれて笑い声を求めています

兄さんのイメージは赤 それはふたり血の繋がった兄妹だから

キシリアのマスクのしたの血の色のかなしいほどのうすいくちびる

見栄ばかり張るのはおよし意味のないツノがそれほど大切ですか

消えかけるわたくしを追いこすように去ってゆくテールランプだ

新宿駅13番線ホーム冬色の手編みマフラーが落ちている

てのひらをしんざうにあて忘れてゐたひとつひとつが燃ゆる胎動

校庭の櫻の木からきこえますわたしきこえますよりそつて下さい

それなら日差しのなかにかぎりなく圓をゑがいて暮らしませうね

くびすぢに鰓さへ持てぬ躯ゆゑ海の雫を手のひらに置く

芽キヤベツを心臟の代はりとし春の鼓動に生かされてみる

羽根なんて付いてゐない汚れたシャツ脱げば蒼白い背中

深海に沈む街あり水面にあがいても届かない観覧車あり

手拍子が聞こえつつあるオキザリス

春の夜のスペースデブリ早見盤

おとうとの電話がつづく蜃気楼

肉厚のしいたけのかさのうらに愛はかくされていないかと探す

だれもとめようのない暗がりのなかで青空晴夫が歌いはじめる

もはやそれは詩であって雨に滲んだ聖書片手にバランスをとる

わたしそらをとびたいあなたなら金の羽根でも買えるのでしょう

いくばくか雪の成分をうちに含んでくもり空の途切れない二月

しんぞうの音のきおく失くしてしまい凍えるようにちょうしんき泣く

やがて薄れゆくスープの温もりのあるうちに舌の窪みで転がす

ゆうぐれにあなたが言葉をのこす時ゆうぐれはきっとあなたの色だ

流星群、流星群 きらきらとこの星の夜空にふりかける食卓塩

自転車で駆け下りるシャツに孕む風をとらえて飛んでゆけそうだ

真夏のとおい記憶をさかのぼるのでしょう 縄文杉の緑にふれる

花言葉わすれた花をいちにちのおわりに活ける おねむりなさい

なんだろうふと思うことがあってひとつ言葉になればいいのだろうね

花としてうまれてしんで一瞬をかがやけるならいいのでしょうね

おもちゃのカメラで撮った風景はだれのなかにもあるのでしょうね

何もかもお見通しのウェイターが目立たない席に案内してくれる

表面をなでられて桃が小児病棟の病室におかれる

雲が、雲が、負っているのです 仕方なくはきだす 雪、雪、雪、なのです

あなたが尾をふる、ゆるやかに尾をふる それだから、私じゅうが許されて

そう、人魚。ええ、にんぎょがそこの水槽についさっきまでいたはずなのです

真夜中のわたし。わたしは、とおい青空を夢にみながらゆめみるのです

ぶろーくん、ぶろーくん、ひらがなで呼びかけてみる。まるで友達のようだ

いまきっとどこかで月明かりかがやくためにしぬひとがいる

ごめんなさい言葉がえーえんにおわらない嘘ばかりならべて

LEDひかり輝いて忘れてしまうマッチ売りの少女が点ける火よ

太陽のひかりちかづく楽しいのでしょう彗星が尾をふっている

てのひらにこんこんとふりつもるものが雪だか嘘だかわからない

また次の機会に致しましょうミナミコアリクイの夢のはなしは

夕暮れにあらわれた世界一かがやく嘘を図らずも信じてしまう

どこまでもつま先だってまよなかの月面に降る雪がみたいね

こんなことひっしなってやっているそれがなんだかたのしくもある

世界 誰もいなくなったとしたら雲がゆるやかに深呼吸する

ひまわりの種をたいせつに生きている弟のなかに立ち上がる夏よ

バイバイってお別れの言葉であってバイバイって見た目より悲しい

生まれようとする歌をダウンロードする春の日のiTunesStore

鳥かごはせまいのでしょうたとえ羽根をなくした鳥にとっても

ごめんなさい夢ばかり語ってしまい老齢のバクの夫婦にあやまっている

春が近づく公園の噴水の前に少女がひかりを語るのでしょう

日曜日はゆっくりとお休み 海とか、空とか、愛とか、宇宙とか、無視

スーパーの迷宮を歩く お醤油の隠されている場所がわからない

ながれほしの尾があったのです掴みそこねて逃げられましたが そこに

やむをえず触覚をふるわせて命の短さにあなたは泣いた

いちめんの海の絵画にかこまれてマリンブルーがすべての色

夕顔が咲き狂うように何処かで明け方を無くしたようだ

天空のすみでこわれかけたひかりを糊で貼ってゆく作業

夕焼けの色を残した赤いポストへ今までを投函するまよなか

バスタブからのぼる蒸気が天井にあつまってまた落ちてくる

とおく星になったあなたへのことばを光速な飛脚にたくす

かつん、かつん、遊歩道を響きわたるこれを立春の声と決める

パプリカの赤がようとたちあがる朝のひかりに背中を押されて

寂しいと書いて消した気持ちが消しゴムかすとなって積もりゆく

ただそれは誰のきもちでもなく世界中を薄ベールで包みおえる

風見鶏が南をむきそうな日だ自転車のペダルにちからいれて漕ぐ

永遠と書きそこねた便せんをいつまでもとっておいて ばかだね

二月のライオンのたてがみがあふれでる冬のひかりに輝くようだ

よみかけの冬の本に白梅のしおりをはさみ街へでかける

うすい羽根のようだねかげろうの僕の背中に張り付くものは

あけがた かすかに冬のうつろいをかんじるようにしゃべりだす梅

終わらない おいつきそうでおいつけない影が半歩さきを逃げてゆく

失くした潮騒をさがしていますとゆうぐれの玄関先におとずれた波

雨音の連弾がおわったら互い背をそむけ立ち去るのでしょう

みずからのいしでおちてゆく青い林檎をせめてはいけない

あのときの感情を保存したフォルダの場所が判らないのです

ひかりある野いちごの群れ願わくはくちびるにふれるひとつぶ

親愛なる羽根を選んだものたちが空のむこうへ飛び立ってゆく

ひかりを伝える(誰に)ために(あなたに)たまに星の擬態をしています

島となるあなたの岸へゆるやかに遊覧船で近付きましょう

のぞむのであればてのひらのうえで百年に一度の花がひらく

ピアノのおとのとぎれた明けがたかなしみのことばが凍りつく

蛍烏賊ほどのあかりをさがして ああ、なにを期待しているのでしょう

過去形のことばをつめたフォルダーをシフトキー押しながら削除する

もうわからないのかもしれない静かに完成形八ッ場ダムに沈む樹々

ゆるしてほしいっていうのはゆるしてほしいからで ひかり

あなたが星であることに気がつきませんでした 輝いて瞬いて消えてしまって

たいせつなものがたくさんあって夕暮れ時のカレーのにおいとか とか

涙腺を通過する特急電車あなたには緊急停止ボタンをあげましょう

こんなにもビルがたくさんあってほんとうの星の姿がわからない

ひまわりの種をさがすオペラ座の二階席歌声の届かない後方

冬の夜にまちがえた流れ星またたきおちてなんか真っ暗

伝えてもよいのではないですか月のひかりの浄化作用を

赤い屋根、青い屋根、緑の屋根、白くそまればみんなともだち

平成22年と言うよりも昭和85年と言うほうが判りやすい 時もある